
愛の戦士レインボーマンVOL.5 [ 水谷邦久 ]





【アニメのタイトル】:愛の戦士レインボーマン
【原作】:川内康範川内康範
【アニメの放送期間】:1982年10月10日~1983年4月9日
【放送話数】:全22話
【監督】:岡迫亘弘
【脚本】:伊東恒久
【キャラクターデザイン】:岡迫亘弘
【メカニックデザイン】:岡迫亘弘
【音楽】:北原じゅん
【美術監督】:半藤克美
【音響監督】:藤野貞義
【作画監督】:岡迫亘弘、福田新、山下征二、越智一裕
【アニメーション制作】:愛企画センター、土田プロダクション
【制作】:毎日放送、愛企画センター
【放送局】:TBS系列
●概要
■ テレビアニメ『愛の戦士レインボーマン』とは
特撮ヒーロー作品の金字塔として名高い1972年の実写版『愛の戦士レインボーマン』を原点に、新たな解釈で蘇ったアニメーション作品である。制作は毎日放送と愛企画センターの共同によるもので、かつての実写版におけるヒーロー像を大胆に変化させた本作は、当時のアニメファンや特撮ファンに鮮烈な印象を与えた。
■ アニメ版レインボーマンの特徴と設定の刷新
実写版で孤高のヒーローだったヤマトタケシは、アニメ版では仲間たちと共に戦う明朗快活な戦士として描かれ、ヒーロー像そのものが転換された。また、登場する敵組織「死ね死ね団」は、かつての陰湿なテロリスト集団から、宇宙人によって構成される壮大なスケールの侵略勢力へとスケールアップ。新たに登場した巨大ロボット「レインボーセブン」も、シリーズのシンボルとして視聴者を魅了した。
■ 登場キャラクターとストーリー展開
本作の主人公・ヤマトタケシは、七つの色の力を操る戦士・レインボーマンに変身する能力を持ち、地球を脅かす異星の侵略者と戦う使命を負う。彼にはかつてのような孤独感はなく、心を通わせる仲間たちとチームを組んで戦いに挑む。物語は、死ね死ね団の陰謀を阻止しながら、人々を守るために奮闘するヒーローたちの成長と絆を描いた熱血冒険譚である。
■ レインボーマンの能力と変身形態
レインボーマンは、「阿耨多羅三藐三菩提(あのくたら さんみゃく さんぼだい)」と唱えることで、7つの属性を持つ形態に変身します。各形態は以下の通りです:
ダッシュ1(黄金):月の力を利用し、「月光の術」や「ムーンライトビーム」を使用。
ダッシュ2(赤):火の力を操り、「火炎の術」や「溶岩つぶて」を駆使。
ダッシュ3(青):水の力を活かし、「水雷砲の術」などを展開。
ダッシュ4(緑):木の力を使い、「木の葉の術」や手裏剣のような技を披露。
ダッシュ5(橙):光の力を用い、「黄金の術」や「ゴールデンアロー」で攻撃。
ダッシュ6(紫):土の力を操り、「土遁の術」や「岩石の術」で戦う。
ダッシュ7(白):太陽の力を宿し、最強の形態として活躍。
これらの形態を使い分けることで、レインボーマンは多様な敵や状況に対応し、戦いを有利に進めます。
■ 映像と演出の魅力
1980年代初頭のアニメ技術を活かした本作は、カラフルな変身シーンや、各色に対応した必殺技、さらに巨大ロボットによるメカバトルが織り交ぜられた多層的な演出で注目された。特にレインボーセブンの登場シーンは、合体メカ好きの視聴者に強く訴求した。また、作画の品質やアクションシーンのテンポ感などにも定評があり、当時の子供たちの心を掴んで離さなかった。
■ ヒーローと仲間たちの絆
アニメ版レインボーマンの最大の特色は、仲間との協力によって困難を乗り越えるヒューマンドラマにある。個性豊かな仲間たちは、それぞれ異なる能力と背景を持ち、時にはぶつかり合いながらも強い絆で結ばれていく。その成長過程は、単なるアクション作品を超えた人間ドラマの魅力を孕んでいた。
■ 死ね死ね団と宇宙からの脅威
敵役である死ね死ね団は、原作の陰謀的な性質から、アニメではよりSF色の強い存在として描かれるようになった。首領は宇宙からやってきた異星人であり、その目的は地球侵略と人類支配。彼らの操る怪人や兵器はバラエティに富み、毎回の戦闘に新たな緊張感と驚きをもたらした。
■ 玩具展開とメディア戦略
本作はアニメ展開に合わせて多くの玩具商品が企画され、特に「レインボーセブン」のロボット玩具や、各カラーのレインボーマン変身アイテムなどが人気を博した。一方で、後年に至るまで本作の映像ソフトは市販されておらず、視聴者の間では「幻のアニメ」として語られることも多い。
■ 放送当時の反響と評価
アニメ版『愛の戦士レインボーマン』は、放送当時、特撮ファンだけでなくアニメ視聴者層の拡大にも貢献し、明るく快活なヒーロー像が時代の空気にマッチしていたとの声も多く寄せられた。とはいえ、従来のシリアス路線を好む一部の旧来ファンからは賛否両論もあり、そのリメイク手法が論議を呼んだ側面もある。
■ まとめ 時代を越えて語られるレインボーマン
1982年版アニメ『愛の戦士レインボーマン』は、単なる特撮の焼き直しではなく、時代に即した解釈と表現を加えた意欲的なリメイク作品であった。ヒーローの在り方や悪との戦い方に新たな視点を持ち込み、子供たちに夢と希望を与えたこの作品は、現在でも語り継がれる価値を持つテレビアニメの一つである。
●あらすじ
■ インドの山奥での修行とレインボーマンの誕生
主人公ヤマトタケシは、妹を交通事故で障害者にしてしまったことを悔い、彼女の治療費を稼ぐためにプロレスラーとして活躍していました。さらなる力を求めてインドの山奥に住む聖者ダイバ・ダッタのもとを訪れ、厳しい修行を積みます。その結果、タケシは伝説の戦士レインボーマンとしての力を授かり、地球を守る使命を帯びて帰国します。
■ 死ね死ね団との戦い
地球侵略を企む異星人「死ね死ね団」は、様々な手段で人類を脅かします。レインボーマンとなったタケシは、彼らの陰謀を阻止すべく戦いに挑みます。死ね死ね団の首領は宇宙人であり、特撮版とは異なる設定が特徴です。
■ 七つの化身とその能力
レインボーマンは、陰陽五行思想に基づく七つの化身「ダッシュ1」から「ダッシュ7」に変身する能力を持ちます。各化身は異なる属性と能力を有し、状況に応じて使い分けることで敵に立ち向かいます。変身時には「阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)」と唱えることで変身します。
■ 巨大ロボット「レインボーセブン」の登場
アニメ版では、レインボーマンが七つの化身に分身し、それぞれが合体することで巨大ロボット「レインボーセブン」となります。このロボットは、死ね死ね団の巨大メカとの戦いで活躍し、物語に新たな展開をもたらします。
■ ヤマトタケシの成長と仲間たち
アニメ版では、特撮版と異なり、ヤマトタケシが仲間たちと共に戦う姿が描かれます。彼の成長と仲間との絆が、物語に深みを与えています。また、彼の父親である大宮博士がレインボーセブンの開発に関与するなど、家族との関係も重要な要素となっています。
●登場キャラクター・声優
●ヤマトタケシ(レインボーマン)
声優:水島裕
魂の修行を経て、七つの精霊を宿す力「ダッシュ力」を授かり、レインボーマンとして覚醒した若き戦士。彼は、強大な敵「死ね死ね団」の野望を砕くため、命をかけて戦い抜く。変身する七つの姿はそれぞれ異なる自然の属性を持ち、状況に応じて使い分けることができる。
●大和秋子
声優:武藤礼子
タケシの母で、家庭を守る包容力のある女性。時に心配しながらも、息子の使命に無言で寄り添う母の愛は、彼の心の支えとなる存在。彼女の静かな祈りは、戦いの陰にあるもうひとつの力とも言える。
●大和ジュン
声優:能村弘子
タケシの妹であり、家族の明るさを象徴する存在。兄の背中を追いかけるように成長していく少女で、家庭の中でも希望の光を放っている。ジュンの無垢な想いが、物語に柔らかさと日常の温かみを添えている。
●大宮陽子
声優:鶴ひろみ
タケシと心を通わせる女性で、聡明かつ勇気ある行動派。彼の正体や戦いを知る数少ない理解者でもあり、科学者である父・大宮博士と共に技術的な面からタケシを支援する。
●大宮博士
声優:岸野一彦
陽子の父であり、科学者としてタケシの戦いに必要な装備や情報を提供するブレーン的存在。沈着冷静で信頼できる人物。博士の冷静な分析と機械技術は、戦いの勝敗を左右する鍵となることもしばしば。
●山田豪太
声優:山口健
タケシの親友で、作中ではムードメーカー的な存在。明るくお調子者な一面もあるが、いざという時には仲間を思いやる心優しい青年。彼の飾らない人柄は、物語の緊張を和らげる潤滑油的な役割を果たす。
●山田正介
声優:向殿あさみ
豪太の弟で、年齢相応の無垢さと好奇心旺盛な性格が特徴の少年。タケシの活躍に憧れを抱きながら、無邪気に物語を彩る存在。日常の場面では、兄とのやり取りに心温まるユーモアが宿る。
●ダイバタッタ
声優:千葉耕市
タケシが修行を行ったインドの聖人であり、レインボーマン誕生の鍵を握る存在。150歳を超えるという伝説の導師で、七つの力をタケシに授けた張本人。彼の言葉には深い叡智と慈愛があり、常にタケシの精神的な指針となっている。
●ミスターK
声優:桑原たけし
死ね死ね団の日本支部を統括する冷酷な指導者。彼の策略は巧妙で、レインボーマンを追い詰めるためにあらゆる手段を駆使します。
●フェアリ・ロゼ
声優:小宮和枝
死ね死ね団の女性幹部で、妖艶な魅力と冷酷さを併せ持つキャラクター。彼女の策略はレインボーマンを幾度となく窮地に追い込みます。
●ハインツ少佐
声優:銀河万丈
死ね死ね団の軍事的指導者で、戦術に長けた冷静な人物。彼の指揮のもと、団は数々の攻撃を仕掛けます。
●パステル・プチ
声優:土井美加
死ね死ね団の女性幹部で、かつての恋人であるハインツ少佐との関係が物語に深みを加えます。彼女の心の葛藤が、物語に新たな展開をもたらします。
●ドクトル・ギルマ
声優:稲葉実
死ね死ね団の科学者で、数々の兵器やロボットを開発する頭脳派。彼の発明はレインボーマンを苦しめます。
●帝王ドンゴロス
声優:飯塚昭三
死ね死ね団の最高指導者で、全ての陰謀の黒幕。彼の存在は常にレインボーマンの前に立ちはだかります。
●ナレーター
声優:若本紀昭
物語全体を通じて、視聴者を物語の世界へと誘う語り手。
●主題歌・挿入歌・キャラソン・イメージソング
●オープニング曲
曲名:「愛の戦士レインボーマン」
歌手:水島裕&ヤング・フレッシュ
作詞:川内康範
作曲:北原じゅん
編曲:小杉仁三
■ 音楽が描く世界観:希望を掲げる戦士の序章
この曲は、物語の扉を開く“英雄の主題歌”として、堂々とした存在感を放っています。イントロから響く勇壮なブラスの音色とドラムのリズムは、聴く者を一瞬で戦いの世界へと引き込みます。スピード感とスケールを兼ね備えた編曲は、まるでレインボーマンの七色の力を象徴するかのように多彩です。
主旋律は覚えやすく、しかし勇ましさを忘れず、まさに正義の象徴と呼ぶにふさわしいメロディ。特に水島裕のリードボーカルは、青少年の憧れと希望を歌い上げるのに相応しい清潔感と熱量を備えており、そこにヤング・フレッシュのコーラスが加わることで、全体に厚みが加わり、視聴者に「守られている安心感」を与えてくれます。
■ 歌詞の世界:戦いの中にある愛と誓い
この主題歌の作詞を手掛けたのは、原作も務めた川内康範。彼の詞には、「正義」「愛」「信念」といった、時代を超えて普遍的な価値観が込められています。歌詞は“地球のために戦う”という単なるヒーローの役割を越えて、「愛のために立ち上がる存在」としてのレインボーマンを描いています。
注目すべきは、「命を賭しても守るべきものがある」というメッセージ。その思想は、単なる勧善懲悪を超え、人間的な葛藤や選択の重みをも表現しています。また「七つの力」や「虹の光」といったキーワードが、作品独自の世界観と緻密に連動し、アニメ本編とシンクロする感覚をリスナーに与えてくれます。
■ 歌唱スタイル:透き通る熱意と若き闘志
水島裕のボーカルは、少年ヒーローの「真っ直ぐさ」をそのまま体現したような声質。特に語尾に力を込める発声が印象的で、歌のメッセージを一層強く印象づけます。一方でヤング・フレッシュのコーラスは、少年合唱団を思わせる澄んだ響きで、戦いの中にある希望や未来への祈りを感じさせます。
緊張感の中に爽やかさを残すこの歌い方のバランスは、「子どもにも親しみやすいが、大人にも響く」という絶妙な立ち位置にあります。
■ 視聴者の受け止め方:世代を超えて響いた“正義の讃歌”
放送当時の視聴者からは、「朝の時間に聴くと元気が出た」「レインボーマンの登場が待ち遠しくなる」といった声が多く聞かれました。中には、「この歌を聴くと今でも胸が熱くなる」と、時を経ても鮮烈に記憶に残っているファンも。
また、大人になった世代の中には、この歌を通じて“信念を貫くことの大切さ”や“他人を守る勇気”といった教訓を学んだと語る者も多く、単なるアニソンにとどまらない精神的な影響力を持った楽曲として語り継がれています。
●エンディング曲
曲名:「あいつの名前はレインボーマン」
歌手:ヤング・フレッシュ&ロイヤル・ナイツ
作詞:川内康範
作曲:北原じゅん
編曲:小杉仁三
■ メロディが描く情景:一日の終わりに響く静かな誓い
オープニングとは対照的に、エンディング曲は落ち着いたテンポと温もりあるサウンドが印象的です。軽やかなギターのストロークと、優しく包み込むようなコーラスが調和し、戦いの一日を終えたレインボーマンの姿を思わせるような静謐な余韻を奏でます。
とりわけ、ロイヤル・ナイツによる男声ハーモニーの重厚感は、子ども向けアニメとしては珍しい“大人の哀愁”を感じさせます。
■ 歌詞の世界:孤高のヒーローへの賛歌
この曲の歌詞は、視点をやや引いた立場からレインボーマンを見つめ、彼の行動や信念に深く敬意を払う内容となっています。「あいつ」と呼ぶことで、親しみやすさと共に、「正体を知ることのできない存在」へのリスペクトが込められています。
また、戦いに疲れた彼の背中や、悩みながらも前を向く彼の心情が詩の中に垣間見えます。単なる勝利ではなく、「明日もまた立ち上がる」というループ構造がヒーローに課された宿命を想起させ、作品の主題である“愛と責任”を再確認させてくれます。
■ 歌唱スタイル:柔らかくも芯のある表現
ヤング・フレッシュの透明感あるボーカルに加え、ロイヤル・ナイツの渋く安定感のある歌声が混ざり合うことで、独特の包容力が生まれています。サビに向かって音域を広げる構成が、静かな余韻から確かな余光へと導いてくれます。
全体を通して感情の揺らぎが丁寧に描写されており、聴くたびに新たな解釈をもたらすような奥行きのある表現が魅力です。
■ 視聴者の受け止め方:優しさと哀しみの狭間で
このエンディングテーマは、子どもたちにとっては「レインボーマンの活躍を振り返るエピローグ」であり、大人たちにとっては「孤独に耐えながらも愛を選ぶ者への賛美歌」として響きました。
ネット上では、「切ないのに温かい」「レインボーマンの正義は、どこか人間臭くて好きだった」といった感想が見られ、アニメの余韻を深く支える存在として高く評価されています。また、エンディングが終わる頃には自然と翌週の放送が待ち遠しくなるような“魔力”が、この曲には宿っていたと語るファンも。
●アニメの魅力とは?
■ 圧倒的な変化を遂げたキャラクターと設定
アニメ版『愛の戦士レインボーマン』は、特撮版から設定を大胆に刷新しており、ヤマトタケシという主人公が聖者ダイバダッタの教えを受け、七つの属性を持つ戦士に変身して戦うという基本構造は受け継ぎつつ、敵組織「死ね死ね団」の存在や彼らのリーダーが異星からの侵略者という新解釈を加えて、SF要素を前面に押し出した構成となっている。
さらに、巨大ロボット「レインボーセブン」の登場により、当時のロボットアニメブームの潮流にも乗り、視覚的・演出的な迫力を増している。このレインボーセブンの登場は、ヒーローアニメとしてのスケール感を一段と引き上げる要素として機能した。
■ ヒーロー性と仲間の存在が生む共闘のドラマ
特撮版では孤高の戦士として描かれていたヤマトタケシが、アニメ版では仲間とともに戦う構図へと変化している点も、大きな魅力のひとつである。各話に登場する仲間たちは、それぞれに個性と役割を持ち、チームとしての絆や連携が物語を通じて描かれる。
この構成は、ただの一人の正義ではなく、多様な価値観を持つ者たちが協力して悪に立ち向かうという、より現代的で共感を得やすいヒーロー像を形作っている。また、仲間との絆が強調されることで、視聴者にとって感情移入しやすい構成となっていた。
■ 作品に込められた社会的メッセージ
『愛の戦士レインボーマン』のアニメ版は、単なる勧善懲悪の物語にとどまらず、環境問題や平和への願い、人種や国境を超えた理解と協力といった、社会的なテーマを内包している。
敵である「死ね死ね団」の陰謀は、現代社会の暗部を象徴するような構図となっており、それに立ち向かうヤマトタケシたちの戦いは、単なる暴力による制圧ではなく、愛や理解をもって世界を救うという精神性が強調されている。
■ 多様な変身とバトル演出の爽快感
レインボーマンは「火・水・風・土・月・太陽・雷」という7つの属性に変身する能力を持ち、それぞれに固有の技や戦い方が用意されている。この多様性こそが、視聴者にとっての飽きのこない展開を生み、毎回異なる戦術や演出が披露されることによって、常に新鮮な驚きを提供していた。
特に、アニメーションによるエフェクト表現は当時としては先進的であり、派手な必殺技や変身シーンの演出は、子どもたちの間で人気を博した要因のひとつとなっている。
■ 主題歌・音楽による作品の世界観強化
主題歌「愛の戦士レインボーマン」やエンディングテーマ「あいつの名前はレインボーマン」は、作品の持つヒーロー性や情熱を見事に音楽で表現しており、放送当時から子どもたちの心を掴んだ。
作詞を担当した川内康範、作曲の北原じゅん、編曲の小杉仁三による音楽は、戦いのシーンに力強さを、感動の場面に情緒を与え、視聴体験をより一層ドラマティックなものにしている。
■ 当時の視聴者やメディアの評価
放送当時、『愛の戦士レインボーマン』は少年層を中心に高い人気を誇った。特撮版との違いが話題となり、アニメ誌やテレビ情報誌でも特集が組まれることが多かった。
特に視聴者からは、「仲間との連携が新しい」「レインボーセブンがかっこいい」「変身バトルが飽きない」といった声が寄せられ、玩具や書籍などの関連商品も人気を博した。
一方で、特撮版ファンからは「雰囲気が違いすぎる」「原作の重厚さが失われている」との声も見られ、一定の賛否を巻き起こした点も興味深い。
●当時の視聴者の反応
■ 特撮版との比較による評価の分かれ
アニメ版『愛の戦士レインボーマン』は、特撮版の持つ社会的メッセージやシリアスな展開を踏襲しつつも、アニメならではの表現や設定が加えられました。しかし、特撮版のファンからは「コレジャナイ感」があるとの声もありました。特に、特撮版での敵組織「死ね死ね団」の過激な描写が、アニメ版では宇宙人による地球侵略という一般的な設定に変更されたことに対して、物足りなさを感じた視聴者もいたようです。
■ 放送時間帯と視聴率の影響
本作は、日曜午後という視聴率が期待しにくい時間帯に放送されました。同時期に放送されていた『超時空要塞マクロス』と連続で放送されていたため、視聴者の注目が分散し、アニメ版『レインボーマン』の印象が薄れてしまった可能性があります。その結果、視聴率や話題性においても、特撮版ほどの盛り上がりを見せることはありませんでした。
■ アニメ独自の要素とその評価
アニメ版では、主人公ヤマトタケシが7つの化身に変身する設定が踏襲されましたが、さらにそれらが合体して巨大ロボットになるという新たな要素が加えられました。この設定変更に対しては、特撮版のファンからは違和感を覚える声もありました。また、各化身のビジュアルや能力の描写が簡略化され、特撮版のような迫力や個性が感じられないとの指摘もありました。
■ 音楽と主題歌の評価
アニメ版では、特撮版と同じ主題歌「行けレインボーマン」が使用されました。この選択により、特撮版の雰囲気を引き継ぐ意図が感じられましたが、アニメ版の内容とのギャップを感じる視聴者もいたようです。また、エンディングテーマ「ヤマトタケシの歌」も特撮版と同様であり、アニメ版独自の音楽が少なかったことが、作品の個性を弱めた要因の一つとされています。
■ 書籍やメディアでの取り上げ方
アニメ版『愛の戦士レインボーマン』は、特撮版と比較して書籍やメディアでの取り上げが少なく、情報も限られています。特撮版が持つ社会的メッセージや過激な描写が注目される一方で、アニメ版は一般的なヒーローアニメとして扱われることが多く、深い考察や分析が行われる機会が少なかったようです。
■ 視聴者の感想と評価
視聴者の中には、アニメ版を「普通のアニメとして見ればそれなりに楽しめる」と評価する声もありました。しかし、特撮版の持つ独特の世界観やキャラクターの個性を期待していた視聴者にとっては、物足りなさを感じる作品だったようです。また、アニメ版の映像ソフト化がされていないことから、現在では視聴が困難であり、再評価の機会も限られています。
あにこれ
■ まとめ
アニメ版『愛の戦士レインボーマン』は、特撮版の要素を引き継ぎつつも、アニメならではの表現や設定が加えられた作品です。しかし、特撮版のファンからは違和感を覚える声もあり、放送時間帯や視聴率の影響もあって、当時の世間やメディアからの注目度は高くありませんでした。現在では映像ソフト化もされておらず、視聴が難しい作品となっていますが、当時のアニメや特撮の流れを知る上で、貴重な作品であることは間違いありません。
●声優について
■ 水島裕(ヤマトタケシ/レインボーマン役)
水島裕さんは、主人公ヤマトタケシ/レインボーマンの声を担当しました。彼は、実写版『レインボーマン』の主題歌を歌った縁があり、本作でも主題歌を熱唱しています。
水島さんは、ヤマトタケシというキャラクターを演じるにあたり、正義感と人間味を併せ持つ青年像を意識して演じたと語っています。また、主題歌のレコーディングでは、作品の世界観を表現するために力強く歌い上げることを心がけたとのことです。
■ 武藤礼子(大和秋子役)
武藤礼子さんは、主人公ヤマトタケシの母親である大和秋子の声を担当しました。彼女は、母親としての優しさと強さを表現するために、落ち着いたトーンで演じることを意識したと述べています。
また、武藤さんは、家族の絆や母親の愛情が作品のテーマの一つであると感じており、その想いを声に込めて演じたとのことです。
■ 能村弘子(大和ジュン役)
能村弘子さんは、ヤマトタケシの妹である大和ジュンの声を担当しました。彼女は、明るく元気な少女を演じるにあたり、自然な口調と感情表現を大切にしたと語っています。
能村さんは、ジュンというキャラクターが物語において癒しや希望を与える存在であると感じており、その役割を果たすために、明るさと純粋さを意識して演じたとのことです。
■ 鶴ひろみ(大宮陽子役)
鶴ひろみさんは、主人公の仲間である大宮陽子の声を担当しました。彼女は、知的で芯の強い女性を演じるにあたり、落ち着いた声のトーンと感情の抑揚を意識したと述べています。
鶴さんは、陽子というキャラクターが物語において重要な役割を果たすことから、彼女の内面や成長を丁寧に表現することを心がけたとのことです。
■ 岸野一彦(大宮博士役)
岸野一彦さんは、主人公ヤマトタケシの師であり、科学者である大宮博士の声を担当しました。彼は、博士の知的で落ち着いた雰囲気を表現するために、穏やかで説得力のある声を意識して演じたと語っています。
また、岸野さんは、科学者としての冷静さと、タケシへの深い愛情を併せ持つ大宮博士のキャラクターに魅力を感じており、その感情を声に込めて演じたとのことです。
■ 山口健(山田豪太役)
山口健さんは、タケシの親友である山田豪太の声を担当しました。彼は、豪太の明るく元気な性格を表現するために、活発で親しみやすい声を意識して演じたと語っています。
山口さんは、豪太というキャラクターが物語においてムードメーカー的な存在であると感じており、その役割を果たすために、明るさとユーモアを大切にしたとのことです。
■ 向殿あさみ(山田正介役)
向殿あさみさんは、豪太の弟である山田正介の声を担当しました。彼女は、正介の純粋で素直な性格を表現するために、柔らかく優しい声を意識して演じたと語っています。
向殿さんは、正介というキャラクターが物語において癒しや希望を与える存在であると感じており、その役割を果たすために、純真さと温かさを大切にしたとのことです。
■ 千葉耕市(ダイバタッタ役)
千葉耕市さんは、インドの聖者であり、タケシに七つの力を授けるダイバタッタの声を担当しました。彼は、ダイバタッタの神秘的で威厳のある雰囲気を表現するために、低く落ち着いた声を意識して演じたと語っています。
千葉さんは、ダイバタッタというキャラクターが物語において重要な役割を果たすことから、その存在感を声で表現することに注力したとのことです。
■ 桑原たけし(ミスターK役)
桑原たけしさんは、死ね死ね団の日本支部を統括する冷酷な指導者であるミスターKの声を担当しました。彼は、ミスターKの冷徹さと知略を表現するために、鋭く冷たい声を意識して演じたと語っています。
桑原さんは、ミスターKというキャラクターが物語において強大な敵として立ちはだかる存在であることから、その威圧感と恐怖を声で表現することに注力したとのことです。
■ フェアリ・ロゼ(声:小宮和枝)
フェアリ・ロゼは、敵組織「死ね死ね団」の女性幹部であり、冷酷さと妖艶さを併せ持つキャラクターです。小宮和枝さんは、彼女の魅力を引き出すために、低めの声で感情を抑えた演技を心がけたと語っています。また、フェアリ・ロゼの内面にある複雑な感情を表現することに苦労したとも述べています。
■ ハインツ少佐(声:銀河万丈)
ハインツ少佐は、死ね死ね団の幹部であり、冷静沈着で知的な戦略家です。銀河万丈さんは、彼の理知的な一面を表現するために、落ち着いたトーンでの演技を意識したと述べています。また、ハインツ少佐の冷酷さと人間味のバランスを取ることに注力したとのことです。
■ パステル・プチ(声:土井美加)
パステル・プチは、死ね死ね団の女性幹部であり、フェアリ・ロゼと対照的な明るく活発な性格を持っています。土井美加さんは、彼女の元気さと可愛らしさを表現するために、明るく弾むような声で演じたと語っています。また、パステル・プチの無邪気さの中にある残酷さをどう表現するかに苦心したとのことです。
■ ドクトル・ギルマ(声:稲葉実)
ドクトル・ギルマは、死ね死ね団の科学者であり、様々な兵器や作戦を開発する頭脳派キャラクターです。稲葉実さんは、彼の知的で冷酷な一面を表現するために、低く抑えた声での演技を意識したと述べています。また、ドクトル・ギルマの狂気じみた一面をどう表現するかに苦労したとのことです。
■ 帝王ドンゴロス(声:飯塚昭三)
帝王ドンゴロスは、死ね死ね団の首領であり、圧倒的な存在感と威圧感を持つキャラクターです。飯塚昭三さんは、彼の威厳と恐怖を表現するために、重厚で響くような声で演じたと語っています。また、ドンゴロスの狂気と冷酷さをどう表現するかに注力したとのことです。
■ ナレーター(声:若本紀昭)
ナレーターは、物語の進行や状況説明を行う重要な役割を担っています。若本紀昭さん(現:若本規夫)は、作品の世界観を引き立てるために、重厚で抑揚のある語り口を意識したと述べています。また、ナレーションを通じて視聴者の興味を引きつけることに注力したとのことです。
●イベントやメディア展開など
■ 放送枠と番組構成の工夫
本作は、毎日放送と愛企画センターの共同制作で、TBS系列の「サンデーアニメプレゼント」枠で放送されました。この枠は、当時としては珍しい日曜13時30分からの1時間枠で、同じく新作アニメ『超時空要塞マクロス』と組み合わせて放送されました。このような編成は、視聴者に新鮮な印象を与え、話題性を高める効果がありました。
■ 主題歌と音楽展開
主題歌「愛の戦士レインボーマン」は、水島裕とヤング・フレッシュによって歌われ、作品の世界観を力強く表現しています。この楽曲は、当時のアニメソングとして高い評価を受け、シングルレコードとしても発売されました。また、エンディングテーマ「あいつの名前はレインボーマン」も、ヤング・フレッシュとロイヤル・ナイツによって歌われ、作品の余韻を深める役割を果たしました。
■ グッズ展開と関連商品
放送当時、本作の人気を受けて、様々な関連グッズが発売されました。特に、レインボーマンの変身後の姿を模したフィギュアや、主題歌を収録したレコード、絵本などが子供たちの間で人気を博しました。これらのグッズは、作品の世界観を家庭でも楽しめるようにすることで、ファン層の拡大に寄与しました。
■ メディアでの取り上げと評価
当時のアニメ雑誌やテレビ情報誌では、本作の特集記事が組まれるなど、メディアでの露出も多くありました。特に、特撮版との比較や、アニメ版独自の要素についての解説が多く見られ、視聴者の興味を引きました。また、主題歌やキャラクターの魅力についての評価も高く、作品の人気を支える要因となりました。
●関連商品のまとめ
■ アクションフィギュア・ソフビ人形
アニメ版の特徴である「7つの化身(ダッシュ1~7)」を再現したアクションフィギュアやソフビ人形が販売されました。各化身の特徴的なカラーリングや能力を反映したデザインで、子供たちの間で人気を博しました。
■ 合体ロボット「レインボーセブン」
アニメ版で登場する巨大ロボット「レインボーセブン」は、玩具としても商品化されました。レインボーマンの7つの化身が合体するギミックを再現し、変形・合体遊びが楽しめる仕様となっていました。
■ プラモデル・ロボット玩具
アニメ版で登場する巨大ロボット「レインボーセブン」は、プラモデルとしても商品化されました。1/100スケールの組み立て式モデルは、各部位の色分けや可動ギミックが施され、完成度の高い仕上がりとなっていました。また、合金製のレインボーセブンも販売され、重量感と耐久性を兼ね備えた高級志向のアイテムとしてコレクターからの支持を得ていました。
■ プラモデル・ミニカー
敵組織「死ね死ね団」のメカや、レインボーマンの乗り物などもプラモデルやミニカーとして商品化され、コレクターアイテムとしても人気がありました。
■ テレビ絵本・児童向け書籍
小学館などから、アニメのストーリーやキャラクターを紹介するテレビ絵本や児童向け書籍が刊行されました。これらの書籍では、レインボーマンの変身シーンや必殺技、敵キャラクターの紹介などがカラーイラストで描かれ、子供たちの興味を引きました。
■ ムック本・設定資料集
アニメの設定資料や制作裏話を収録したムック本も発売され、ファンやコレクターの間で注目されました。これらの書籍では、キャラクターデザインやメカニックデザインの詳細、スタッフインタビューなどが掲載され、作品の世界観を深く知ることができました。
■ シングルレコード・ソノシート
主題歌「行け!レインボーマン」や挿入歌「ヤマトタケシの歌」などが収録されたシングルレコードが発売されました。これらは、ジャケットにアニメのイラストやキャラクター写真が使用され、視覚的にもファンを楽しませる仕様となっていました。また、朝日ソノラマからは、物語の朗読や音楽が収録されたソノシートも販売され、物語を音で楽しむ新たな体験を提供しました。
■ 雑誌連載・コミカライズ
アニメの放送に合わせて、漫画雑誌でのコミカライズ連載も行われました。これにより、アニメとは異なる視点やストーリー展開を楽しむことができ、ファン層の拡大に寄与しました。
■ ステーショナリー
ノート、鉛筆、消しゴム、下敷きなど、学校で使用する文房具にもレインボーマンのデザインが施された商品が多数登場しました。これらは、子供たちの日常生活に自然とレインボーマンを取り入れることができるアイテムとして人気を集めました。
■ 衣料品・アクセサリー
Tシャツや帽子、リュックサックなど、レインボーマンのロゴやキャラクターがプリントされた衣料品も販売されました。これにより、ファンは自分の好きなキャラクターを身に着けることで、自己表現の一環として楽しむことができました。
■ カードとシール
アマダや天田製のトレーディングカードやシールも、本作の関連商品として人気を博しました。これらのアイテムは、キャラクターのイラストや名場面を収めたもので、コレクション性が高く、当時の子供たちの間で交換や収集が盛んに行われました。現在でも、オークションサイトなどで取引されており、希少価値の高いアイテムとして扱われています。
●現在購入可能な人気売れ筋商品です♪
愛の戦士レインボーマンVOL.5 [ 水谷邦久 ]





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