『MYSTERY HOUSE』(パソコンゲーム)を振り返りましょう

【公式・直販】 ゲーミング PC ノートパソコン 新品 Lenovo LOQ 15IRX9 15.6インチ FHD IPS液晶 GeForce RTX 4050 Core i7 13650HX メ..

【公式・直販】 ゲーミング PC ノートパソコン 新品 Lenovo LOQ 15IRX9 15.6インチ FHD IPS液晶 GeForce RTX 4050 Core i7 13650HX メ..
119,800 円 (税込)
評価 4.33
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【対応パソコン】:PC-8801、PC-9801、FM-7、X1、MSX
【メーカー】:マイクロキャビン
【開発】:マイクロキャビン
【発売日】:1982年
【メディア】:カセットテープ
【ゲームジャンル】:アドベンチャーゲーム

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●概要

■ 8ビット時代の地鳴り
1980年代初頭、日本のパソコンゲーム市場はまだ文字主体のロジックゲームが主流で、視覚演出は飾りにすぎなかった。そんな空気のなかで、線画ながら画面に「絵」が現れ、しかも入力したコマンドに応じて画面が切り替わる――その体験は衝撃的だった。1982年秋、三重県四日市のソフトハウス〈マイクロキャビン〉が放った『MYSTERY HOUSE』は、グラフィックアドベンチャーという未知の芽を日本に植え付けることになる。

■ 海外ヒット作との邂逅
原型は、ウィリアムズ夫妻が米国Apple II向けに開発した同名タイトル。店頭デモでその存在を知った開発メンバーは、「絵が動く推理劇」を国産8ビット機へ移植するだけでなく、日本人ユーザーが遊びやすい語彙とパズル構造に作り直す壮大な挑戦を決断する。まだ法人化前だったマイクロキャビンの若いスタッフは夜通しで座標計算と日本語解析ルーチンを組み、わずか数か月で製品化にこぎ着けたという。

■ ストーリー
招かれざる館と七つの秘宝
プレイヤーは宛名のない招待状に導かれ、深い森の奥で朽ちかけた洋館へ足を踏み入れる。目的は館のどこかに眠る七つのダイヤ――ただし探索を阻むのは、閉ざされた扉、毒入り食料、そして正体不明の殺意。テキストは多くを語らず、廊下の奥に落ちる蝋燭の影や、家具の上に置かれた無造作なアイテムが“次にすべき行動”を示唆する。余白の多い物語は、読む側の想像力で補われて初めて完成するミステリーだ。

■ 操作感
キーボードと向き合う推理劇
ゲーム開始時に表示されるのは50語程度の簡潔な単語リスト。「GET」「USE」「LOOK」「OPEN」などを主体に〈動詞+名詞〉をタイプして行動を指定する。自由入力に見えて実際は許容語彙が固定されており、正解ワードを探る過程そのものがパズルとなる仕掛けだ。不正解コマンドには“静かに首を振るような”空行が返るのみで、プレイヤーは手探りで隠された文脈を探し当てる。入力結果が即座にグラフィックへ反映されるテンポは当時としては驚異的で、文字と絵が一体化した感覚を生み出した。

■ 視覚表現
線画がつむぐ不穏な静寂
真っ黒な背景に白い直線だけで描かれた廊下、暖炉、螺旋階段――線の太さはまちまちで、家具の輪郭も歪んでいる。それでも画面が切り替わるたびに「ここは別の場所だ」と直感できるのは、背景が持つ構造情報を脳が自動補完するからだろう。ドットフィルによる塗り潰しがないぶん、想像上の陰影がプレイヤーの心象に深い闇を落とし、テキストの簡潔さと相まって不安を煽る演出になっている。

■ ハードウェアとの格闘
8ビットCPUが描く館の全貌
リリース対象はPC-6001/PC-8001/PC-8801/FM-7/MZ-2000/MSXなど。当時の表示領域は解像度こそ低いが、ページ切り替えによるチラつき回避やVRAM節約のための座標テーブル圧縮など、機種ごとに別個の最適化を施したという。とりわけPC-8001では、640×200ドット相当のグラフィックメモリを確保できず、線情報を数値のままROMに保持し描画時に逐次プロットする方式を採用。これが“読み込み中”の待機時間をほぼゼロに抑える鍵となった。

■ 試行錯誤の中に宿る発見の喜び
本作の魅力は「正しいコマンドを入力すると画面が一変し、その瞬間だけ自分が世界を動かした手応えを得られる」点に尽きる。今で言うオープンワールドのミニチュアのように、行動順序を間違えると袋小路に陥る。しかしリセットしてもダイヤの配置が毎回ランダムなため、同じ手順が通用しないリプレイ性を持つ。成功と失敗のループが生む“ひらめきの dopamine”がプレイヤーを夜更かしへ誘った。

■ ADVがマイナーから主役へ
発売当時、専門誌は「パズルと推理を同時に味わえる新感覚」と絶賛し、家電量販店では試遊台に人だかりができた。アドベンチャーゲームという語が一般層に浸透し始めたのは、本作のヒットが直接的な契機である。発売から半年で累計1万本を突破し、ソフト価格が1万円を超える時代に「学生がこづかいを貯めてでも買う」現象を生んだ。

■ 国産アドベンチャーの系譜の起点
線画+コマンド入力という構造は、その後の『PORTOPIA連続殺人事件』『DEJAVU』など国内ADVの原型となり、メッセージウィンドウ方式やアイコン選択式へと進化していく。本作が示した「絵と文章を同期させる」発想は、ビジュアルノベルやポイント&クリック型にも脈々と受け継がれ、今日のストーリーゲーム文化の礎となった。

■ 後継とリメイク
拡がるミステリーハウスの遺伝子
1982年末には続編『ミステリーハウスII』が、84年にはシステム全面刷新版『WORRY』が登場する。どちらも館を舞台にした推理劇だが、後者ではスプライト多用による多色表示が採用され、線画時代からの劇的進化をアピールした。平成期以降もホビーレトロ市場の定番として再販や同人リメイクが続き、40年以上経た今なお“館の記憶”は更新され続けている。

■ 今こそ振り返る価値
『MYSTERY HOUSE』は、最新ハードで遊べる派手な3Dアドベンチャーとは対極にある。だが、制約の海でひねり出されたアイデアと、プレイヤーの想像力を信じるデザイン哲学は、2025年の今なお色褪せない。キーボードに向かい、暗闇に浮かぶ一本の線を「廊下だ」と読み替えた瞬間――そこには、ゲームの未来を切り開いた先人たちの息遣いが宿っている。

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●ゲームの魅力とは?

■ はじまりは一軒の謎めいた洋館から
1982年、まだ家庭用パソコンが黎明期だった時代、日本のゲームシーンに一石を投じたタイトルがあった。それが、マイクロキャビンがリリースしたアドベンチャーゲーム『MYSTERY HOUSE』である。当時のプレイヤーにとって、「謎を解く」という体験は文字によるものであり、視覚的な演出は乏しかった。しかしこの作品は、粗いながらもグラフィックを取り入れ、プレイヤーに“館を探索している”という感覚を初めて与えたソフトだった。

■ グラフィックアドベンチャーの夜明け
このゲーム最大の特徴は、背景に描かれた線画による室内の描写である。たとえば、壁にかけられた額縁、古びたチェスト、うっすら開いた扉などが描かれ、それを頼りにプレイヤーは探索を進める。もちろん、グラフィックは今日の視点から見れば簡素そのものだが、当時としては画期的で、想像力をかき立てられる演出として高く評価された。
単にコマンドを打ち込むだけではない。画面の中の「何か」を目で見つけ出し、「調べる」「開ける」「使う」といった行動に結びつけていく一連の流れが、“能動的な探索”というプレイスタイルを築いた。

■ コマンド入力が生み出す試行錯誤の快感
本作は、プレイヤーがキーボードで自由にコマンドを入力しながら進めていくタイプのゲームだった。今のように選択肢が表示されるわけではなく、自ら言葉を選んで入力しなければならない。たとえば「とびらをあける」「カギをつかう」といった基本的なものから、「つぼのなかをさがす」など、突飛な発想が正解に直結する場面も存在する。
この「言葉探し」のゲーム性こそ、『MYSTERY HOUSE』の持つ知的刺激の源泉だ。プレイヤーは正解にたどり着くまで、何度も間違ったコマンドを試し、失敗し、時には悩み、ついに正解を導いたときの快感は格別だった。

■ 道具を使いこなす知恵比べの妙味
館内にはさまざまなアイテムが落ちており、それぞれが適切なタイミングで使用されなければならない。たとえば、鍵が必要なドア、暗闇で必要なランプ、毒を無効化するための薬草など、単なる収集では終わらず、状況に応じた使用法を見極める必要があった。
アイテムは所持しているだけでは役に立たず、「どこで」「いつ」「何に対して」使うかを考えることが重要であり、これが謎解きとしての奥深さを大きく押し上げていた。

■ 静寂と緊張感の中で進む孤独な探索
BGMも効果音もほぼ存在しない本作では、館の中を一人で歩いているという孤独感と、どこか不穏な空気が常にプレイヤーを包む。画面には誰もいない。だが、どこかで“何かが見ている”ような感覚を覚える。これは、プレイヤーの心理に働きかける演出として非常に巧妙で、当時の多くのユーザーがこの静けさを「不気味だが癖になる」と評していた。

■ 紙とペンが攻略の武器だった時代
現在では攻略情報はネットで簡単に検索できるが、当時のプレイヤーは、メモ帳片手にプレイしていた。どの部屋に何があったか、どのアイテムをどこで使ったか、自分でマッピングしなければならない。この“アナログな努力”こそがゲームの面白さを何倍にも引き上げていたのである。
また、プレイヤー同士の情報交換も盛んで、当時のパソコン雑誌では「MYSTERY HOUSE攻略座談会」などの特集が組まれ、プレイヤーの知恵の結晶が共有されていた。

■ 「読む」から「見る」への進化が与えた衝撃
それまでのアドベンチャーゲームは「読んで想像する」体験だったが、この作品の登場によって、視覚的な手がかりを「見て判断する」遊びへと進化した。これが日本国内におけるグラフィックアドベンチャーの始まりとなり、後続のタイトルに大きな影響を与えることとなる。
マイクロキャビンというパイオニア的メーカーが打ち出したこの新しい遊び方は、のちの『デゼニランド』や『サラダの国のトマト姫』など、多くのグラフィックADV作品の礎となった。

■ パソコンユーザーたちの反響
発売当時のパソコン雑誌や同人系の情報誌では、『MYSTERY HOUSE』はしばしば「革命的」と評されていた。特に、PC-8001やMZ-700などの当時の主力機種を持っていたユーザーにとっては、“やっと自分のパソコンでここまでのゲームが遊べる時代になった”という感動すらあったという。
また、子どもよりも社会人や大学生といった知的好奇心の強い層に支持され、「ただのゲームではなく、謎を解く知的冒険だ」という声も多く寄せられていた。

■ 時代を超えて語り継がれる先駆者
グラフィックは粗く、操作も不親切、ヒントも少ない。だが、それでもなお本作は「自分の頭で考えて進むゲーム」として語り継がれている。それは、現代のプレイヤーがどれだけ便利なUIに慣れていようと、「考えること」「発見すること」の喜びが、ゲーム体験の本質にあると気付かされるからだ。
今なお、レトロゲーム愛好家たちの間では、懐かしさと尊敬の念を込めて『MYSTERY HOUSE』の名が語られ続けている。

■ 結びに:探偵心をくすぐる永遠の名作
『MYSTERY HOUSE』は、テクノロジーが今ほど進んでいなかった時代に、「考える楽しさ」「探索する喜び」「推理するスリル」を最大限に凝縮した作品だった。現代のゲームと比べれば決して派手ではないが、そのストイックな面白さと革新性は、今でも十分に光り輝いている。
探偵小説が好きな人、謎解きに目がない人、古き良き時代のゲームを味わいたい人にこそ、この名作を再発見してほしい。MYSTERY HOUSEは、単なる“古いゲーム”ではなく、日本のゲーム史における記念碑的存在なのだ。

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●感想や評判

■ 初めての「見える謎解き」
本作に触れた多くのプレイヤーがまず口にするのは、「画面に絵がある!」という驚きだった。これまでのアドベンチャーゲームは文字の羅列によって構成されており、プレイヤーは想像力を駆使して物語世界を描いていた。しかし、『MYSTERY HOUSE』では、プレイヤーの前にシンプルながらも家の部屋、階段、アイテムなどが視覚的に示された。
ある当時の高校生プレイヤーはこう語っている。
「まるで推理小説の中に自分がいるような錯覚。黒い背景に白い線画だけの簡素な絵なのに、無限の想像ができた。」
また、入力式コマンドによって能動的に行動するシステムも好評で、「自分で物語を動かしている」実感が得られたという意見が多かった。一方で、「文字入力がシビアすぎる」「正しい単語が分からず詰まった」という不満も散見された。

■ 玄人向けという評価と“恐怖感”の余韻
当時の一般的なゲームユーザーは、アクション性やスピード感を重視する傾向が強かった。そのため、『MYSTERY HOUSE』のような思考と観察を要求するスタイルは、やや敷居が高く感じられた節がある。
しかし、その“敷居の高さ”がかえって「知的ゲーム」としてのステータスを築く要因となった。学校のパソコンクラブやソフトハウスの集まりでは、「MYSTERY HOUSEをクリアできるやつは凄い」といった評価も生まれ、知的な娯楽としての位置づけがされた。
また、館を探索する中で仲間の死体を発見するという展開に対しては、当時の小中学生にとっては衝撃的で、「怖くて1人でプレイできなかった」「夜にやると夢に出る」といったコメントも複数存在する。

■ グラフィックADVの幕開けとしての称賛
当時のゲーム専門誌やパソコン雑誌では、『MYSTERY HOUSE』は“画期的な試み”として頻繁に取り上げられた。特に、マイコンBASICマガジンやI/Oなどの媒体では、他の自作ゲームや移植ソフトとは一線を画す扱いで紹介されていた。
例えばある記事では、「グラフィックによる空間認識が、ユーザーの探索意欲を喚起する。これは単なる娯楽を超え、パソコンを“物語を体験する装置”に変えた。」と述べられ、同誌ではベスト・オブ・アドベンチャーソフトとして取り上げられたこともある。レビューでは「操作性に難があるが、その世界観と構成力は突出している」と記されており、当時の批評的視点からも高く評価されていた。

■ コマンド入力の限界とグラフィックの荒さ
一方で、必ずしも絶賛一色というわけではなかった。とくに初心者や日本語入力に慣れていない層からは、「入力が難しい」「何をすればよいか分からない」といった戸惑いの声が上がっていた。
また、グラフィックについても、「一目で何を描いているか分からない」「家具か人か判別できない」との意見もあり、線画だけで構成されたビジュアルには評価が分かれた。
さらに、ゲームの進行が行き詰まりやすい構成になっていたことも指摘され、「攻略情報がなければエンディングは難しい」といった声もあった。

■ その後の国産アドベンチャーへの橋渡し
『MYSTERY HOUSE』が果たした最大の功績は、「グラフィックとテキストを融合させたアドベンチャーゲーム」というジャンルの日本国内における地盤を築いたことにある。
後に登場する『ポートピア連続殺人事件』や『デゼニランド』、『ファミコン探偵倶楽部』などの名作群は、いずれも『MYSTERY HOUSE』の影響を少なからず受けており、形式や手法を受け継ぎながら洗練された作品へと進化していった。
ゲーム開発者やライターの間でも、「あの時、マイクロキャビンの『MYSTERY HOUSE』に衝撃を受けたのが出発点だった」と語る人は少なくない。

■ 未完成だからこそ残された余白の美学
『MYSTERY HOUSE』は完璧なゲームだったわけではない。グラフィックは粗く、インターフェースには不親切さが残り、難易度も理不尽な面があった。
だが、それらの不完全さが、当時のプレイヤーに“考える余地”や“想像力を働かせる空間”を与えたことは間違いない。完成された作品よりも、未完成の先にある可能性を感じさせるゲーム。それが『MYSTERY HOUSE』の本質であり、多くの心に残った理由だろう。
現在、当時のマシンでこのゲームを動かすのは難しいが、レトロPCエミュレータなどを用いて再体験する人も増えている。過去に生まれ、今なお語られるこの一本は、まさに日本アドベンチャーゲーム史における“開かれた扉”である。

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●イベントやメディア展開など

■ 小冊子とパッケージの“謎解き演出”
『MYSTERY HOUSE』のリリース当初、特定のパソコンショップでは配布用のリーフレットが設置された。それは単なる商品説明ではなく、表紙に「あなたはこの館の謎を解けるか?」とだけ書かれた簡素な小冊子で、裏面には謎のイラストと「近日発売」とだけある、煽情的な作りだった。
この手法は、映画の予告編のようにユーザーの好奇心をくすぐるものであり、無機質な商品告知に慣れていた当時のユーザーに鮮烈な印象を与えた。パッケージにも工夫が凝らされ、真っ黒な背景に白い線画の屋敷が浮かび上がるという視覚的インパクトがあり、それだけで「何かが違う」と感じさせる力を持っていた。

■ パソコン雑誌誌面に登場した“読者参加型紹介ページ”
1982年当時の『マイコンBASICマガジン』や『I/O』といったパソコン専門誌では、ソフト紹介ページが簡素なレビュー中心だったが、『MYSTERY HOUSE』に関しては異例の“体験風レポート形式”が用いられた。
たとえば「編集部員が挑戦!」という記事では、プレイヤーがゲーム冒頭で直面する謎や、館内で見つけたアイテムの使い方に悩む様子が小説風に書かれており、「次号で真相が明らかに!?」という読者引き込み型の構成で連載された。これにより、ただのソフト紹介ではなく、「読み物としての面白さ」が加わり、未プレイの読者までも興味を持たせることに成功している。

■ ソフトハウス初の“店頭謎解き大会”
1982年秋、東京・秋葉原のPCショップ「マイコンランド」や名古屋の大型電気店では、マイクロキャビン主催による『MYSTERY HOUSE』の体験イベントが開催された。これは当時としては珍しい、実機を使ったデモプレイイベントで、来場者が数名ずつ館の探索を疑似体験するというもの。
中でも話題になったのが「謎解きタイムアタック大会」で、制限時間内にどれだけ多くのアイテムを入手し、事件の核心に迫れるかを競う形式。上位入賞者にはマイクロキャビン特製の“館の設計図”を模した布製ポスターが贈られ、幻の景品として後にプレミア価値がついた。

■ 少年誌の特集コーナーに登場
『MYSTERY HOUSE』はゲーム誌だけでなく、一般の読者層を意識した宣伝にも踏み出していた。その代表例が、少年誌『コロコロコミック』の特別付録記事だ。1983年初頭の号にて、「君も名探偵だ!」と題された“アドベンチャーゲームのすすめ”特集で取り上げられ、紙上にはゲーム中のスクリーンショットや簡単な謎解き問題が掲載された。
これは小学生層にとって初めて見る「グラフィックアドベンチャーゲーム」として新鮮であり、特に「キーボードで推理するゲーム」という発想が注目された。文字入力型のゲームがいかに知的な挑戦であるかを印象づけた記事は、その後のアドベンチャーゲーム人気の下地を作ったといえる。

■ “手帳型攻略メモ”の販売と活用
『MYSTERY HOUSE』の発売後、パソコンショップの一部では「探索手帳」なるオリジナルグッズが販売された。これは館の見取り図を模したメモ帳で、プレイヤーが探索時に自らの進行状況を記録できるよう設計されていた。紙面には「ドアの先には何が?」「この部屋で拾ったものは?」といったヒントを書き込める欄があり、ゲーム中の混乱を整理するツールとして好評を得た。
さらに、名古屋や大阪の一部店舗ではこのメモ帳とセットで「冒険ノート付き限定版」が販売され、ミステリファンやパズル好きのユーザーの間でちょっとしたコレクターアイテムになった。

■ 名古屋ローカル局での“深夜枠CM”
大手スポンサーが入りにくいパソコンゲーム業界において、テレビCMは非常に珍しかったが、『MYSTERY HOUSE』は名古屋テレビ(メ~テレ)の深夜枠にて、短期間ながら15秒CMを流していた。内容は非常にシンプルで、白黒の線画が淡々と映り、最後に「あなたはこの館から生還できるか?」とだけ語りかけるナレーションが入るというもの。
派手な映像効果などは一切なかったが、その簡素さが逆に印象を強く残した。CMを見てゲームショップに問い合わせをした人が多かったという逸話も残っている。

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●本や雑誌での評価

★『I/O 1982年11月号』
内容の概要: 〈NEW SOFT REPORT〉欄にMZ-80B版『MYSTERY HOUSE』の写真付き紹介が掲載。モノクロ線画の衝撃と“コマンド入力”という新機軸を2ページで徹底解説し、発売直後のショップ在庫状況までフォローしています。誌面下段にはマイクロキャビン直販の1/4ページ広告も併載。
販売会社: 工学社
販売年: 1982年
販売価格: 473円

★『I/O 1982年12月号』
内容の概要: 前号の反響を受けて〈投稿プログラム研究〉特集で“探索型アドベンチャーの作り方”を組み、サンプルとして『MYSTERY HOUSE』を再度引用。館内マッピングのコツを図入りで解説しています。
販売会社: 工学社
販売年: 1982年
販売価格: 473円

★『Oh! MZ 1982年8月号』
内容の概要: “新登場!”の見出し付きカラー広告でMZ-80B用フロッピーディスク版を大々的に告知。さらに編集部コラムでは「国産ADV元年を告げる1本」としてクリア時間やHelpキー機能を評価しています。
販売会社: 日本ソフトバンク
販売年: 1982年
販売価格: 680円

★『Oh! MZ 1982年12月号』
内容の概要: 年末特集「今年売れたMZソフト総覧」で売上上位として『MYSTERY HOUSE』を紹介。広告とは別に、読者コンテスト入賞者が作成した“自動マッピングプログラム”の例題として実機画面が掲載されています。
販売会社: 日本ソフトバンク
販売年: 1982年
販売価格: 528円

★『月刊LOGIN 1983年5月号』
内容の概要: 巻頭カラー“SOFTLOG全国TOP10”でPC-8001版が週次2位を獲得。続く〈買い出しアドベンチャー〉コーナーにて市場価格・互換機種情報を掲載し、読者投稿の「ワンワード攻略法」も紹介。
販売会社: 株式会社アスキー
販売年: 1983年
販売価格: 528円

★『マイコンBASICマガジン 1983年1月号』
内容の概要: “プチレビュー”欄でPC-6001版を取り上げ、BASICユーザー向けに「画面再描画を速く見せる工夫」を分解図付きで解説。付録の秋葉原マップには取扱店スタンプ欄も。
販売会社: 電波新聞社
販売年: 1983年
販売価格: 330円(特別定価)

★『マイコンBASICマガジン 1983年8月号』
内容の概要: 夏休み企画「脱出ゲーム集中講座」にて『MYSTERY HOUSE』をケーススタディに採用。読者から寄せられた“自作ヒント集”を誌面上で検証し、宝物出現位置の乱数アルゴリズムを図解しました。
販売会社: 電波新聞社
販売年: 1983年
販売価格: 330円

★『FM-7パソコンゲーム選書① アドベンチャー編』(ムック)
内容の概要: Micro Cabin版『MYSTERY HOUSE』を4ページにわたり特集。FM-7移植時のカラースクリーン写真、作者インタビュー抜粋、コマンドリストが収録され、巻末の“ゲーム別基本情報”で必要メモリや標準価格を整理しています。
販売会社: 電波新聞社
販売年: 1984年
販売価格: 1,200円(税別)

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●同時期に発売されたゲームなど

★『デス・トラップ』
販売会社: エニックス
販売年: 1982年
販売価格: 9,800円(FD版)
アフリカ某国に潜入したエージェントが、生物兵器研究者を救出するため奮闘するグラフィック付テキストADV。コールドウォー下の諜報サスペンスと“コマンド入力+一枚絵”という新機軸が注目され、後のスクウェア作品にも影響を残した。

★『ドラゴン&プリンセス』
販売会社: 光栄(現 コーエーテクモ)
販売年: 1982年
販売価格: 4,500円(CT版)
中世ファンタジー世界で盗賊退治から王女救出までを描く、日本初期のRPG/SLG融合作。テキストADV画面から戦闘になるとシミュレーション形式マップに切り替わり、隊列・遮蔽物を活かした戦術が求められた。

★『アルフォス』
販売会社: エニックス
販売年: 1983年6月
販売価格: 6,800円
森田和郎が制作、縦スクロールSTG『ゼビウス』風の高速スクロールをPC-88で実現。ニーモニック号で敵陣深くに乗り込み、多重BGプレーン活用で青一色の宇宙に色数不足を補った“技術デモ”と評される完成度で爆発的ヒット。

★『スターアーサー伝説Ⅰ 惑星メフィウス』
販売会社: T&E SOFT
販売年: 1983年10月
販売価格: 6,800円
“スターアーサー三部作”第一弾。宇宙歴3826年―主人公アーサーが伝説の剣レイソードを求めて荒廃惑星を探索するコマンドADV。細やかなSF設定とタイル選択式パーサ、ビジュアル優先の重厚BGMで国産SF‐ADVの方向性を示した。

★『ボコスカウォーズ』
販売会社: アスキー
販売年: 1983年
販売価格: 5,500円(FC移植時希望小売/PC版も同水準)
スレン王が囚われた仲間を救いながら突き進むリアルタイム行軍SLG。最大50体の自軍ユニットが1キー操作で一斉進撃する爽快感と“運と戦略の揺らぎ”が革新的で、後年「SRPGの祖」として語られる。

★『ポートピア連続殺人事件』
販売会社: エニックス
販売年: 1983年6月
販売価格: 3,600円
神戸~京都を股に掛けた連続殺人の真相を追う捜査ADV。部下「ヤス」との掛け合い、聞き込み・アリバイなど刑事コマンド、暗号解読イベントなどが“謎解き主体”の国産ADVブームの火付け役となった。

★『ロードランナー』
販売会社: システムソフト
販売年: 1983年12月
販売価格: 6,800円
米Broderbund作パズルACTのPC-88移植。金塊を奪い逃げる主人公とガードマンの追走劇を、ブロックを掘って足場を作り出すギミックで立体パズル化。自作面エディタ付きで長期間売れ続け、88の国民的タイトルに。

★『うる星やつら エンジョイあたる編』
販売会社: エニックス
販売年: 1983年6月
販売価格: 3,800円
アニメ版設定を活かし、ラムを避けつつ友引町を駆け回る固定画面ACT。原作キャラのドット絵と“電撃・テンちゃん火炎”など原作ネタ満載の攻防が人気を呼び、キャラゲーム成功例として語られる。

★『激戦!南太平洋』
販売会社: エニックス
販売年: 1983年6月
販売価格: 3,200円
第1部は輸送機から物資を回収する縦スクSTG、第2部で戦車を操る地上戦ACTという二部構成。空と陸を連続クリアしないと次周に進めず、難度高めながら“1本で2度おいしい”実験的作品として好評。

★『女子寮パニック』
販売会社: エニックス
販売年: 1983年6月
販売価格: 3,800円
懐中電灯の電池が切れる前に恋人ロムを女子寮から連れ出すリアルタイム逃走ADV。薄暗い館を探索し、寮監の目をかいくぐるサスペンス感とタイムリミット制が緊張感を演出した“和製ステルスADV”の草分け。

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●対応パソコンによる違いなど

★『PC-8801』版
販売年:1983年春(FD版)
販売価格:7,800円(5.25″FD)
特徴:640×200ドット8色表示に対応し、「白黒高速描画」と「カラー低速描画」の切替機能が追加。描線を省略しないため他機種より絵が濃密だが、線を一本ずつ描くため画面生成が遅め

★『PC-9801』版
販売年:1983年夏(FD版)
販売価格:7,800円(5.25″FD)
特徴:解像度が640×400ドットに拡大し、縦方向の情報量が倍増。8色パレットながら 2 画面バッファを持ち、描画後のチラツキが抑制された。BEEP音は3Voice同時発音に切替えられる“強化BEEP”仕様で簡易効果音が増加

★『PC-8001/mkII』版
販売年:1983年(CT版/FD版併売)
販売価格:3,800円(カセットテープ)/5,800円(FD)
特徴:mkII では初のカラー版になり画面が華やかになった反面、処理落ちが顕著。ロード時間短縮のためにグラフィックを線画中心に再構成し、アイテム位置ランダマイズも簡略化

★『FM-7』版
販売年:1983年
販売価格:(TAPE 3,800円)/1984年(FD 9,800円)
特徴:FM音源には未対応だが、独自のパレット 4096 色中8色選択を活かし PC 系より鮮やかな画面を実現。FM-7 専用に“HELPキー三回までヒント提示”を採用、初心者救済が強化

★『MZ-80B/2000』版
販売年:1982年末~83年初頭(ディスク2枚組)
販売価格:12,800円
特徴:オリジナル開発機でモノクロ表示。描画ラインが細く“スケッチ風”の陰影が恐怖感を演出。ディスク2枚分の面積を使いアイテム配置が毎回乱数で決定する唯一のバージョン

★『X1』版
販売年:1984年(カセット版)
販売価格:3,800円
特徴:Z-80A 4MHz を活かし描線が高速。8色固定パレットだが PC-88版相当の彩色を 1/3 の描画時間で再現。キーアサインを QWER 方向キーに変更し、ジョイスティックでも移動可能

★『PC-6001』版
販売年:1983年(カセット版)
販売価格:3,800円
特徴:256×192ドットの4色グラフィック。容量節約のため部屋数を7フロア→5フロアに縮小、代わりにフォントが最も滑らかでコマンド入力が読みやすいと評判

★『MSX』版
販売年:1983年(カセット版)
販売価格:2,800円
特徴:32KB RAM 前提で部屋レイアウトを全面刷新。背景塗りつぶしが追加され、他機種では線画だった壁紙や床柄が明示的に表示。キー入力とジョイスティックを併用でき、“OPEN DOOR”など英語固定コマンドを維持しつつ独自の和文ヘルプ(F1 キー)を搭載。

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発売日 - メーカー エニックス 型番 E-G018 関連商品はこちらから エニックス 

【中古】PC-8801/mk2ソフト 夢幻の心臓 [5インチFD(2D)版]

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51,000 円 (税込) 送料込
発売日 - メーカー クリスタルソフト 型番 NEXA-12007 備考 ■商品内容物・ゲームディスク(1枚)・マニュアル・魔導の書(冊子)・夢幻界創世記・リファレンスカード 関連商品はこちらから クリスタルソフト 

【中古】PC-8801SRソフト DUEL デュエル

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4,500 円 (税込)
発売日 - メーカー 呉ソフトウエア工房 型番 - JAN 4988711880110 備考 ■商品内容物・ゲームディスク(6枚)・マニュアル 関連商品はこちらから 呉ソフトウエア工房 

【中古】PC-8801mkIISRソフト 大航海時代 with サウンドウェア

【中古】PC-8801mkIISRソフト 大航海時代 with サウンドウェア
24,900 円 (税込) 送料込
発売日 - メーカー KOEI(光栄) 型番 KFKN17015 JAN 4988615001536 備考 ■商品内容物・ゲームディスク(4枚)・オペレーションマニュアル・サブマニュアル・地図・サウンドウェアCD・サウンドウェア解説書 関連商品はこちらから 大航海時代  KOEI(光栄) 
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