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【アニメのタイトル】:一ッ星家のウルトラ婆さん
【原作】:芥川めめ
【アニメの放送期間】:1982年10月16日~1983年1月15日
【放送話数】:全26話
【監修】:光延博愛
【チーフディレクター】:原田益次
【キャラクターデザイン】:北原健雄
【美術監督】:川井憲
【音楽】:山本正之
【音響監督】:鳥海俊材、松岡裕紀
【文芸】:吉田進
【制作協力】:シャフト
【制作】:よみうりテレビ、ナック
【放送局】:日本テレビ系列
●概要
■ 破天荒な婆さんが巻き起こす痛快アニメ
1982年10月16日から1983年1月15日までの期間、日本テレビ系列で放送されたテレビアニメ『一ッ星家のウルトラ婆さん』は、独特な作風と痛快なキャラクター描写で、当時の視聴者たちに強烈なインパクトを残しました。本作は、アニメ制作会社ナックと読売テレビの共同制作によって生み出され、全13話(うち8話がDVD化)というコンパクトな構成ながら、今なお語り草となる名作として記憶されています。
■ 制作背景:ナックと読売テレビによる異色タッグ
『一ッ星家のウルトラ婆さん』の制作を担ったナックは、1970〜80年代にかけて、個性的なアニメ作品を次々に送り出したスタジオとして知られています。本作においても、ナックらしい遊び心と大胆な表現がふんだんに盛り込まれており、そこに読売テレビ側の地上波向け放送ノウハウが融合したことで、奇抜ながらも老若男女が楽しめるバランスの取れた作品に仕上がりました。
■ 物語概要:パワフル婆さん・トラ婆さんの大暴れ
物語の主人公は、一ツ星家の家長であるトラ婆さん。年齢をものともせず、驚異的なエネルギーで家族も周囲の人々も巻き込んだ騒動を次々と引き起こします。
トラ婆さんは、江戸時代の天下人・徳川家康の血を引いているという設定が付加されており、誇り高く、一本筋の通った人物として描かれます。
一見するとただの騒がしい老婦人ですが、いざという時には驚異的な力を発揮し、問題を豪快に解決する姿が最大の見どころです。
■ 独特な世界観と演出
一ツ星家の家紋には、三つ葉葵の中央に星が加えられており、徳川家の威厳と現代的なポップさをミックスさせたユニークなデザインとなっています。この家紋はエンディング映像にも登場し、作品の世界観を強調する重要なモチーフとなっていました。
また、アニメのテンポは非常に軽快で、トラ婆さんの突飛な行動に合わせてリズミカルなカット割りやデフォルメ表現が多用され、子どもから大人まで楽しめる作りになっていました。
■ 本作の魅力ポイント
① 主人公の圧倒的パワー
通常、アニメにおける高齢キャラクターは脇役に回ることが多いですが、本作ではトラ婆さんが堂々たる主役。彼女の底知れない生命力と行動力は、毎回視聴者に驚きと笑いを提供しました。
② 家族愛をユーモラスに描く
単なるギャグアニメに留まらず、一ツ星家のメンバー間に流れる温かい絆も物語の重要なテーマとなっています。無鉄砲な婆さんと、その無鉄砲さに振り回される家族たちのやり取りは、笑いと共にほんのりとした感動を与えてくれました。
③ 江戸時代との奇妙なリンク
トラ婆さんが徳川家康の末裔という設定を活かし、時折歴史ネタや時代劇風のパロディも挟み込まれていました。この独特な時代ミックスが、作品に一層の面白みを与えていました。
■ 放送当時の反響と受容
当時の視聴者からは、「他に類を見ない婆さんヒーローもの」として珍しがられ、特に子どもたちには「うちのおばあちゃんもこんなだったら面白い!」という声が多く寄せられました。
一方で、アニメファンや批評家筋からは、「ナックらしい軽妙な作品」「社会通念にとらわれない自由な作品作り」といった好意的な評価が目立ちました。
ただし、万人受けする内容とは言えず、少数ながら「騒がしすぎる」と感じた視聴者も存在したようです。
■ メディア展開:DVDリリースとその後
2000年代に入ると、ニューシネマジャパンより、全8話を収録したDVDが全2巻で発売されました。これにより、かつて本作をリアルタイムで観ていた世代のみならず、次の世代のアニメファンにもその存在が知られるようになりました。
しかし、全話収録版ではなく、8話のみという点に不満を漏らす声もあり、コンプリート版のリリースを望む声はいまなお根強く存在しています。
■ なぜ今『一ッ星家のウルトラ婆さん』が再評価されるのか
近年、レトロアニメブームの中で、『一ッ星家のウルトラ婆さん』も静かに再評価されつつあります。
パワフルな高齢者像が、現代社会の「アクティブシニア」というキーワードと重なり、現代的意義を持つようになった点
家庭内の絆を笑いで描く作風が、令和の家族観とも親和性を持った点
そして何より、型破りなヒロイン像が、今なお新鮮に映る点
こうした要素が、今あらためて注目される理由となっているのです。
■ まとめ:『一ッ星家のウルトラ婆さん』が残したもの
『一ッ星家のウルトラ婆さん』は、単なるギャグアニメにとどまらず、
年齢にとらわれない自由な生き方
家族との絆
時代を超えるポジティブなエネルギー
といった普遍的なテーマを、ユーモラスに、そして力強く描き切った稀有な作品です。
時代は変わっても、トラ婆さんのような「元気に、自由に、そして愛を持って生きる」精神は、これからもきっと多くの人々に元気を与え続けることでしょう。
●あらすじ
■ 下北沢の平凡な家庭に潜む非凡な存在
東京・下北沢に住む一ッ星家は、銀行支店長の息子・英太郎とその妻・キヌ子、そして孫の健一と共に暮らす中流家庭です。この家庭の中でひときわ異彩を放つのが、明治生まれのトラ婆さん。小柄ながらもバイタリティにあふれ、日々の生活に活気と混乱をもたらしています。
トラ婆さんの行動は常識を超え、息子夫婦をしばしば困惑させますが、孫の健一とは抜群のコンビネーションを発揮。彼女の行動力と好奇心は、家族だけでなく周囲の人々を巻き込んで、日常を非日常へと変えていきます。
■ 徳川家康の末裔、ウルトラ会の総元締
トラ婆さんの正体は、徳川家康の血を引く隠密の家系「ウルトラ会」の総元締。江戸時代から続くこの秘密組織を統括し、現代においてもその影響力を保持しています。しかし、この事実を知るのは飼い犬のアントニオだけ。家族にも秘密にしているこの二重生活が、物語にスパイスを加えています。
ウルトラ会の総元締としてのトラ婆さんは、時には忍者のような身のこなしで事件を解決し、時には情報網を駆使して問題に対処。その活躍は、家庭内の騒動だけでなく、社会的な問題にも及びます。
■ ギャグとパロディ満載のストーリー展開
本作は、トラ婆さんの破天荒な行動を中心に、さまざまなギャグとパロディが展開されます。当時のテレビ番組や芸能人を風刺したネタ、昔話のパロディ、さらには下ネタや差別発言など、現在では放送が難しいとされる過激な表現も含まれていました。
●登場キャラクター・声優
●一ッ星 トラ
声優:松金よね子
明治生まれのエネルギッシュな老婦人で、一ッ星家の中心的存在。見た目は小柄ながら、その行動力と破天荒さで家族や周囲を巻き込む騒動を次々と起こします。実は、徳川家康の血を引く隠密組織「ウルトラ会」の総元締という秘密を持ち、日常の裏で密かに活動しています。その正体を知るのは、飼い犬のアントニオだけという設定がユニークです。
●一ッ星 健一
声優:鈴木三枝
トラの孫で、元気いっぱいの小学生。祖母の突飛な行動に振り回されながらも、彼女との冒険を楽しむ無邪気な少年です。家族の中ではトラと最も親しい関係にあり、彼女の秘密や騒動にも深く関わっていきます。
●一ッ星 英太郎
声優:池水通洋
トラの息子で、銀行の支店長を務める真面目な中年男性。家庭では常識人として振る舞い、母トラの奇抜な行動に頭を悩ませています。彼の苦労人ぶりが、物語に現実味とユーモアを加えています。
●一ッ星 キヌ子
声優:幸田直子
英太郎の妻で、健一の母親。家庭を守るしっかり者であり、トラの突飛な行動に対しては厳しく接することもありますが、家族思いの優しい一面も持ち合わせています。
●一ッ星 トドメ
声優:佐々木るん
英太郎とキヌ子の娘で、健一の姉。思春期の少女らしく、家族や学校生活に悩みながらも、トラの影響を受けて成長していきます。彼女の視点から描かれるエピソードも多く、物語に深みを与えています。
●亀田巡査
声優:稲垣悟
下北沢の交番に勤務する警察官で、一ッ星家の騒動に度々巻き込まれる苦労人。トラの行動に振り回されながらも、地域の平和を守るために奮闘しています。
●倉持 雪子
声優:立川千晶
健一のクラスメートで、明るく活発な少女。健一とは良き友人関係にあり、彼と共にトラの騒動に巻き込まれることもしばしば。彼女の存在が、物語に爽やかな風を吹き込んでいます。
●主題歌・挿入歌・キャラソン・イメージソング
●オープニング曲
曲名:「おばあチャンバ」
歌手:松金よね子
作詞:高平哲郎
作曲:沢田研二
編曲:後藤次利
■ 楽曲のイメージ
『おばあチャンバ』は、作品の主役である”トラ婆さん”のエネルギッシュで破天荒なキャラクターをそのまま音楽にしたかのような、パワフルかつコミカルなオープニングテーマです。
軽快なリズムに乗せて、年齢をものともしない婆さんの活躍を陽気に讃え、聴く者を自然と笑顔にさせるような明るい雰囲気を持っています。
イントロからテンポの良い打楽器が刻むビートと、遊び心たっぷりのブラスセクションが高らかに鳴り響き、まるで「今日も一日、トラ婆さんが大暴れするぞ!」と宣言するかのような躍動感が全開です。
■ 歌詞の概要
歌詞は、明治生まれであるにもかかわらず、常に最先端の行動力を見せるトラ婆さんの痛快な日常をリズミカルに描写しています。
「年寄りだからって甘く見るな」「元気でいたら年齢なんてただの数字!」とでも言わんばかりに、自らのパワーを誇らしげに歌い上げます。
コミカルな言い回しが散りばめられており、「ドタバタ」「バタバタ」「ドカン!」といった擬音語がアクセントになっており、トラ婆さんのエネルギッシュな動きをそのまま音にしたような感覚を覚えます。
また、家族やご近所を巻き込みながらも、結局みんな笑顔にしてしまう彼女の存在感が、ユーモラスに、かつ温かく表現されています。
■ 歌手・松金よね子の歌い方
松金よね子さんは、女優としての豊かな表現力を存分に発揮し、この『おばあチャンバ』でも見事な「芝居がかった歌唱」を披露しています。単に音程をなぞるのではなく、ところどころセリフのように力を抜いたり、逆に感情を爆発させたりと、歌の中に細かい演技を織り交ぜながら表現しており、聴いているだけで一つの短編コメディを見ているような感覚にさせられます。
特にサビでは、声を張り上げながらも、親しみやすいおばあちゃんらしさを失わず、聴き手をグイグイ引き込む力強さを持っています。
まるで「トラ婆さん本人が歌っている」と錯覚させるほどの自然な歌唱スタイルで、楽曲の持つコミカルなエッセンスを存分に引き出していました。
■ 視聴者の感想
放送当時、『一ッ星家のウルトラ婆さん』をリアルタイムで観ていた子供たちは、この『おばあチャンバ』の軽快さにすっかり魅了され、学校でも口ずさむ子が続出しました。
特にサビの「チャンバ!チャンバ!」という掛け声は、子供たちの間で流行語のように使われ、体育の時間や運動会などで自然発生的に叫ばれる場面もあったほどです。
また大人たちの間でも、「なんだか元気をもらえる」と評判になり、朝の目覚まし代わりにこの曲を流していたという声もありました。
今もなお、『おばあチャンバ』を聴くと自然と体がリズムを取り、トラ婆さんの底抜けの明るさが蘇る、そんな記憶を持つ人が少なくありません。
●エンディング曲
曲名:「ウルトラがサバドゥビヤ」
歌手:松金よね子
作詞:高平哲郎
作曲:沢田研二
編曲:後藤次利
■ 楽曲のイメージ
『ウルトラがサバドゥビヤ』は、作品全体のコミカルで温かな世界観を、絶妙なバランスで締めくくるエンディングテーマです。
陽気で楽しげなリズムが、物語の終わりを寂しくさせず、むしろ「明日もまた元気に頑張ろう」と前向きな気持ちにさせてくれます。
曲調は軽やかなスウィング風味を持ちながら、ほんのりとレトロな昭和ポップスのエッセンスも漂っており、懐かしさと新しさを同時に感じさせる独特の味わいを持っています。
タイトルにある「サバドゥビヤ」という耳に残るフレーズは、言葉の意味を超えたリズムそのものの楽しさを象徴しており、聴く者に不思議な幸福感をもたらします。
■ 歌詞の概要
この曲の歌詞は、トラ婆さんの破天荒な日常を、よりファンタジックかつ詩的に昇華した内容になっています。
「ウルトラ婆さんが今日も街中を駆け巡る」「困ったことも笑い飛ばしてしまう」という情景が、リズミカルな言葉遊びを交えながら生き生きと描かれています。
特筆すべきは、難しい言葉を一切使わず、シンプルかつリズム重視で構成されている点です。
特に「サバドゥビヤ」という無意味なスキャット風のサビ部分は、言葉を超えて感情そのものを音に乗せる役割を担っており、「とにかく楽しい!」という感情をダイレクトに伝えてきます。
また、歌詞の裏には「どんなに世の中が騒がしくても、笑って乗り越えよう」という温かなメッセージが隠れており、単なるコミカルソング以上の深みを持たせています。
■ 歌手・松金よね子の歌い方
松金よね子さんの歌唱は、『おばあチャンバ』以上に遊び心に富んでおり、特にサビの「サバドゥビヤ〜」の部分では、わざと抑揚を強調し、リズムを大きく揺らしながら歌っています。
普通なら正確に歌うことを求められる部分を、あえてわずかにズラしたり、声色を変えたりして、聴いている側に「一緒に歌ってみたくなる」ような親しみやすさを与えています。
また、トラ婆さん特有の豪快さと、ふと見せる優しさを声色で表現し分けており、1曲の中に喜怒哀楽が詰まったような豊かな表現力を感じさせます。
明るく突き抜ける高音、ちょっとダミ声気味に響く低音、さまざまな声の表情を自在に使い分けることで、楽曲の世界観をさらに奥深いものにしていました。
■ 視聴者の感想
放送当時、『ウルトラがサバドゥビヤ』は、子供たちだけでなく大人たちの間でも「クセになる」と大きな評判を呼びました。
特に「サバドゥビヤ」のリズム感が子供たちに大ウケし、放課後の遊び歌や、学芸会での出し物の中に取り入れられることもありました。
また、トラ婆さんのドタバタな活躍を見た後、このエンディングで明るく締めくくられることで、「今日も楽しかったな」と満ち足りた気分になれた、という声も多く聞かれました。
さらに、大人たちの中には「疲れた夜にこれを聴くと、嫌なことも忘れられた」という人もおり、意外にも幅広い層に支持されていたことがわかります。
現在でも、昭和アニメソングの特集などで取り上げられることがあり、「なんだか元気になれる曲」として懐かしさと共に再評価される存在となっています。
●アニメの魅力とは?
■ 【キャラクターの魅力】トラ婆さんの”無敵すぎる”存在感
何よりこの作品最大の魅力は、主役であるトラ婆さんその人にあります。
年齢を感じさせないどころか、若者すら振り回すエネルギー、行動力、そして型破りな発想。
彼女は、息子や孫の常識を軽く飛び越えて、周囲を巻き込んでいく存在でした。
例えば、銀行支店長である息子が家庭でルールを決めても、トラ婆さんがひとたび行動を起こせば、その全てがひっくり返る。
それが決して迷惑ではなく、結果として家族をより明るく、元気にしてしまうのです。
無邪気さと豪快さを併せ持つトラ婆さんは、まるで昭和の古き良き”肝っ玉母さん”の進化版。
一言で言えば「絶対に敵わないけど、心から愛せる存在」でした。
■ 【物語展開の面白さ】日常の中の非日常
本作のストーリーラインは、基本的には現代(当時)の中流家庭を舞台にしています。
しかし、普通の家庭劇にとどまらないのが『一ッ星家のウルトラ婆さん』の醍醐味。
トラ婆さんは、スーパーに買い物に行くだけでも一騒動を起こし、孫の学校行事にも乱入し、町内会の運動会では無双する。
ありふれた日常の中で、トラ婆さんが「超人的」な活躍をすることで、物語に絶妙な非日常感が生まれていました。
また、時折トラ婆さんの血筋が”徳川家康の末裔”であることが冗談めかして語られ、彼女のタフネスさを面白おかしく正当化する設定も、視聴者にとってはちょっとしたご褒美のようなものでした。
■ 【演出の工夫】テンポ感抜群の笑いと温もり
『一ッ星家のウルトラ婆さん』は、30分枠の中で実に軽快なリズムで物語が進みます。
ひとつひとつのギャグや騒動も、決して引き延ばすことなく、テンポ良く畳みかけるスタイル。
それでいて、ラストでは必ず家族愛や人情味をじんわりとにじませるエンディングになっており、見終わった後には不思議と胸が温かくなる作りでした。
演出においても、トラ婆さんのアクションシーンでは大げさな効果音や、極端なデフォルメ演技が多用され、アニメならではの”やりすぎギャグ”が炸裂。
子供たちは大笑いし、大人たちはクスリと笑いながらも「でもうちの母ちゃんもこんな感じかも」と親近感を覚えたのです。
■ 【声優陣の熱演】トラ婆さんを支えた名演技
主人公トラ婆さんを演じた松金よね子さんの存在感も特筆すべきポイントです。
彼女は、力強さと可愛らしさを絶妙にブレンドした演技で、単なる”うるさい老人”ではなく、チャーミングな”ヒロイン”としてトラ婆さんを成立させました。
さらに、トラ婆さんの家族や近所の人々を演じる声優陣も、ベテラン揃い。
息子・英太郎を演じた池水通洋さんの、苦労性だけど根は優しいお父さん像、孫・健一を演じた鈴木三枝さんの元気いっぱいな少年ボイスなど、登場人物全員が生き生きと動き、物語にリアリティを与えていました。
■ 【音楽の力】「おばあチャンバ」と「ウルトラがサバドゥビヤ」の魔力
本作のオープニングテーマ「おばあチャンバ」とエンディングテーマ「ウルトラがサバドゥビヤ」は、作詞:高平哲郎、作曲:沢田研二、編曲:後藤次利、歌:松金よね子による楽曲です。当時、アイドル的人気を誇っていた沢田研二が作曲を手掛けたこともあり、話題となりました。松金よね子の明るく力強い歌声が、トラ婆さんのキャラクターを引き立て、作品全体の雰囲気を盛り上げました。
●当時の視聴者の反応
■ 放送当時の視聴者の反応
放送当時、視聴者からは賛否両論の反応がありました。一部の視聴者は、主人公・トラ婆さんの破天荒な行動や、家族との温かいやり取りに魅力を感じ、作品を楽しんでいました。特に、孫の健一とのコンビネーションは、物語に温かみを加え、視聴者の共感を呼びました。
しかし、他の視聴者からは、トラ婆さんの言動が過激すぎるとの指摘もありました。特に、女性キャラクターの露出が多いシーンや、過激なギャグ描写に対しては、子供向けアニメとしては不適切だとの意見も寄せられました。これらの要素が、視聴者の間で賛否を分ける要因となりました。
■ メディアでの評価と反応
当時のメディアでは、『一ッ星家のウルトラ婆さん』に対して、独特の世界観やキャラクター設定に注目が集まりました。特に、主人公・トラ婆さんの設定が、従来のアニメにはない斬新さを持っていると評価されました。また、オープニングテーマ「おばあチャンバ」とエンディングテーマ「ウルトラがサバドゥビヤ」は、作詞:高平哲郎、作曲:沢田研二、編曲:後藤次利、歌:松金よね子による楽曲であり、当時の音楽シーンでも話題となりました。
一方で、視聴率の低迷や、過激な描写に対する批判もあり、メディアでの評価は一様ではありませんでした。特に、裏番組の『まんが日本昔ばなし』との視聴率競争においては、苦戦を強いられたことが報じられました。
■ 書籍での取り上げと評価
『一ッ星家のウルトラ婆さん』は、放送当時のアニメ関連書籍や雑誌でも取り上げられました。特に、アニメの歴史や昭和時代のアニメを特集した書籍では、本作の独特な設定やキャラクターが紹介され、当時のアニメ業界における挑戦的な作品として評価されています。
また、近年では、昭和アニメの再評価の流れの中で、『一ッ星家のウルトラ婆さん』も再び注目を集めています。2022年には、新宿東口映画祭で上映され、再び話題となりました。これにより、当時の書籍や資料を通じて、本作の魅力や影響力が再確認されています。
■ 現在の評価と再評価の動き
放送終了から数十年が経過した現在、『一ッ星家のウルトラ婆さん』は、昭和アニメの隠れた名作として再評価されています。特に、主人公・トラ婆さんのパワフルなキャラクターや、家族との温かいやり取りが、現代の視聴者にも新鮮に映ると評価されています。
また、近年では、DVDの再発売や、アニメ専門チャンネルでの再放送なども行われており、新たなファン層の獲得にもつながっています。これにより、本作は、昭和アニメの中でも独自の地位を築いています。
●声優について
■ 一ッ星トラ役:松金よね子の挑戦と表現力
一ッ星トラを演じた松金よね子は、本作でアニメ声優としての新たな一面を見せました。彼女は、舞台やテレビドラマで培った演技力を活かし、トラ婆さんの破天荒でエネルギッシュなキャラクターを見事に表現しました。特に、トラ婆さんの豪快な笑い声や、家族とのやり取りで見せる優しさなど、細かな感情の変化を巧みに演じ分けています。
また、松金よね子はオープニングテーマ「おばあチャンバ」とエンディングテーマ「ウルトラがサバドゥビヤ」の歌唱も担当しており、彼女の多才さが光る作品となっています。これらの楽曲は、トラ婆さんのキャラクターを象徴するような明るく元気な曲調で、視聴者に強い印象を残しました。
■ 一ッ星健一役:鈴木三枝の自然体な演技
トラ婆さんの孫・健一を演じた鈴木三枝は、当時若手の声優として注目されていました。彼女は、健一の純粋さや好奇心旺盛な性格を自然体で演じ、視聴者から親しみを持たれるキャラクターに仕上げました。特に、トラ婆さんとの掛け合いでは、世代間のギャップをユーモラスに描きつつ、家族の絆を感じさせる演技が光りました。
鈴木三枝は、本作を通じて子供向けアニメの声優としての経験を積み、その後のキャリアにおいても多くの作品で活躍する礎となりました。
■ 一ッ星英太郎役:池水通洋の安定感ある演技
トラ婆さんの息子・英太郎を演じた池水通洋は、当時すでに多くのアニメ作品で活躍していたベテラン声優です。彼は、常識人でありながらトラ婆さんの突飛な行動に振り回される英太郎を、安定感のある演技で表現しました。特に、家族を思いやる父親としての一面や、時折見せるコミカルなリアクションなど、キャラクターの多面性を巧みに演じ分けています。
池水通洋の演技は、作品全体のバランスを保つ上で重要な役割を果たしており、視聴者からも高い評価を受けました。
●イベントやメディア展開など
■ 『テレビマガジン』や『小学三年生』に掲載
当時人気だった子供向け雑誌『テレビマガジン』や『小学三年生』では、
『一ッ星家のウルトラ婆さん』を紹介するページが設けられました。
■ 【ラジオ出演】松金よね子さんによる番組PR
放送期間中、主演の松金よね子さんがラジオ番組にゲスト出演し、
『一ッ星家のウルトラ婆さん』の魅力を語る特集がいくつか組まれました。
■ ミニPOP&特設コーナー設置
1982年末、都市部の一部大型書店では、児童書コーナーに小規模ながら
『一ッ星家のウルトラ婆さん』の特設スペースが作られました。
■ ニューシネマジャパンからのDVDリリース
放送から20年以上経った2000年代、ニューシネマジャパンより
『一ッ星家のウルトラ婆さん』のDVDが発売されました。(全2巻、8話収録)
●関連商品のまとめ
■ レコード関連商品
シングル(1982年10月・11月発売)
おばあチャンバ/ウルトラがサバドゥビヤ
主題歌として10月にバップよりリリース。作詞・高平哲郎、作曲・沢田研二、編曲・後藤次利、歌唱は松金よね子が担当し、番組開始と同時に話題を呼びました。
眠れないなら-アニマルララバイ-/燃えよもやしっ子
11月発売の挿入歌シングル。松金よね子と飯塚雅弓がデュエットし、番組内のミニドラマと連動した楽曲としてファンに親しまれました。
アルバム(1982年12月発売)
一ツ星家のウルトラ婆さん –うたとおはなし–
歌唱とショートドラマを収録したLPサイズのアルバム。下北沢音頭などオリジナル楽曲やストーリー仕立ての「おはなし」トラックをA面B面合計10トラックに収め、放送期の余韻をそのまま楽しめる構成でした 。
■ 漫画版商品
雑誌連載(1982年~83年)
放送当時、原作者・芥川めめによる漫画版と斉藤栄一氏による学年誌版の2系統が、以下3誌で連載されました 。
週刊少女コミック(小学館)
月刊ちゃお(小学館)
小学四年生(学研)
これにより、少女層から小学生まで幅広い読者に本作の世界観を浸透させる狙いが見られ、雑誌ごとに描き下ろしのカラーページや漫画オリジナルエピソードが掲載されました。
■ 音声台本商品
ファンのコレクターズアイテムとして、当時の録音台本(アフレコ台本)も市販されました。
第10回 録音台本(全84ページ、20話収録)
第11回 録音台本(全90ページ、21–22話収録)
これらは専門店や通信販売を通じ、アニメ制作の裏側を知りたいコアユーザーに支持されました。
■ 映像ソフト(DVD)
『アニメの王国』レーベル/ニューシネマジャパンより、初のホームビデオ化。8話収録×全2巻という構成でリリースされました 。
駿河屋やまんだらけなどの中古市場でも常に出品され、専門店では新品・中古ともに安定した流通が続いています。