
【中古】(新古品・未使用品) 全日本プロ クィーンオブクィーンズ 【PC-FX】
【メーカー】:NECホームエレクトロニクス
【発売日】:1995年03月24日
【販売価格】:9,800円
【メディア】:CD-ROM
【ゲームジャンル】:プロレスゲーム
●概要
■ 実在の女子プロレスラーが登場するリアルな対戦
1995年3月24日にNECホームエレクトロニクスからPC-FX専用ソフトとして発売された『全日本女子プロレス クイーンオブクイーンズ』は、実在の女子プロレスラーを起用し、実写映像を活用した独自のゲームプレイが特徴の作品です。本作は、当時の女子プロレス人気とPC-FXの映像表現力を融合させた意欲的な試みとして注目を集めました。
■ 実在の女子プロレスラー
『クイーンオブクイーンズ』には、全日本女子プロレス(AJW)のスター選手10名が実名で登場します。アジャ・コング、北斗晶、豊田真奈美、山田敏代、井上京子、井上貴子、堀田祐美子、三田英津子、下田美馬、長谷川咲恵といった当時のトップレスラーたちが、実写映像を通じてゲーム内で再現されています。さらに、ディスクBでは架空の団体「KWP」のレスラーたちが登場し、プレイヤーは彼女たちとの対戦を通じて最強の座を目指します。
■ 実写映像を活用した独自のゲームシステム
本作の最大の特徴は、実写映像を活用したゲームプレイです。プレイヤーは、相手との距離や状況に応じてコマンドを入力し、その結果に応じた短い映像が再生されます。これにより、実際のプロレスのような緊張感と臨場感を味わうことができます。試合はピンフォールまたはサブミッションで勝敗が決まり、スタミナゲージと回復する体力バーが存在し、スタミナの管理が戦略の鍵となります。
■ 多彩なゲームモードで楽しみ方も豊富
『クイーンオブクイーンズ』は2枚組のディスクで構成されており、ディスクAには「リーグモード」と「対戦モード」が収録されています。リーグモードでは、ラウンドロビン形式のトーナメントを楽しむことができ、対戦モードでは好きなレスラーを選んで1対1の試合を行うことができます。ディスクBには、これらのモードに加えて「シナリオモード」が収録されており、プレイヤーは選んだレスラーでKWPのレスラーたちを倒し、最強の座を目指すストーリーを楽しむことができます。
■ 開発陣と音楽制作の裏側
本作は、開発をHuneXが担当し、プロデューサーに安田清明氏、ディレクターに深川悟郎氏、ゲームデザインに黒野学氏が携わっています。音楽は、石昌義氏と幡手康隆氏が作曲を担当し、試合の緊張感や興奮を高めるサウンドトラックが制作されました。また、特別アドバイザーとして丹野勇一氏が参加し、ゲームの完成度を高めるためのサポートを行っています。
●ゲームの魅力とは?
■ 実在のトップレスラーが集結したリアリティ志向の世界観
まず最大の魅力は、実名で登場する全日本女子プロレスのスター選手たちの存在だろう。1990年代の女子プロレスは空前のブームを迎えており、その人気選手たちがゲームの中で“本人そのまま”に実写で登場するというのは、当時としては極めて斬新で、ファンにとっては夢の実現でもあった。
登場する選手は計10名。リング上の姿勢、掛け声、フィニッシュムーブ、勝利後のポージングまですべてが映像で収録されており、単なるデータではなく“人間”としてのプレゼンスが感じられる。これは他のドット絵や3D格闘ゲームとはまったく異なる「リアリティの表現」であり、ゲームという枠を越えた観戦型コンテンツとしての魅力を持っていた。
■ 実写映像の融合によって成立した“演出型バトル”
このゲームの操作は従来の格闘ゲームとは異なり、リアルタイムのアクションよりも「間合いとタイミングに応じたコマンド選択」が中心となるシステムを採用している。つまり、プレイヤーは単にボタンを連打するのではなく、相手との距離・ポジション・体力差を見極めながら、適切なタイミングで技を仕掛けていく必要がある。
この操作によって技が決まると、すぐさま実写映像による演出が再生され、リング上に炸裂する攻撃やカウンターの迫力を目の当たりにすることができる。これによって、ゲームプレイは“自分の戦略がアニメーションとして再現される”という感覚をもたらし、戦略と映像演出の融合による新たな快感が生まれていた。
■ “KWP”という謎の敵勢力の登場とストーリーモードの存在感
単なる対戦ゲームで終わらせないのが本作の面白さのひとつだ。プレイヤーが進行するストーリーモードでは、現実の女子プロレス団体・全女の選手たちと対峙する“謎の美女軍団KWP”という架空の敵勢力が登場する。
この設定により、ゲームにはリアルな現実感と、フィクションならではのエンターテインメントが絶妙に同居している。KWPの選手たちは、現実のプロレスには存在しないような極端なキャラクター造形を持ち、まるでアニメの悪役のような存在感で物語を盛り上げている。
ストーリーモードでは、これらのキャラとの対決が丁寧に描かれ、映像付きのデモパートやセリフ演出によって臨場感が強調される。試合を重ねるごとに謎が解けていく構造は、プロレスを題材としながらも、まるでサスペンスドラマのような没入感をプレイヤーに提供していた。
■ “観る”と“遊ぶ”の境界線を曖昧にした演出型格闘ゲーム
本作のビジュアル表現は、まさに1990年代の映像技術とゲームデザインの接点に位置している。PC-FXの特徴である「動画再生に強い構造」を最大限に活かし、実写映像を遅延なく再生しながらゲーム内に組み込むという試みは、当時としては画期的だった。
プレイヤーが技を繰り出すと、それに対応する実写映像が即座に展開され、あたかもテレビ中継を自分の手で操っているような錯覚に陥る。これは「ボタンを押したらアニメが流れる」タイプのQTEとは異なり、より戦略性と映像演出がシームレスに融合した形式であり、独自性の強い魅力を持っていた。
●感想や評判
■ プレイヤーの反応と感想
発売当時、PC-FX自体の普及率が低かったこともあり、本作をプレイしたユーザーは限られていました。そのため、一般的なゲームファンからの反応は少なかったものの、女子プロレスファンや特定のゲーム愛好家からは、実在選手の登場や映像演出に対して一定の評価がありました。一方で、ゲーム性や操作性に関しては、賛否が分かれる意見も見受けられました。
■ 発売直後のプレイヤーの印象 ― 熱狂と困惑が交錯したリアクション
『クイーンオブクイーンズ』が発売された当時、プレイヤーから寄せられた感想は極めて対照的だった。まず注目を集めたのは、実在する女子プロレスラーを操作できるという斬新さ。ファンにとっては憧れのレスラーたちを自らの手で動かせるという夢のような体験であり、映像によるリアリズムに興奮を隠せないユーザーも多かった。
一方で、操作感には戸惑いの声も多く、「格闘ゲームというよりは、演出型のゲームブックに近い」といった感想が目立った。リアルタイム性に欠け、プレイヤーのアクションが即座に反映されない操作構造は、従来の格闘ゲームを期待していた層には受け入れがたかった面もあった。
■ 世間の評価 ― 女子プロファンには熱狂的支持、一般層には戸惑い
プロレスファン、特に全日本女子プロレスを熱心に応援していたファン層からの反応はおおむね好意的だった。「当時テレビで見ていたレスラーが、まさにそのままゲームに登場する」という感動は計り知れず、技の再現度や、表情、動作、かけ声などのリアルさは高く評価された。
ただし、ゲームファン全般となると話はやや異なる。当時の格闘ゲーム市場は『ストリートファイターII』や『鉄拳』『バーチャファイター』のようなリアルタイム性・コンボの爽快感・競技性を重視する傾向が強く、それに比べて本作の操作感は「もっさりしている」「シネマチックすぎる」と受け止められることも少なくなかった。
そのため、「映像体験」として楽しむユーザーには好評だったが、「格闘ゲーム」として期待したユーザーとの間に温度差が生じていた。
●イベントやメディア展開など
■ 雑誌やテレビ番組での特集
ゲーム雑誌では、本作の特集記事が掲載され、開発者インタビューやゲームシステムの解説、登場レスラーの紹介などが行われました。また、テレビ番組でも本作が取り上げられ、実写映像を活用した新しいゲームとして紹介されました。
■ 限定グッズの販売とキャンペーン
NECは、本作の発売に合わせて、登場レスラーの写真やサイン入りグッズを含む限定グッズを販売しました。また、購入者を対象としたキャンペーンも実施され、抽選で全日本女子プロレスの試合観戦チケットや、レスラーとの交流イベントへの招待などが行われました。
●中古市場での現状
■ 中古市場での価格帯と取引状況
『全日本女子プロレス クイーンオブクイーンズ』の中古品は、状態や付属品の有無により価格が大きく異なります。一般的な中古品は、約3,000円から5,000円程度で取引されており、箱や説明書が完備された美品は、さらに高値で取引される傾向にあります。また、未開封の新品は希少性が高く、約28,000円から31,000円程度で販売されることもあります。
■ オークションサイトでの取引事例
Yahoo!オークションでは、過去180日間における『全日本女子プロレス クイーンオブクイーンズ』の落札価格は、最安1,000円から最高25,000円、平均6,315円となっています。特に、箱や説明書が完備された美品や、動作保証が付いた商品は高値で取引される傾向にあります。
■ 中古ショップでの販売価格
中古ゲームショップ「駿河屋」では、本作の中古品が約3,940円で販売されています。また、買取価格は約2,900円となっており、一定の需要があることが伺えます。他の中古ショップでも、状態や付属品の有無により価格が異なりますが、概ね3,000円から5,000円程度で販売されています。
●本や雑誌での評価
★『PC Engine FAN』1995年4月号(徳間書店)
販売会社:徳間書店
販売年:1995年
販売価格:680円(推定)
掲載内容:
本作の特集記事が掲載され、開発者インタビューやゲームシステムの解説、登場レスラーの紹介などが行われました。
実写映像を活用したゲームシステムの魅力や、プロレスファンに向けたアピールポイントが詳しく紹介されました。
★『マル勝PCエンジン』1995年春号(角川書店)
販売会社:角川書店
販売年:1995年
販売価格:680円(推定)
掲載内容:
本作のレビュー記事が掲載され、実写映像によるリアルなプロレス体験や、独自のゲームシステムについて評価されました。
★『ファミ通』1995年3月31日号(アスキー)
販売会社:アスキー
販売年:1995年
販売価格:350円(推定)
掲載内容:
新作ソフト紹介コーナーで本作が取り上げられ、実写映像を活用したゲームシステムや、登場レスラーの紹介が行われました。
★『PC-FX Gamers Review Vol.1』(NECホームエレクトロニクス)
販売会社:NECホームエレクトロニクス
販売年:1995年
掲載内容:
PC-FX専用ソフトのレビュー集で、本作の詳細なレビューが掲載されました。
実写映像を活用したゲームシステムや、登場レスラーの紹介、ゲームの操作方法などが詳しく解説されました。