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【対応パソコン】:PC-8801、PC-9801、FM-7、X1turbo
【発売】:スクウェア
【開発】:スクウェア
【発売日】:1986年
【ゲームジャンル】:アドベンチャーゲーム
●概要
■ スクウェアが放った異色のアドベンチャーゲーム第3弾
スクウェア初期アドベンチャー三部作の掉尾を飾る作品である。SFテイストの革命劇を、全編にわたるアニメーションとテキストパーサ入力で描き、植松伸夫の初期BGMや、いのまたむつみによるパッケージアートが話題を呼んだ。アイテム取り逃しによる“詰み”や、隠れキャラなど当時としては攻めた仕掛けも多く、現在はレトロゲーム配信サービス「Project EGG」で復刻され保存と再評価が進む。
本作は、同社の『デス・トラップ』、『ウィル デス・トラップII』に続くアドベンチャーゲーム路線の第3弾として開発されましたが、前2作とは明確に一線を画す方向性を打ち出しています。特に「アニメ的なキャラクターデザイン」と「動きのある画面演出」がプレイヤーの心を掴んだのです。
■ プレイヤーと少女・クリスの対話が紡ぐ物語体験
物語の主人公となるのは、少女「クリス」。プレイヤーは彼女に言葉で指示を出し、物語を進行させていく形式です。つまり、プレイヤーは物語の登場人物になるのではなく、クリスに直接語りかける“もうひとつの存在”として物語に介入します。この構造は、当時のアドベンチャーゲームに多かった一人称視点とは異なり、いわば「対話型ナビゲーション」を中心としたドラマ体験の様相を呈しています。
プレイヤーの入力はすべてキーボードによるコマンド形式で行われ、「みる」「とる」「はなす」などの基本動作に加え、文脈に応じた柔軟な指令が要求される場面も。この入力方式は、自由度が高い反面、行き詰まりも起こしやすく、攻略には粘り強さと観察力が求められました。
■ アニメーションが生んだ革新――静から動へ
当時のパソコンゲーム界では、1枚絵の背景に静止キャラクターを組み合わせた表現が一般的でした。しかし『アルファ』はこの常識を覆します。物語の随所でキャラクターがアニメーションし、プレイヤーの入力に応じて動作が変化する演出は、まさに革新的と呼ぶにふさわしいものでした。
特筆すべきは、主人公クリスのビジュアル。やわらかなアニメタッチのキャラクターデザインは、プレイヤーの視覚に優しく訴えかけるもので、無機質になりがちなテキスト主体のゲームプレイに「感情の揺らぎ」を加えることに成功しています。髪がなびく、表情が変わる、手を伸ばす――そのひとつひとつが、当時のユーザーには新鮮な驚きを与えたに違いありません。
■ いのまたむつみのイラストレーション
パッケージデザインと広告イラストは当時新進気鋭だったいのまたむつみが担当。影山楙倫による彩色でアニメ調ヒロインを前面に押し出し、店頭でも異彩を放った。このビジュアル戦略は後年のADV販促に大きな影響を与えたとされる。
■ 植松伸夫の楽曲が紡ぐ静謐と緊張の音空間
ゲームにおいて、音楽はプレイヤーの没入感を高める重要な要素です。『アルファ』の音楽を手掛けたのは、後に『ファイナルファンタジー』シリーズで世界的な名声を得る植松伸夫氏でした。本作では、デジタルながらも情感豊かな旋律で、プレイヤーを未来世界の物語へと誘います。
特に印象的なのは、静けさの中に不安を感じさせるようなBGM。先の見えない冒険、予期せぬ分岐、取り返しのつかない選択がプレイヤーに重くのしかかる中、その緊張感を音楽がさらに増幅していました。低音の繰り返しが生む緊張、急な転調によるサプライズ感は、まさに物語と一体となった音楽演出の成功例といえるでしょう。
■ システム面の落とし穴――“詰み”の存在
『アルファ』は先鋭的な演出に注目が集まった一方で、ゲームシステムにおいては重大な課題も孕んでいました。特定の重要アイテムを一度でも取り逃すと、それ以降の進行が不可能になる、いわゆる“詰み状態”が発生してしまうのです。
しかもそれが明示されず、プレイヤーは「あれ?進めない?」と迷った挙句、数時間前のセーブデータをやり直さなければならないという状況に追い込まれることも。こうした設計は、当時のゲーム設計思想においてはそれほど珍しくなかったとはいえ、ユーザーフレンドリーとは程遠いものでした。
この仕様は、後年のプレイヤー評価においてもしばしば指摘される部分であり、プレイ体験の中に小さな挫折感を植えつけた要因となっています。
■ まとめ:『アルファ』が残した意義と課題
スクウェアが1986年にリリースした『アルファ』は、単なるアドベンチャーゲームにとどまらず、当時のゲーム表現における「動き」「感情」「演出」の可能性を示した先駆的な存在でした。アニメ的表現の導入、直接入力式の自由な対話形式、そして植松伸夫の手による深みのあるBGM――これらはのちのゲーム作品に確実に影響を与えています。
一方で、ユーザビリティの不親切さや詰み仕様といった技術的課題も残しており、「名作でありながらも万人向けではなかった」作品とも言えます。
現在において『アルファ』は、知る人ぞ知る“尖った名作”として評価されています。ビジュアルノベルやアドベンチャーゲームに感情表現が求められる今だからこそ、あの時代にこの表現に挑戦した意義は、むしろ再評価されるべきではないでしょうか。
●ゲームの魅力とは?
■ キャラクターアートの先鋭性
時代を先取るビジュアル表現
本作『アルファ』を語る上で欠かせないのが、パッケージを飾るキャラクター・クリスの存在だ。華奢で繊細、どこか憂いを帯びたその少女のビジュアルは、当時のゲームに多かった無機質なキャラクターとは一線を画し、見る者の視線を釘付けにした。アニメ調のタッチがゲームパッケージに使われるのは当時でも珍しく、スクウェアがクリエイティブな挑戦を試みていたことが窺える。
さらに、ゲーム内ではそのクリスが実際に滑らかにアニメーションする場面が用意されており、静止画を中心とした当時のアドベンチャー作品とは明確な違いを見せつけた。モノクロや16色が主流の環境下で動き出す少女の姿に、多くのプレイヤーが「ゲームでここまで表現できるのか」と驚愕したという。
■ キーボードによるコマンド入力
考える力を促す試行錯誤の快感
『アルファ』はマウスによるポイント&クリック式ではなく、キーボードでの直接入力を採用している。「LOOK」「TALK」「PUSH」などの英語コマンドを用い、自ら考えて行動を選択していくスタイルは、プレイヤーの創造力と語彙力、論理的思考を同時に刺激した。
一見不親切にも思えるこの方式だが、逆にその“手探り感”が物語の展開を一層リアルに感じさせ、未知の惑星を探索するという本作の設定と絶妙にマッチしていた。プレイヤーが迷いながらも道を切り開いていく過程こそが、『アルファ』の面白さの核である。
■ 音と沈黙の演出
BGMを排した異空間の没入感
『アルファ』ではほとんどBGMが流れない。これは当時の音源の制約もあるが、それ以上に“静けさ”という空間表現を意図的に演出していたとも受け取れる。プレイヤーが異星の孤独感や静寂さを身体で感じるように設計されており、その不気味さや緊張感は、プレイ中に自然と心拍数が上がるような臨場感を生んだ。
効果音は必要最小限に抑えられており、ドアの開閉音や警告ブザーが響くたびに、プレイヤーは状況を頭の中で補完しながらストーリーに没入していく。音楽に頼らずに“雰囲気”を成立させた点は、80年代のゲームとしては異例であり、後のホラーゲームの演出にも通じる先駆性があった。
■ ストーリーの魅力
文明崩壊後の地球で少女が紡ぐ希望
本作の舞台は、崩壊した地球に似た惑星。かつて文明が栄えながらも滅び、いまは沈黙と荒廃に支配された世界で、主人公・クリスがひとり、真実を探して歩む物語が展開される。
ストーリー自体は決して饒舌ではない。むしろ情報量は少なく、プレイヤー自身が環境やセリフから断片的に真実を掴み取っていく構成となっている。だがその“語られない部分”にこそ想像の余白があり、ユーザーそれぞれが物語を補完することで、『アルファ』は一人ひとりの中で違う形の「物語」になるのだ。
終盤に明かされるいくつかの真相は、プレイヤーに一抹の切なさと同時に、淡い希望を抱かせる。SFでありながらも人間の心の奥底に触れてくるシナリオ構成は、後年のスクウェア作品にも受け継がれていく重要な要素だといえる。
■ 一部に熱狂的な支持、だが“難解すぎる”との声も
リリース当時、『アルファ』はアドベンチャーゲームの文脈において“実験作”と受け止められた。アニメ調キャラ、アニメーション演出、テキスト入力、そしてミステリアスな世界観──どれもが斬新で、一部のコアゲーマーやクリエイター志望の若者たちからは「次世代の可能性を感じた」と高評価を受けた。
一方で、操作や謎解きが難解すぎると感じたプレイヤーも少なくなかった。「何をすればいいのかわからない」「コマンドが通らない」などの不満が、特にライト層からは多く聞かれたという。だがその“不親切さ”こそが、逆に本作のスルメ的な魅力を高めていたのも事実である。
■ その後のスクウェア作品に流れる原点
『アルファ』は商業的には大ヒットとはいえないが、のちのスクウェア作品──たとえば『ファイナルファンタジー』や『ライブ・ア・ライブ』といったタイトルに通じる「キャラクターの内面描写」「静けさの演出」「物語の奥行き」などがすでに芽生えていたことは明白である。
また、「ゲームとは何かを問い直すような実験精神」にあふれていたこの作品は、スクウェアという企業の根本姿勢を知るうえでも、見逃すことのできない存在だ。
■ 記憶に残る“語りかけてくるゲーム”
『アルファ』は、単なるゲームではない。画面の向こうから静かにこちらを見つめ、問いかけてくる作品である。プレイヤーにストーリーを押し付けることなく、空白を預けてくるその構造は、まさに当時としては異質であり、先鋭的だった。
そして今なお、国産アドベンチャーゲームの進化の一里塚として、記憶に残り続ける一本だ。再評価の気運が高まる現代において、レトロPCゲームファンやインディー開発者にとっても、この『アルファ』は再発見されるべき価値を持つ。
●感想や評判
■ アニメが動いた、その衝撃
1986年、スクウェアが発表したアドベンチャーゲーム『アルファ』は、当時のパソコンゲーム界において異質な存在だった。プレイヤーがキーボードでコマンドを直接入力する、いわゆる“コマンド入力式ADV”は既に珍しくなかったが、本作が注目を浴びた最大の理由は「動くアニメーション」と「少女キャラクターの魅力」にあった。プレイヤーの心に残る“ビジュアル”と“体験”を持ち込んだこの作品は、多くの賛否と驚きを巻き起こすこととなった。
■ プレイヤーの実体験
魅了と混乱のあいだで
『アルファ』を実際にプレイした当時のユーザーの声を振り返ると、印象は大きく二分されていた。ある層のプレイヤーは「とにかく動く絵に圧倒された」と語る。主人公クリスの繊細なアニメーションや、敵との遭遇時の滑らかなモーションが、単なる“読み物”ではない体験としてプレイヤーに焼き付いた。一方で、キーボードからの日本語入力に四苦八苦したという声も多く、「反応が曖昧で、何を入力すればいいか分からない」といった不満も絶えなかった。
また、ヒントが少なく進行に詰まりやすい設計も、当時の“自力で解く文化”とぶつかり、結果的に“やりごたえのある作品”という評価と“理不尽なゲーム”という烙印の両面を持つ作品となった。
■ 当時の世間の反応
革新と戸惑いの交錯
発売当初、『アルファ』はビジュアル面での斬新さが話題の中心となった。特に雑誌広告やパッケージに登場した、主人公クリスの可憐でアニメ調のビジュアルが大きな注目を集め、「スクウェアが萌えに踏み出した」とさえ囁かれるようになった。
その一方で、「ゲームとしての完成度はまだ発展途上」「見た目に騙された」という声もあり、当時の掲示板やパソコン同人誌などでは、熱烈なファンと辛辣な批評家の応酬が展開されていた。
特にパソコン通信や草の根ネットなどのユーザー層からは、「次のスクウェアが何を作るか楽しみ」という期待とともに、「ビジュアル重視の中身薄ゲームではないか」という懐疑的な意見も見受けられた。
■ メディア評価
一歩先を見据えた試みとして
ゲーム雑誌『ログイン』や『マイコンBASICマガジン』では、『アルファ』のビジュアル表現に強い興味を示しつつも、操作性やゲーム設計については賛否が分かれていた。とくに『ログイン』では、「ビジュアル革命の先駆者」「アニメとゲームの融合」という肯定的な評価を打ち出したが、同時に「入力に対する柔軟性が乏しく、初心者には敷居が高い」との記述も目立った。
また、ゲームのテーマやストーリーについても議論が分かれ、「世界観が深い」と感じる層と「唐突すぎる展開に戸惑った」という層に分かれた。とくに、終盤の展開に関しては「あまりに抽象的で意味がつかめなかった」という意見も散見された。
■ 作品が残したもの
ゲームとアートの融合点
『アルファ』がもたらした最大の功績は、“見るゲーム”という概念の萌芽にある。物語の進行に合わせてキャラクターが動く、視覚的演出がある――そんな「プレイするアニメーション」の可能性を提示した点は、後のビジュアルノベルやADVスタイルの基盤を築いたとも言えるだろう。
また、スクウェアがこの時点で「表現の新たな地平」に踏み出そうとしていた証として、本作は社史的にも象徴的な一作と位置づけられている。後の『ファイナルファンタジー』の誕生前夜にあたるこの時期、試験的な意欲作として『アルファ』は創造の実験台でもあった。
◆再評価の兆し
懐古と再発見
2020年代に入り、レトロPCゲームの再評価が進む中で、『アルファ』も再び注目を浴びている。特に“動くビジュアル”や“少女キャラクター中心のADV”といった点が、後世のオタク文化との接点を感じさせるとして、YouTubeレビューやブログなどで紹介される機会も増えている。
「早すぎた美少女ADV」「時代が追いつかなかった革新」といった表現で再解釈されることもあり、プレイ当時には見えなかった“先見性”がようやく評価され始めたとも言えるだろう。
■ 時代を駆け抜けた小さな革命
『アルファ』は、その操作性や難易度ゆえに“万人向け”とは言い難い作品だったが、間違いなく時代の先を見据えた挑戦であった。ゲームで何が表現できるか、という問いに真正面から向き合い、実験的な美術表現とシナリオ演出で応えた姿勢は、後のゲーム文化に一石を投じた。
過小評価されながらも、確かな爪痕を残した『アルファ』。それは今なお、“あの時代の挑戦者たち”の象徴として、記憶の片隅で輝き続けている。
●イベントやメディア展開など
■ 雑誌広告と誌面タイアップの攻勢
月刊ログイン8月号 “全面見開き広告”
発売直前の1986年8月号『月刊ログイン』では、見開きカラーでヒロイン“クリス”のバストアップとキャッチコピーを配置した広告を掲載。誌面には「アニメが動く新次元ADV」という挑発的な文句が躍り、注目度を一気に高めました。
BEEP 6月号・テクノポリス8月号の新作紹介
アーケード色の濃い『BEEP』1986年6月号の新作一覧では、PC-8801向けソフトの一つとして『アルファ』を写真付きで紹介。さらに徳間書店『テクノポリス』8月号でも “今月の期待作” コーナーに掲載され、読者プレゼント欄にはピクチャーレコードのサンプル写真が添えられました。
音楽メディアへのクロス掲載
植松伸夫が音楽を担当した事実を強調する小記事がゲーム音楽系ムックに載り、前年作『ブラスティー』から連続した“作曲家プロモーション”路線が確立していきます。
■ 店頭デモ・レンタル試遊のインパクト
専用デモディスクの配布
スクウェアは全国のPCショップに FM音源対応店頭デモディスク を配布。BGMチャンネルをSSGへ置き換え、どのサウンドボードでも鳴るよう調整した“試聴版”でした。
秋葉原で流れ続けたループ映像
デモディスクを録画したビデオが量販店のブラウン管に常時再生され、タイトルループの射撃アニメと主題曲だけで客足を止める「視聴トラップ」と化します――当時の映像が現在も動画サイトに残っています。
ファンによる“立ち止まり率”の記憶
個人ブログでも「イースの店頭デモの隣でアルファをずっと眺めていた」という証言が散見され、店頭戦略の成功を裏付けています。
ayachi0610.blog65.fc2.com
■ イベント出展とリアル体験型プロモーション
NECパソコンフェア’86に初披露
スクウェアは1986年春の NECパソコンフェア’86 にブースを設置し、『デス・トラップII』と並んで『アルファ』の試遊台を用意。ガイドブックには社名とタイトルロゴが掲載され、PC-8801実機の前に長蛇の列ができたと報じられました。
地方イベントへの貸出し
フェア終了後、ブース一式は札幌・福岡の地方販売イベントへ巡回。地方ユーザーが発売前に触れられる希少機会となり、雑誌の投稿コーナーに体験談が寄せられています。
■ 書籍・攻略記事・メディア露出
攻略連載と“コマンド文化”
発売後すぐ『ログイン』と『マイコンBASICマガジン』がコマンド表付き攻略連載を開始。コマンド入力式ADVという特性を活かし、誌面に「あなたなら何語で口説く?」といった読者参加型コーナーを設けて注目を集めました。
レビューの論点は“動く一枚絵”
『AKIBA PC Hotline!』の回顧記事では「ほぼ全シーンがアニメする驚異」と題し、静止画主体だった当時のADVに一石を投じた点を高評価。カナ/ローマ字混在入力やテンキー移動の快適さも再評価されています。
サウンド面のクローズアップ
ゲーム音楽愛好家Wikiでは“店頭デモ‐version”と“製品版”で編曲が異なること、そしてソノシート収録アレンジが植松作品初の商業盤だという事実が注釈付きで整理されています。
■ 関連商品・同梱物・二次流通
ピクチャーレコード
直径17cmのスクエア型ピクチャーレコード(タイトル&クリスの横顔イラスト)を同梱。裏面にはFM音源+SSG編曲のメインテーマを収録し、“ゲーム購入で音楽も手に入る”という豪華仕様が話題となりました。
パッケージとマニュアル
白地にメタリックブルーのロゴ、フロッピー収納箱、B6判フルカラーのストーリーガイドをセットにし、当時としては高級感あふれる外観。Oh!FM-7のデータベースでも「おまけの豪華さが価格を正当化した」と評されています。
現在の中古市場
ヤフオクでは ピクチャーレコード付完品 が平均8,000円前後で成立。フロッピー欠品でも“レコードだけ欲しい”コレクター需要があり、レコード単体でも3,000円台の例が確認できます。
●本や雑誌での評価
★『LOGiN(ログイン)1986年5月号』
内容の概要:
この号では、スクウェアの新作として話題となっていた『アルファ』を2ページにわたって紹介。アドベンチャーゲームとしての革新的な表現方法、特にキャラクターがアニメーションする仕様に注目し、ゲーム画面の連続カットを掲載。さらに、当時としては斬新だった女性キャラクター“クリス”の登場に触れ、「感情を動かすビジュアル演出」と評されている。
販売会社: 株式会社アスキー
販売年: 1986年
販売価格: 480円
★『マイコンBASICマガジン 1986年6月号』
内容の概要:
この号の「ゲームパルス」コーナーにて『アルファ』の特集記事を掲載。コマンド入力式アドベンチャーゲームとしての操作性や、当時の標準である一枚絵表示を超える“動きのある描画”を高く評価。また、キーボード入力による直感的なインターフェースが「初心者にも扱いやすい」として紹介された。
販売会社: 株式会社電波新聞社
販売年: 1986年
販売価格: 500円
★『テクノポリス 1986年6月号』
内容の概要:
パソコンゲーム紹介ページにて、『アルファ』のゲームシステムとストーリー構成に焦点を当てたレビューを掲載。未来的な世界観と、謎を追って進行する物語の構造について「読ませるアドベンチャー」と表現。また、アニメ的な演出がプレイヤーの没入感を高めている点が評価されている。
販売会社: 徳間書店インターメディア
販売年: 1986年
販売価格: 550円
★『Oh!MZ 1986年6月号』
内容の概要:
SHARPのMZシリーズに焦点を当てたこの号では、『アルファ』のMZ-2000対応版を紹介。プログラムの最適化やグラフィック処理に関する技術的な解説がされており、「MZでもここまで動くのか」と驚きの声を紹介。キャラクターのアニメーション処理の解析記事が興味深く、ゲームデザイナー志望の読者に向けた分析が印象的。
販売会社: 日本ソフトバンク株式会社(現・SBクリエイティブ)
販売年: 1986年
販売価格: 580円
★『POPCOM(ポプコム)1986年7月号』
内容の概要:
PCユーザー向けの情報誌として、『アルファ』のユーザーレビューを交えたレポートを掲載。プレイヤーから寄せられた「キャラクターが生きているように動く」「背景音楽のない静けさがむしろドラマチック」などの感想とともに、アドベンチャーゲームとしての完成度の高さに賛辞が送られている。
販売会社: 日本ソフトバンク株式会社(現・SBクリエイティブ)
販売年: 1986年
販売価格: 480円
★『MSX FAN(エムエスエックスファン)1986年8月号』
内容の概要:
MSXユーザー向け専門誌でありながら、『アルファ』の他機種での登場を踏まえてMSX化の希望を投げかける読者コーナーにて紹介。スクウェアのアドベンチャーゲームにおけるビジュアル重視の流れについて解説し、「このビジュアル表現がMSXに来れば」との期待が多く寄せられていた。
販売会社: 株式会社徳間書店
販売年: 1986年
販売価格: 520円
★『Beep 1986年8月号』
内容の概要:
“夏休み長編ADV特集”の一角で『アルファ』を再掲。船内階層マップの簡易図を起こし、“次に何を入力すれば良いか詰まったら図示されたエリアを中心に探索せよ”というヒントを提供。
販売会社: 日本ソフトバンク出版事業部
販売年: 1986年
販売価格: 396円(本体)
●同時期に発売されたゲームなど
★『グラディウス(MSX版)』
販売会社: コナミ
販売年: 1986年7月
販売価格: 5,800円 (ROMカートリッジ)
内容の概要: アーケード移植ながらMSXのVRAM制約を逆手に取り、スクロールをコマ送り化して独自ステージを追加。オプション編隊の重ね掛けや隠しワープなど“探すシューティング”の醍醐味を濃縮した一本。
★『うっでいぽこ』
販売会社: dB-SOFT
販売年: 1986年12月11日
販売価格: 6,800円 (5インチFD)
内容の概要: 木彫り人形の少年“ぽこ”が擬人化された森を巡るアクションADV。横スクロールとコマンド入力を融合し、動物たちとの会話やユーモラスなパズルで童話的世界を体験させる奇想の意欲作。
★『J.B.ハロルド 殺人倶楽部』
販売会社: リバーヒルソフト
販売年: 1986年8月
販売価格: 7,800円 (2D FD)
内容の概要: 架空都市リバティタウンで起きた富豪殺害事件を追う本格推理ADV。推定80人もの聞き込み対象と時系列管理が要求され、“読むゲーム”の先駆けとしてシリーズ化の礎を築いた。
★『アーコン』
販売会社: BPS(バレット・プルーフ・ソフトウェア)
販売年: 1986年6月
販売価格: 7,800円 (5インチFD)
内容の概要: 白黒の軍勢が交互に駒を進め、衝突時にはアクションで決着を付ける“動くチェス”。陣取りとリアルタイム戦闘が融合した独創性は、ボードゲーム派にもアクション派にも衝撃を与えた。
★『ロストパワー』
販売会社: ウィンキーソフト
販売年: 1986年6月
販売価格: 7,800円
内容の概要: 力を奪われた魔王タイザーが人間から再起するダークRPG。プレイヤーは最大5手先まで行動をプログラムし、自動戦闘で結果を見守る。復讐心と成長演出がプレイヤーの背徳感を煽った。
★『メイドゥム』
販売会社: NCS(旧日本コンピューターシステム)
販売年: 1986年9月
販売価格: 6,800円
内容の概要: AI会話エンジンを搭載した考古学ファンタジーRPG。話しかける“口調”の選択がNPCの態度を左右し、遺跡探索や交易要素と相まって“言葉が世界を動かす”手触りを提示した。
★『試験に出るうる星やつら』
販売会社: キティエンタープライズ
販売年: 1986年8月
販売価格: 8,800円
内容の概要: 高橋留美子の人気漫画を題材にした早押しクイズゲーム。原作小ネタ満載の高難度問題と、ラムのボイス付きリアクションがファン心理を刺激。対戦モードで“ヤケクソ笑い”が起こるパーティーアイテム。
★『スターシンフォニー』
販売会社: ビクター音楽産業
販売年: 1986年9月
販売価格: 6,800円
内容の概要: 王家継承曲“スターシンフォニー”を奏でる16種の楽器を集める王道RPG。5人パーティーで各地を巡り、楽器取得ごとにBGMが重層化する“音で進行を実感させる”演出が秀逸。
★『S.F.3.D ポイントX占領作戦』
販売会社: ビクター音楽産業
販売年: 1986年9月
販売価格: 6,800円
内容の概要: 雑誌『ホビージャパン』発の架空兵器企画をゲーム化した戦術SLG。傭兵小隊を指揮し要衝“ポイントX”を攻略。重装甲スーツの運用選択でシナリオ分岐が生まれ、模型ファンをも動員。
★『カサブランカに愛を』
販売会社: シンキングラビット
販売年: 1986年9月
販売価格: 定価表記なし(当時の広告では6,800円前後との報道)
内容の概要: 1945年シカゴを舞台に女性記者ジェリーが親友失踪を追うモノクロ画面ADV。ハードボイルド小説風の文体と手帳型UIが特徴で、「画面色数より物語密度」を掲げた意欲的チャレンジであった。
●対応パソコンによる違いなど
★『NEC PC-8801』版
販売年:1986年7月8日
販売価格:5,900円
特徴:
表示は 640×200ドット・8色。SR世代以降は512色パレットから8色選択で,パステル調のアニメ塗りが映えるよう調整されていた。
メッセージはメモリ節約のため 半角カナ専用。漢字どころかひらがなも出ないため,SFチックな機械的雰囲気が強い。
5 ½インチ2Dフロッピー1枚構成。植松伸夫によるBGMは内蔵BEEPでも鳴るが,サウンドボードII装着時はFM6音+PSG3音で再生される(OPムービー付き動画で確認可)。
★『NEC PC-9801』版
販売年:1986年(7月)
販売価格:5,900円(RRP)
特徴:
ハードは 640×400ドット。16色ボード増設時は4096色中16色同時発色が可能で,背景が高精細になりコマ数の少ないアニメでも細部が潰れにくい。
ところが サウンドは非搭載。当時のマニュアルにも「PC-9801版はBGM/効果音未対応」と明記され,プロジェクトEGG再販時も“無音版”として配信された。
文字はフル画面漢字が使えたが,本作はあえて半角カナ+8ドットフォントを流用し,PC-88との差異を最小化。
★『Fujitsu FM-7/77 シリーズ』版
販売年:1986年7月
販売価格:5,900円(シリーズ共通)
特徴:
グラフィックは 640×200ドット・8色でPC-88と同等。ただし標準でFM音源3声+PSG3声が使え,BGMは“厚めの和音”で鳴るのが売り。
プレイ中 PF8キーを押すとメッセージがひらがな表示に切替。これが「カタカナ読みづらい問題」を一発解決する裏ワザとして人気を呼んだ。
テープ版も併売され,自宅にFDDがないユーザーでも遊べた点が実用派から支持。
★『Sharp X1turbo』版
販売年:1986年7月
販売価格:5,900円(共通定価)
特徴:
X1turboは 640×200ドット8色(スーパーインポーズ対応)。CRTへのビデオスーパーインポーズ機能を活かし,実機ではアニメシーンだけ“外部映像乗せ”プレイを楽しむツワモノもいた。
サウンドはPSGのみ(FMボード未対応)。プロジェクトEGGでも「当時仕様でPSG音源です」と断り書きが付いたほどで,音の厚みは他機種に劣る。
キーリピートが速いX1では,文字入力のタイピング感が軽快で,コマンド総当たり型ADVとしては操作性が最良と評された。