
【メーカー】:任天堂
【開発】:SFB Games
【発売日】:2017年3月3日
【販売価格】:1,667円
【ゲームジャンル】:アクションパズルゲーム
●概要
■ 新たな遊びの形を提示したSwitch初期の名作
2017年3月3日、Nintendo Switchの発売と同時にリリースされた『いっしょにチョキッと スニッパーズ』は、ダウンロード専用タイトルとして登場したユニークな2Dパズルアクションゲームです。見た目は一見ポップでシンプルですが、その裏には極めて練られた協力要素と自由度の高い問題解決が詰め込まれています。本作は、ゲームプレイ自体を通して“対話”や“連携”を楽しませることに重きを置いた作品であり、Switchというハードの可能性を示す一本となりました。
■ 主人公は「かまぼこ型」!?ユニークなキャラデザイン
本作の主役は、細長い楕円形の体を持った「スニップ(赤)」と「クリップ(黄)」の2人。どちらも目と足を備えたシンプルながら愛嬌のあるデザインで、まるで文具の世界から飛び出してきたかのようです。
この2人の最大の特徴は、互いを“切り取り”して形を変えられるという点。たとえば、鋭い先端を作って風船を割ったり、くぼみを作って歯車を回したりと、状況に応じて自分たちの形を自在に加工し、ギミックに対応していきます。
■ 3つのゲームモードが用意された構成
『いっしょにチョキッと スニッパーズ』には、異なる遊び方が楽しめる3つのモードが搭載されています。
■ WORLDモード(2人協力プレイ)
メインモードとなる「WORLD」では、2人で協力しながら数々の仕掛けが施されたパズルステージを攻略していきます。各ステージには「ボールをゴールに運べ」「特定の形にハマれ」など一風変わったお題が課されており、決まった手順は存在しません。解決方法はプレイヤーの発想次第。柔軟な思考が問われるモードです。
■ PARTYモード(2~4人での協力パズル)
人数が増えることで混沌とした楽しさが倍増する「PARTY」モードでは、2人以上で協力して解くステージが用意されています。人が多くなる分、コミュニケーションの密度も上がり、カオスなやり取りが巻き起こること必至です。
■ BATTLEモード(2~4人の対戦)
一転して対戦に特化した「BATTLE」モードでは、制限時間内に多くのボールをゴールに入れたり、相手を弾き飛ばしたりといった勝敗を競うゲームが展開されます。勝つためには相手の動きを予測し、戦略的に行動する必要があります。
■ 答えは一つじゃない!想像力が試されるステージ構成
本作最大の魅力は、解答の自由度が非常に高い点にあります。ステージごとに提示される課題には、あらかじめ用意された“正解”が存在せず、プレイヤー自身の工夫や発想で解法を作り上げていく設計がなされています。
例えば、風船を割るには尖った形を作って刺す方法もあれば、相手を持ち上げて押しつけるといったやや強引な手も成立することも。想定外のアイディアが機能したときの「なるほど!」という快感は、本作ならではの醍醐味です。
■ 話し合いこそが最大の攻略法
『いっしょにチョキッと スニッパーズ』は、1人で淡々と進めるゲームではありません。むしろ「どうする?」「ここを切ってみて」「もうちょい左!」といった会話がゲーム体験の核をなしており、操作技術よりも相手との意思疎通が成功の鍵を握ります。
プレイヤー同士の意見が食い違ったり、タイミングが噛み合わなかったりと、うまくいかない場面も多々あります。しかし、だからこそ互いの意図を読み解き、呼吸を合わせて攻略した時の達成感は何倍にも膨らみます。
■ 意外と盛り上がる“失敗の楽しさ”
本作はミスすらも笑いに変わる、非常にフレンドリーなゲームデザインが施されています。間違えて味方を変な形に切ってしまったり、予定外の行動で仕掛けが崩れてしまったりしても、それらすべてが“楽しいハプニング”に転化する作りになっているのです。
時には意見の不一致から小さな衝突が起こることもありますが、それも含めて“ゲームの一部”。感情が動くことそのものが、本作においては大切なエッセンスといえるでしょう。
■ 直感的で簡単な操作と低いハードル
操作はJoy-Conを左右それぞれに分けて、シンプルに移動・ジャンプ・切るといった動作に集約されています。そのため、普段あまりゲームをしない人でもすぐに入り込むことができ、特に家族やカップル、友人とのパーティーシーンで絶大な効果を発揮しました。
老若男女問わず誰でも楽しめるという点が、『いっしょにチョキッと スニッパーズ』がSwitchのローンチタイトルとして選ばれた大きな理由の一つといえるでしょう。
■ 高評価を得た新規IPとしての存在感
リリース当時、Nintendo Switchの本体と同時に配信されたこともあり、多くのプレイヤーの注目を集めた本作は、口コミやSNSを通じて話題を呼びました。レビューサイトでは「創造性を刺激する設計」や「協力の面白さが最大限に活きた良作」といった評価が寄せられ、特に2人プレイを前提としたゲームの中では異色の成功を収めました。
加えて、2017年11月には追加ステージを多数収録したパッケージ版『いっしょにチョキッと スニッパーズ プラス』も発売され、さらにユーザー層を拡大しています。
■ コミュニケーションの力を再発見させてくれる作品
『いっしょにチョキッと スニッパーズ』は、単なるパズルゲームの枠を超えて、人とのつながりの楽しさを再発見させてくれる稀有な作品です。共に考え、失敗し、笑い合いながら答えを探っていくプロセスこそがこのゲームの本質であり、それが他のどのゲームにも代えがたい体験としてプレイヤーの心に残ります。
■ 総括:シンプルさと自由度が融合した“遊びの原点”への回帰
このゲームは決して派手な演出や高精細なグラフィックを誇るわけではありません。しかし、画面の向こうではなく、目の前の相手とのやり取りそのものがゲームの醍醐味になっているという点で、非常に希少なタイトルといえるでしょう。
『いっしょにチョキッと スニッパーズ』は、Nintendo Switchという新しいゲームプラットフォームの可能性を初期の段階で鮮やかに示し、協力型ゲームの理想形を提示した意義深い作品です。
●ゲームの魅力とは?
■ 画面越しではない「ふれあい」のゲーム体験
この作品の最大の魅力は、画面の中のアクションと現実世界のコミュニケーションが強く結びついている点にある。ステージごとに課される目的は、例えばボールをゴールに運んだり、一定の形を作ったりと非常にバラエティ豊か。しかし、どの課題にも明確な正解はなく、プレイヤー同士が「ここをこう切ったら?」「その形じゃ無理かも」と言葉を交わしながら試行錯誤する必要がある。協力と創意工夫が鍵を握るため、親子や友人、カップルでのプレイに最適な内容になっている。
■ ゲームモードごとの魅力:状況に合わせた遊び方
『スニッパーズ』には3つのモードが用意されている。まずはメインとなる「ワールド」モード。こちらは2人までのプレイヤーが協力して次々と課題をクリアしていく構成で、パズルの難易度も段階的に上がっていく。次に「パーティー」モードでは、最大4人までが同時に参加可能で、騒がしくにぎやかな解法が求められる。最後に「バトル」モードでは、競技的な要素を持ち、切り合いによる形の奪い合いなどが発生。これらのモードがあることで、プレイヤーの人数や雰囲気に応じて柔軟に遊び方を変えられる点が好評を得ている。
■ シンプルだからこそ奥深い切り取りシステム
操作そのものは非常に簡単。キャラクターの移動、ジャンプ、回転、そしてお互いを“切る”という行為。それだけで成立するゲームだが、その切り方一つで状況が大きく変わるのが面白さの本質だ。例えば、丸く切ればボールを運ぶカップになり、鋭角に切ればレバーのような役割を果たす。物理演算が自然に組み込まれているため、思いもよらない方法で正解に辿り着くことも多く、毎回のプレイが新鮮さに満ちている。
■ キャラクターのユニークさと表情の豊かさ
スニップとクリップのビジュアルは非常にシンプルながらも、目や口の表情が変化することで感情が伝わってくる。驚いた顔、困った顔、ニコニコ顔などが状況に応じて表示され、プレイヤー自身の感情とリンクするような没入感を生み出す。また、カスタマイズで帽子を被ったりできる要素もあり、自分たちのキャラクターに愛着を持たせる演出にも長けている。
■ ノーヒントで挑む自由度の高さ
本作のもう一つの特筆すべき点は、「ヒントが用意されていない」ということ。すべてのステージはノーヒントで構成されており、そのぶん解き方に自由度がある。「絶対こうしなければいけない」という枠がないため、正解が複数存在し、創造性が試される。解き方が人によってまったく異なる点は、SNSなどでのプレイ共有にも相性がよく、「自分はこうやって解いた」といった動画投稿や配信が盛り上がりを見せた要因のひとつでもある。
■ 一緒に笑えるというゲームの原点
総じて『いっしょにチョキッと スニッパーズ』は、ビジュアルの派手さや声優の豪華さに頼ることなく、「協力する楽しさ」そのものを丁寧に、巧みに設計された作品だ。テレビゲームの原点ともいえる「みんなでワイワイ遊ぶ」楽しさを再確認させてくれる希有なタイトルであり、今なおNintendo Switchにおけるパーティーゲームの代名詞的存在として記憶に残っている。
●感想や評判
■ ユーザーの反応:家族や友人との笑いが絶えない体験
多くのユーザーが、本作の協力プレイの楽しさを高く評価しています。Amazonのレビューでは、「子供とゲラゲラ笑いながら遊んでいます。家族が笑顔になる名作です」といった声が寄せられています 。また、楽天市場でも「子供から大人まで楽しめて価格も他のものより安くいい」との評価があり、家族でのプレイに適していることが伺えます 。
一方で、1人プレイに関しては「2人用のゲームかな」との意見もあり、協力プレイが本作の醍醐味であることが明らかです 。
■ メディアの評価:シンプルながら奥深いゲーム性
英国の新聞「The Guardian」は、本作を「家族向けのパズルゲームで、戦略だけでなく社会的な体験が楽しめる」と評価しています 。また、ゲームレビューサイト「Nintendo Life」では、「協力プレイに特化したゲームで、友人や家族と一緒に遊ぶことで魅力が最大限に引き出される」と述べられています 。
一方で、1人プレイに関しては「ソロプレイにはあまり適していない」との指摘もあり、協力プレイが本作の中心であることが再確認されます。
■ ゲーム雑誌での評価:パーティーゲームとしての完成度
ゲームレビューサイト「KENTWORLD」では、「協力プレイが楽しい!」と題し、2人以上でのプレイが本作の魅力を最大限に引き出すと評価しています 。また、「多彩な対戦ゲームを収録」として、バスケットボールやホッケーなどのミニゲームも紹介されており、パーティーゲームとしての完成度の高さが伺えます。
ただし、「1人プレイだとやや物足りない」との指摘もあり、ソロプレイ時のボリューム不足が課題として挙げられています。
■ 総合評価:協力プレイで真価を発揮するパズルゲーム
『いっしょにチョキッと スニッパーズ』は、協力プレイを通じてコミュニケーションの楽しさを体感できるパズルゲームとして、多くのユーザーやメディアから高い評価を受けています。特に家族や友人とのプレイに適しており、笑いながら課題をクリアする体験は、他のゲームでは味わえない魅力があります。
一方で、1人プレイ時のボリューム不足や、ソロプレイにおける操作の煩雑さなどの課題も指摘されています。しかし、手頃な価格や追加コンテンツの充実など、コストパフォーマンスの面でも優れており、Nintendo Switchを持っているなら一度はプレイしてみる価値のある作品と言えるでしょう。
●イベントやメディア展開など
■ Nintendo Switch体験会での注目
2017年1月に開催されたNintendo Switchの体験会では、『いっしょにチョキッと スニッパーズ』がプレイアブルタイトルとして出展されました。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』や『マリオカート8 デラックス』といった大型タイトルと並びながらも、その独特なゲーム性と協力プレイの楽しさで、多くの来場者の注目を集めました。
■ CEDEC 2017での展示
2017年8月に開催されたCEDEC 2017では、Unity Japanの「Made with Unityギャラリー」にて、『いっしょにチョキッと スニッパーズ』が展示されました。来場者は実際にゲームを体験でき、開発者によるセッションやミニイベントも行われ、開発秘話や技術的な解説が提供されました。
■ メディアでの取り上げと反響
本作は、発売前から多くのメディアで取り上げられ、そのユニークなゲーム性が注目されました。特に、Joy-Conを活用した協力プレイの楽しさや、シンプルながら奥深いパズル要素が評価され、家族や友人と楽しめるタイトルとして紹介されました。また、海外メディアでも高評価を受け、IGNでは「ベストパズルゲーム2017」に選出されるなど、国際的にも認知度を高めました。
●本や雑誌での評価
★ファミ通 2017年3月号
内容の概要:『いっしょにチョキッと スニッパーズ』の特集記事が掲載され、ゲームの基本的な操作方法やステージの進め方、協力プレイの楽しさについて詳しく紹介されていました。
販売会社:KADOKAWA
販売年:2017年
販売価格:500円(税込)
★Nintendo DREAM 2017年4月号
内容の概要:開発者インタビューが掲載され、ゲーム制作の背景や、キャラクターのデザインコンセプト、ステージ設計の工夫などが語られていました。
販売会社:アンビット
販売年:2017年
販売価格:900円(税込)
★電撃Nintendo 2017年5月号
内容の概要:読者からのプレイレポートや攻略情報が掲載され、特に難易度の高いステージの攻略法や、効率的なキャラクターの切り方などが紹介されていました。
販売会社:KADOKAWA
販売年:2017年
販売価格:650円(税込)