
【送料無料】【中古】Wii U ZombiU(ゾンビU)
【メーカー】:ユービーアイソフト
【開発】:Ubisoft Montpellier
【発売日】:2012年12月8日
【販売価格】:6,648円
【ゲームジャンル】:ファーストパーソン・シューティングゲーム
●概要
■ Wii Uの門出を飾る異色のゾンビゲーム
2012年12月、ユービーアイソフトが送り出した『ZombiU』は、任天堂の新世代ハード「Wii U」のローンチタイトルのひとつとして登場した。Wii U本体の機能、特にGamePadの可能性を全面的に押し出したこの作品は、従来のサバイバルホラーとは一線を画した体験をプレイヤーにもたらした。
ユービーアイソフトは、本作をWii Uのためだけに開発したと公言しており、そのゲームデザインやインターフェースには新ハードならではの挑戦と野心が込められている。『ZombiU』は単なるゾンビシューターにとどまらず、プレイヤーに「死の緊張感」と「生の実感」を突きつける、サバイバルホラーの原点回帰ともいえる内容で構成されている。
■ 舞台は壊滅したロンドン
生存者としての孤独な戦い
物語の舞台は、突如として感染症によって文明が崩壊したロンドン。街はゾンビに蹂躙され、生存者はわずかしかいない。プレイヤーは、都市の混乱から生き延びた無名の人物として、命をつなぐサバイバルに挑む。
しかしこのゲームにおいて「主人公」は固定されていない。プレイヤーが操作するキャラクターは、死亡するとそのままゾンビとなってしまい、次に操作する新たな生存者は、前任者の装備を回収するためにそのゾンビと対峙しなければならない。この「死が物語をリセットしない」システムは、ゲームに強烈な緊張感と重みを与えている。
■ GamePadを活用した革新的な操作性
本作最大の特徴は、Wii U GamePadを巧みに活かしたインターフェース設計にある。プレイヤーの手元のディスプレイが、そのままゲーム世界のスキャナー、バックパック、マップ、スナイパースコープなどに変化し、ゲームの没入感を一層高めている。
たとえば、周囲の敵を索敵する際は、GamePadを動かして360度スキャンを行う必要があり、その最中は画面内のキャラクターが無防備になる。アイテムの整理や装備の交換もGamePad上でリアルタイムに行うため、メニュー中で時間が止まることはない。これにより、緊張感が緩む瞬間は存在せず、まさに「常に死と隣り合わせ」の状況がプレイヤーに突きつけられるのだ。
■ 容赦なき死の罠
即死が支配するサバイバル
『ZombiU』は、決して優しいゲームではない。敵となるゾンビは一撃必殺の攻撃を繰り出すうえ、集団で迫られたときの絶望感は尋常ではない。特に序盤ではプレイヤーの装備も貧弱で、バットやスコップのような近接武器が主戦力となるが、これらも振りのタイミングやスタミナの消耗を管理しなければ、すぐに袋叩きにあう。
一発の攻撃をミスするだけで死に至るこの難易度設計は、他のカジュアルなホラーゲームとは異なり、プレイヤーにサバイバルの過酷さを体験させる設計思想が貫かれている。
■ 主人公の「声」と恐怖の演出
プレイヤーキャラクターがゾンビに囲まれ、極限の状態に置かれたとき、彼(または彼女)はリアルな叫び声や震えた声で感情をあらわにする。近接武器を振るうたびに「もうだめだ!」「来るな!」といった叫び声が響き渡り、その演出はプレイヤーの不安感や焦燥感を加速させる。
BGMは控えめに抑えられ、代わりに耳に飛び込んでくるのは湿った足音、呻き声、扉の軋みなど、生々しい音の数々。まさに音響で「静寂の恐怖」を構築しており、心理的なホラー体験を巧みに演出している。
■ プレッパーという謎の導き手
プレイヤーのガイド役として登場する「プレッパー」は、地下の避難所から通信機を通じて指示を送ってくる謎多き人物だ。彼の存在が、プレイヤーにとって数少ない安心材料であると同時に、疑念を呼び起こす存在として物語に深みを与えている。
このプレッパーとのやり取りが、単なるゾンビゲームにドラマ性をもたらし、徐々にゲームの裏に隠された真実や陰謀の気配を感じさせる展開へとつながっていく。
■ 任天堂ハードにおける異色のグロテスク表現
『ZombiU』は、任天堂プラットフォームでは稀有なほど、過激なビジュアルと流血描写を含むタイトルである。ゾンビの腐敗した外見や、攻撃による身体の損壊表現は、当時の任天堂ユーザー層に対して衝撃を与えた。
この大胆な表現こそが、ファミリー向けのイメージが強いWii Uにおいて異彩を放つ存在となった反面、その方向性がターゲット層と乖離してしまった点も否定できない。
■ ゲームバランスと完成度への賛否
革新的な操作系と恐怖演出で高評価を受けた本作だが、ゲーム全体の完成度については賛否が分かれた。バグの多さや敵のAIの単調さ、シナリオ展開の緩慢さなど、細部の詰めが甘いとする批判も少なくない。
しかしそれでも、『ZombiU』が見せた「Wii U GamePadの可能性を押し広げようとした姿勢」は高く評価されており、のちに他機種へ移植された際にも、その独自性が失われたことで評価が下がったという声もあった。
■ セールス面と市場での立ち位置
残念ながら、Wii U自体の販売不振と、本作のコアなゲーム性がファミリー層に受け入れられなかったことが重なり、『ZombiU』は商業的には成功を収めたとは言いがたい。
ゲーム性がGamePadに深く依存していることもあり、ユーザーが広く手に取りにくい設計だったことも、普及の妨げとなった要因である。売り上げは控えめで、続編の開発にもつながらなかったものの、その存在感とゲーム設計への挑戦は、のちのゲームデザイナーたちに大きな影響を与えた。
■ 失敗作ではなく「記憶に残る野心作」
『ZombiU』は、多くの面で未完成であり、商業的には厳しい戦いを強いられた。しかしながら、ゲームパッドという新たな入力デバイスを使って恐怖を演出するという挑戦的なアイディアは、プレイヤーに忘れがたい体験を残した。
ただゾンビを撃ち倒すだけでなく、「生き延びる」という行為の重さを実感させる本作は、真のサバイバルホラーの姿を問う一作として、記憶に留めておく価値がある。
●ゲームの魅力とは?
■ パンデミック後の悪夢を体感する舞台設定
『ZombiU』の物語は、疫病が突如としてロンドンに蔓延し、人々が次々と意識を失いゾンビへと変貌するという惨劇から始まる。舞台は荒廃した近未来のイギリス。地下鉄の構内やバッキンガム宮殿、荒れ果てたショッピングモールといったリアルなロンドンの風景が、ゾンビに支配された空間として緊迫感あるビジュアルで描かれている。これらの舞台が、ゲームプレイにおける緊張と没入感を生み出しており、視覚的にも精神的にもプレイヤーを追い詰める。
■ 生と死の境界線
容赦のないパーマデス・システム
『ZombiU』の最大の特徴のひとつが、死が確実にプレイヤーの進行に影響を与える「パーマデス(恒久的死)システム」だ。プレイヤーが操作するサバイバーは一人ひとり異なる市民であり、ゾンビに倒されれば即死亡。次に操作する人物は、前任者の亡骸が所持していたアイテムを回収するため、再び危険な区域に足を踏み入れることとなる。まさに命がけのリカバリーであり、死に意味があるという緊張感を創出している。
■ GamePadがもたらす革新
プレイと没入の新しい距離感
このゲームは、Wii U GamePadの特性を最大限に活かすことで、従来のサバイバルホラーとは一線を画している。たとえばインベントリ管理やスナイパースコープの使用時には、テレビ画面ではなくGamePadの画面に視線を移す必要がある。つまり、プレイヤーはリアルタイムで視線を移動させることにより、現実世界での視野の死角を意識せざるを得なくなる。この仕組みによって、ゾンビが背後から忍び寄る「恐怖」を物理的に体感することになるのだ。
また、GamePadのジャイロ機能を活用した360度スキャンやパズル解読もあり、ただの操作端末ではなく“もうひとつの視覚”として重要な役割を果たしている。現実と仮想の境界を揺さぶるような仕掛けが、プレイヤーに強烈な没入感を与えている。
■ 武器も資源も命懸け
リソース管理が生死を分ける
『ZombiU』では、銃弾や医療キット、武器の部品に至るまで、すべてのアイテムが極めて希少な存在として描かれている。無駄撃ちは禁物であり、雑に探索すればたちまち袋小路に追い詰められる。このような設計により、プレイヤーは一瞬一瞬の選択が命取りになるという感覚を持ちながら慎重に行動するようになる。
加えて、近接戦闘で使うバットやスコップといった武器も重要な装備であり、撃つだけが戦いではないというサバイバルのリアリティを体現している。ゾンビに囲まれたときの絶望感と、それを脱出できたときの達成感は、他のホラーゲームにはない“体感型スリル”そのものである。
■ 「死」がもたらす学習曲線
本作の難易度は高めに設定されており、特に序盤は死と隣り合わせの探索が連続する。だが、その死には意味がある。過去の自分の失敗を学び、次のサバイバーへと知識と戦略が引き継がれていく。ゾンビに敗北しても、それはプレイヤーが物語の一部を刻んだということ。連続して生き残ることが困難であればあるほど、わずかな前進すらも報酬となり、戦略を立てて再挑戦する意欲が湧いてくる。
●感想や評判
■ 死が現実的に迫る設計
『ZombiU』を体験した多くのプレイヤーは、まず「一度のミスが命取りになる」構造に驚かされたという。本作ではプレイヤーが死亡すると、操作キャラクターは本当に死に、その後は新たなサバイバーとなってゲームを再開する仕組みが採られている。
SNSやゲームコミュニティでは「数時間かけて装備を整えたキャラがゾンビに一撃でやられたときの絶望感がすごい」「次のキャラで自分の“ゾンビ化した前任者”を倒してアイテムを回収するのが、まるで墓掘りみたいだった」など、死の重みとゲーム性の独自性を語る声が多く見られた。
■ GamePadによるインタラクションの革新
プレイヤーの多くが絶賛したのは、Wii U GamePadを使ったギミックの数々だ。マップの確認、アイテム管理、暗視スキャナの使用など、画面と手元の連携が強く、実際に“生存者のバックパック”を触っているかのような錯覚を生み出す。
特に物音でゾンビが近づく中、GamePadをのぞき込みながらアイテム整理をする場面では、「現実世界でもパニックになりそうな緊張感」「画面の向こうにいるはずの敵がこちら側にもいるような錯覚」といったリアクションが多かった。
■ 日本のゲームメディアによる評価の傾向
日本国内の評価はやや慎重で、Wii Uの新規性を活かした独特な操作性を称えつつも、「敷居の高さ」や「難易度の厳しさ」に言及する声が多かった。あるゲーム情報誌では、「操作が慣れるまでは混乱しやすいが、慣れた後は一気に緊張感と達成感が増す」とコメントされている。
一方で、ホラーの文法に忠実な演出、重苦しい空気感、死と向き合う構造を「サバイバルホラーの原点回帰」として高く評価する声もあった。
■ 難易度の高さとリプレイ性の妙
本作は「ゲームオーバーがゲームの一部」であり、何度も死を経験しながら攻略ルートや装備の最適化を模索するスタイルが求められる。プレイヤーの間では、「理不尽ではないが手強い」「練り込まれたルート探索が攻略のカギ」といった感想が広がっている。
また、ハードコアモードでは「一度死んだら即終了」という極限の設定もあり、「このモードでロンドン塔まで生き残ったときの達成感は震えるほどだった」と語る猛者も見られた。
■ ロンドンを舞台にした不気味な世界構築
ロケーションとしての“崩壊したロンドン”は、多くのプレイヤーに強烈な印象を残している。地下鉄の暗がりや、無人の商店街、歴史的建造物を徘徊するゾンビたち――この不穏な雰囲気は「静けさが逆に怖い」「フィクションなのに本当に起こりそうな感覚になる」といった声を呼び、ゲームの“体験性”をさらに高めている。
■ Wii U初期のソフトとしての立ち位置
発売当初は「これぞWii Uの新たなゲーム体験」として多くの注目を集めたものの、本体普及の伸び悩みや、カジュアル層とのギャップもあり、『ZombiU』は販売面では目立った成功を収めたとは言い難い。
しかし、長い年月を経た今、ホラーゲームファンや“没入重視”のゲームを愛する層からは再評価されつつあり、「時代を先取りしすぎたゲーム」として語り継がれている。
●イベントやメディア展開など
■ 任天堂との共同歩調によるE3デビュー
2012年6月、ロサンゼルスで開催された世界最大級のゲーム見本市「E3」において、『ZombiU』はWii U専用タイトルとして初めて姿を現した。ユービーアイソフトと任天堂の協力体制のもと、Wii U GamePadの独自性をアピールするためのデモプレイが披露された。
この出展では、ゲームパッドを用いたスナイパースコープの操作や、インベントリ管理といったインタラクティブなプレイが注目され、来場者の間では「Wii Uだからこそできるゾンビゲーム」として強烈な印象を残した。E3のプレイアブルデモは、その年の「Best of Show」の1つに選出されるなど、メディア評価も高かった。
■ “恐怖”をテーマに据えたティーザー映像戦略
発売前にはYouTubeなどのプラットフォームを中心に、段階的に複数のティーザートレーラーが公開された。最初の動画は、ロンドンの象徴であるビッグベン周辺がゾンビで溢れるという衝撃的なイメージから始まり、「The Royal Infection(王室の感染)」というフレーズと共にゲームの世界観を提示。
その後、徐々にゲームプレイの断片を明かしていく構成で、ユーザーの想像力を掻き立てる演出が施された。とりわけ「One Life, One Chance(一度きりの命)」というキャッチコピーが、ゲームのパーマデスシステム(死んだら別のキャラになる)を象徴し、ホラーゲームファンの関心を集めた。
■ テレビCMとWeb広告の同時展開
アメリカおよびヨーロッパ市場向けには、複数のテレビコマーシャルが制作されて放映された。特に印象的だったのが、視聴者を驚かせる“ジャンプスケア”演出を取り入れた30秒CMで、ゲームの緊張感を前面に押し出したものだった。
また、Google AdWordsやFacebook広告などのオンラインマーケティングも活発に行われ、特定のゲーム関連キーワードでのリスティング広告や、YouTubeにおけるスキップ不可のプレロール広告など、時代に即した宣伝手法が用いられた。
■ ゲーム専門誌・Webメディアでの特集展開
発売直前には『FAMI通』『Nintendo Power』『EDGE』『Game Informer』など、各国のゲーム専門誌にて『ZombiU』が巻頭特集として掲載された。記事では開発者インタビュー、Wii U GamePadの活用法、ゲームシステムの詳細が語られ、ハード新世代への期待感と共に紹介された。
また、日本国内でもニンテンドーダイレクト特別編で『ZombiU』が取り上げられ、岩田聡前社長が直接ゲームパッドの使い方や緊張感について説明する映像が配信された。このプロモーションは、開発チームの真剣な取り組みを伝える内容となり、コアユーザー層の関心を高めた。
■ 限定版パッケージと小売店での先行展示
一部の国では、特典付き限定版として「ZombiU Premium Pack」が用意され、専用のWii U本体(黒色)、ZombiUソフト、Wii U Proコントローラーがセットになって販売された。このパックは数量限定だったこともあり、発売後すぐに完売する店舗が相次いだ。
また、発売日を目前に控えた時期には、GAME(英国大手小売チェーン)やBest Buy(米国チェーン)などの店頭に、ゾンビの手が飛び出す特製スタンドや、血痕を模した装飾を施した展示コーナーが設けられ、来店者の注目を集めた。
●本や雑誌での評価
★『ファミ通.com 2012年10月28日配信』
内容の概要:Wii Uのローンチを目前に控えたプレイインプレッション記事で、『ZombiU』がいかに緊張感高く、一人称視点でサバイバルホラーを再構成しているかが語られています。特に地下鉄構内を拠点にした“隠れ家”からの脱出システム、探索と戦闘に伴う息づかいなどが没入感ある描写で紹介されています。GamePadをスコープとして武器操作に応用する斬新な演出も強調されています。
販売会社:株式会社カドカワ
販売年:2012年(配信当日)
販売価格:記事閲覧料として無料
★『週刊ファミ通 2012年12月号』
内容の概要: ローンチ直前特集として、『ZombiU』のコントローラー体験を重視。GamePadをスコープ代わりに使うバイオレンスの緊張感や、一度死ぬと別キャラで再開し、前キャラクターはゾンビ化して徘徊する“パーマデス”システムを詳細に紹介。探索と恐怖に焦点を当てたプレイリポートが中心。
販売会社: 株式会社KADOKAWA
販売年: 2012年12月
販売価格: 約580円
★『Nintendo DREAM 2012年9月号』
内容の概要:ニンテンドー専門誌で連載記事の一部として『ZombiU』の情報を掲載。GamePad対応のポイントや連載読者の反応を交えつつ、本作がWii Uローンチを支える注目作と紹介されていたようです。
販売会社:株式会社アンビット
販売された年:2012年(9月号)
販売価格:890円