
【中古】[DC] ペンペン トライアイスロン(PeN PeN TriIcelon) ゼネラル・エンタテイメント (19981127)
【メーカー】:ゼネラル・エンタテイメント
【発売日】:1998年11月27日
【販売価格】:5,800円
【メディア】:GD-ROM
【ゲームジャンル】:レースゲーム
●概要
■ドリームキャスト黎明期を彩ったカオスな“氷上レース”
1998年11月27日、セガが満を持して送り出した次世代機「ドリームキャスト」と共に発売された4本のローンチソフト。その中でも、異彩を放つビジュアルとシステムで人々の目を引いたのが、この『ペンペン トライアイスロン』である。
可愛らしくも奇妙な「ペンペン」と呼ばれる生物たちが、走る・泳ぐ・滑るといった三種の競技を駆使しながら、独自のフィールドで順位を競い合う本作は、まさに“南極版マッドレース”とも言うべき独創的なタイトルだった。
■走って、泳いで、滑りまくれ!―三位一体のアクション競技
本作の大きな魅力は、「トライアイスロン」というユニークなルール構成にある。一つのレースに「走行」「水泳」「氷上スライド」といった三つの動作が連続して登場し、シームレスに切り替えながら進んでいく。
単純な操作ながらも、それぞれのモードで操作感が大きく異なるのがポイントだ。走りでは地形の起伏を活かしたジャンプ、水中では加速と方向転換のバランスが求められ、滑走時には体の重心移動やスピードコントロールがカギを握る。
加えて「ころぶ」「挑発」「怒る」といったコミカルなアクションが自由に出せることで、レースにアクセントを与えてくれる。単なるスピード勝負にとどまらず、“魅せるレース”という側面が色濃く打ち出されている点が独特だ。
■ステージはトリッキーの宝庫! 仕掛け満載のコース設計
『ペンペン トライアイスロン』のコースは、いわゆる“リアル志向”とは無縁の、アニメ的でファンタジーな空間が特徴。南極の氷原を思わせるステージから、火山帯、植物のジャングル、未来都市のような場所まで、バリエーション豊富なフィールドが展開される。
各コースには“妨害ギミック”が多く仕込まれており、巨大な風車がプレイヤーを吹き飛ばすトラップや、突然出現する障害物、ランダムに変化する床などが用意されている。これらはランダム要素も強く、純粋な操作スキルだけでは勝ち抜けない波乱の要素も盛り込まれている。
まさに、予測不能のカオスレースが展開されるのがこのゲームの真骨頂だ。
■操作可能キャラクターは“南極のクセ強猛獣”たち!
このゲームの顔とも言える「ペンペン」たちは、どれもペンギン風の姿ながら、それぞれに強烈な個性と特技を持っている。個性派揃いの全8体のプレイヤーキャラは、見た目も中身もインパクト抜群。
主な登場キャラ(声優付き):
★スパーキー(声優:小桜エツ子):元気で愛され系、オールラウンド性能。
★ティナ(声優:阪口あや):おしゃれな女の子タイプ、俊敏性が高い。
★バック(声優:田中冬星):クールでニヒル、バランスの取れたスペック。
★Mr.バウ(声優:バカボン鬼塚):ひょうきんキャラ、重量型で安定感。
★バレリー(声優:佐々木るん):セレブ風の美貌担当、スピード特化。
★スニーク(声優:松尾貴司):ちょっと卑怯でトリッキーな行動が可能。
★ジョー(声優:鈴木英一郎):オーソドックスな性能で初心者向け。
★ハナミズ(声優:八戸優):クセのある動きでテクニカルな上級者向け。
どのキャラクターも一癖も二癖もあり、見た目だけでなく性格や性能、さらには“声の演技”までプレイ体験に影響を与える作りとなっているのが魅力である。
■グラフィックと音楽が生む、奇妙でキュートな空間演出
セガの最新ハード「ドリームキャスト」らしく、グラフィック面では当時としては非常に鮮やかで滑らかな描画を実現。キャラクターの動きはアニメーションのように滑らかで、コミカルな演出と相まって視覚的にも飽きさせない作りだ。
また、BGMは各ステージの個性にマッチしたコミカルかつリズミカルな楽曲で構成されており、テンションの高いゲーム展開を引き立てている。ゲーム中にキャラクターたちが発する声や掛け声も豊富で、まるで賑やかなお祭り騒ぎのようなレースを演出する。
■最大4人対戦対応! 家庭用パーティーゲームとしてのポテンシャル
本作は、最大4人までの同時対戦プレイが可能。ドリームキャスト本体と一緒に購入したプレイヤーが友人や家族と一緒に遊べるよう設計されており、対戦中のわちゃわちゃ感や妨害の応酬が魅力となっている。
また、妨害行動やトリックアクションなどを駆使して、単なるスピード勝負ではなく心理戦が加わることで、毎回異なる展開が生まれるのも大きな魅力。子どもから大人まで楽しめるバランスが絶妙で、当時は「お正月に家族で遊んだ」「友達と徹夜でレースした」という声も多かった。
■発売当時の反響と評価:期待と困惑の交差点
ドリームキャストのローンチと同時に登場したこともあり、当時のゲーム雑誌やメディアでは大きく取り上げられた。ビジュアルのインパクト、キャラクターの奇抜さ、ルールの斬新さは評価されつつも、「対象年齢が読めない」「ゲーム性が尖りすぎていて戸惑う」といった評価の分かれたタイトルでもあった。
特に『ファミ通』では、「アイデアは面白いが、操作性にクセがある」とのレビューが掲載され、合計29点(40点満点)という中堅評価にとどまった。一方で、キャラクターの人気は高く、非公式のファンサイトやイラスト投稿なども活発だった。
■今なお語られる理由:パーティーゲームの隠れた異端児
時代が進んだ現在でも、『ペンペン トライアイスロン』は、ドリームキャストのローンチを彩った“変わり種”として、レトロゲーマーの間で語り継がれている。
「唯一無二の操作感だった」
「意味不明だったけど、それが逆に面白かった」
「ペンペンたちのキャラが忘れられない」
といった声が根強く、近年では配信者がプレイする姿が動画サイトに投稿されることで、新たな注目を浴びている。パーティーゲームとカオスなアクションの融合というジャンルの祖として、再評価されつつある作品である。
■まとめ:南極からやってきた異色のマスコットレーサーたち
『ペンペン トライアイスロン』は、その見た目の可愛さと、操作・展開のカオスさが絶妙に混在する“異端の良作”だった。万人向けではないかもしれないが、強烈なインパクトと記憶に残る楽しさを兼ね備えた作品として、ドリームキャスト初期の歴史を語るうえで外せない一本である。
個性豊かなキャラクターと、他に類を見ないレースシステムによって、今もなお色あせないユーモアと熱狂を残している。奇妙で滑稽、でもどこか心惹かれる――そんな“ペンペンワールド”に、今一度飛び込んでみてはいかがだろうか。
●ゲームの魅力とは?
■トライアイスロンとは何か? ─ ジャンルを越える三段変化アクション
本作のタイトルにもある「トライアイスロン」とは、「走る」「泳ぐ」「滑る」という三つのアクションを一つの競技に組み込んだゲームルールのこと。それぞれに異なる物理挙動と操作性が設定されており、プレイヤーはシーンごとに瞬時に対応を求められる。
走りはジャンプや回避など地形を利用するタイミングゲー。
泳ぎでは水流とバランスを読みながら進む技術戦。
滑りは慣性が重視され、スピードと操作精度の調和が必要。
これらがテンポよく切り替わることで、単調になりがちなレースゲームに変化と緊張感を与えており、まさに“プレイヤーを飽きさせない三拍子揃った設計”が最大の魅力となっている。
■クセ強キャラの集合体:プレイアブル8体の存在感がスゴい!
プレイヤーが操作するのは「ペンペン」と呼ばれる謎の生命体たち。ペンギンをベースにしたコミカルなデザインだが、いずれも強烈な個性を放っている。彼らの挙動・表情・ボイスがとにかく濃い!
スパーキーは陽気でアクティブ、初期キャラにふさわしい万能型。
ティナはスタイル抜群のおしゃれガールで、軽快な操作感。
Mr.バウは重量級でパワフルだが、トリッキーな動きもこなす。
キャラクターの個性は見た目や台詞だけでなく、性能や操作感にも反映されており、「誰を使うか」でプレイ感が大きく変わる。この“体感の変化”こそが、リプレイ性を高める重要なファクターとなっている。
■アクションの“無駄の美学”:ジャンプ・怒り・挑発が生むドラマ
本作には、レースの直接的な勝敗には関わらない“感情表現アクション”が豊富に用意されている。
ころぶ:勢い余ってバランスを崩すリアクション。
怒る:ムッとした表情でバウンドが激しくなる演出。
挑発:後続キャラを煽るしぐさ。
これらの動作は、レース進行において“最速を目指す”という目的に直結していないが、プレイヤーにとっては笑いと演出のスパイスとなり、記憶に残るレース展開を演出してくれる。
特に多人数プレイ時には、「誰かがわざと挑発していたせいで滑落」「怒った拍子に壁に激突」など、ゲームそのものより“笑えるドラマ”が主役になることも珍しくない。
■ステージ構成の魅力:トラップ満載、まさに氷上のバラエティショー
コースデザインは非常にバラエティ豊かで、単なるレース場というよりミニテーマパークのような設計がされている。氷の滑り台、巨大風車、火山地帯、植物ジャングルなど、コースによって世界観がガラリと変わる。
また、「妨害装置」や「突然の仕掛け」が頻繁に登場し、ルートを熟知しているだけでは攻略できない場面も多い。ステージの学習と即応能力の両方が試される点が、プレイヤーにとって大きなやりがいとなっている。
■4人同時プレイの狂騒:パーティーゲームとしての完成度
本作は最大4人同時プレイに対応しており、ここがこのゲームの真の爆発力を発揮するポイントである。タイムアタックやCPU対戦ももちろん可能だが、やはり本作は「笑いながら友達とプレイしてこそ輝く」。
プレイヤー同士の妨害や妨害による大混戦、突然の逆転劇などが常に起こりうる構造のため、「勝った」「負けた」以上に“笑った”記憶が残るゲーム体験が提供されるのが最大のアピールポイントだ。
■見た目のポップさに反するテクニカルな操作性
『ペンペン トライアイスロン』は一見すると子供向けに見えるビジュアルだが、実際にはステージごとの地形、滑走時の慣性制御、ジャンプのタイミング調整など、意外にテクニカルな要素が多い。
特に滑りパートでは、スピードを出し過ぎると曲がれず、遅すぎると他のプレイヤーに抜かれるジレンマがあり、絶妙な操作感が求められる。“上手い人はとことん速くなる”スキル型レースゲームとしての側面も持っているのだ。
■賛否がぶつかり合った発売当初の評価
発売当時の評価は、まさに「賛否両論」の一言に尽きる。
「センスが独特すぎる」
「ペンギンの見た目なのに声が人間すぎて怖い」
「仕掛けが多すぎて疲れる」
といった戸惑いや困惑の声もあれば、
「あの狂気がクセになる」
「笑いながら遊ぶゲームとして最高」
「友達と騒ぐにはもってこいの一本」
といったポジティブな反応も多く、特にローカル対戦を重視するプレイヤーからは熱狂的な支持を受けていた。
■再評価の機運と現在のファン活動
レトロゲームの価値が見直されている昨今、『ペンペン トライアイスロン』も再評価の機運にある。特に動画配信やレトロゲーマーのレビューによって「これはもっと注目されるべきだったタイトル」と語られることが増えている。
SNSやYouTubeには、プレイ動画・キャラクター解説・コース攻略などを扱う投稿も多く、独特なキャラデザインとゲーム性が現代の感覚でも新鮮に映っているようだ。
■総評:ヘンテコだからこそ面白い。唯一無二の異端派レースゲーム
『ペンペン トライアイスロン』は、一般的なレースゲームの枠には収まりきらない、“ジャンルを笑いでねじ曲げた”ような怪作である。しかしその中には、緻密に設計された操作系統、ステージ構成、キャラクター性など、作り手の愛情と工夫が詰まっている。
一人で攻略するも良し、仲間と大騒ぎするも良し。ゲームとしての完成度だけでなく、記憶に残るエンタメ体験を提供する“思い出製造マシン”とも言える本作は、もっと多くの人に遊ばれていいタイトルだ。
●感想や評判
■操作性とゲーム性
多くのプレイヤーが操作性の良さを評価しています。特に、ストロークボタンをタイミングよく押して前進するシステムは、シンプルながらも奥深い操作感を提供しています。また、アタックボタンを使った他のペンペンへの妨害も戦略性を高めています。
■グラフィックと音楽
グラフィックについては、発売当時としては及第点との評価が多く、半透明処理などの技術が使用されている点が好評です。音楽はポップでノリの良いBGMが多く、プレイヤーのテンションを上げる要素となっています。
■難易度とスピード感
一方で、レースゲームとしてのスピード感に欠けるとの指摘もあります。特に「走り」パートでは、他のパートに比べてスピード感が乏しく、テンポが悪く感じられることがあるようです。
■世間の評価とメディアの反応
発売当初は、ドリームキャストのローンチタイトルとして注目されましたが、他の大作タイトルに比べると地味な存在でした。しかし、独特のキャラクターデザインやゲームシステムが一部のファンから高く評価され、隠れた名作として語り継がれています。
■総合的な評価
『ペンペン トライアイスロン』は、ユニークなキャラクターと独自のゲームシステムで、他のレースゲームとは一線を画す作品です。操作性や音楽など、多くの点で高評価を受けていますが、スピード感やテンポに関しては改善の余地があるとの意見もあります。それでも、家族や友人と楽しめる対戦ゲームとして、今なお一定の支持を得ている作品です。
●イベントやメディア展開など
■ドリームキャストのローンチタイトルとしての位置づけ
『ペンペン トライアイスロン』は、ドリームキャストの発売と同時にリリースされたタイトルの一つであり、次世代機の性能をアピールする役割を担っていました。そのため、発売前から各種メディアでの露出が行われ、ゲーム雑誌やテレビ番組での紹介が積極的に行われました。
■キャラクターを前面に押し出した広告展開
本作の特徴である個性的なキャラクターたちは、広告や販促物でも前面に押し出されました。特に、ペンギンをモチーフにしたキャラクターたちのユニークなデザインは、子供から大人まで幅広い層の興味を引きました。
■店頭イベントと体験会の実施
発売直後には、全国のゲームショップや家電量販店で体験会が開催されました。実際にゲームをプレイできるこれらのイベントは、多くの来店者を集め、ゲームの魅力を直接伝える場となりました。
■メディアでの取り上げとレビュー
ゲーム雑誌やテレビ番組では、本作のレビューや特集が組まれました。その中で、独特のゲーム性やキャラクターの魅力が評価される一方で、操作性やゲームバランスに対する意見も見られました。
■サウンドトラックやグッズの販売
ゲームのBGMやキャラクターの人気を受けて、サウンドトラックCDや関連グッズが販売されました。これらの商品は、ファンアイテムとして一定の需要がありました。
■雑誌とのコラボレーション
一部のゲーム雑誌では、本作の特集記事や攻略情報が掲載され、読者プレゼントとしてグッズが提供されるなど、コラボレーションが行われました。
●中古市場での現状
■Yahoo!オークション:
中古品が約290円から出品されており、平均的な落札価格は約666円となっています。
■メルカリ:
出品価格は490円から2,780円程度で、商品の状態や付属品の有無によって価格が変動しています。
■ブックオフ:
オンラインストアでは990円で販売されていましたが、現在は在庫切れとなっています。
■駿河屋:
中古品が1,130円で販売されており、在庫状況によって価格が変動する可能性があります。
●本や雑誌での評価
★『ドリームキャストマガジン』1998年12月号
販売会社: ソフトバンクパブリッシング
販売年: 1998年
販売価格: 580円
内容: ドリームキャストのローンチタイトルとして『ペンペン トライアイスロン』を特集。ゲームの基本的な操作方法やキャラクター紹介、コースの特徴などを詳しく解説。
★『週刊ファミ通』1998年12月4日号
販売会社: アスキー(現:KADOKAWA)
販売年: 1998年
販売価格: 350円
内容: 新作ゲームレビューコーナーで『ペンペン トライアイスロン』を紹介。ゲームの独自性やグラフィックの美しさ、操作性の良さなどを評価。
★『電撃PlayStation』1998年12月11日号
販売会社: メディアワークス(現:KADOKAWA)
販売年: 1998年
販売価格: 480円
内容: ドリームキャスト特集の一環として『ペンペン トライアイスロン』を取り上げ、ゲームの魅力や開発背景、開発者インタビューなどを掲載。