『ヴァリスII』（PCエンジン）を振り返りましょう

【メーカー】：日本テレネット
【発売日】：1989年6月23日
【販売価格】：6,780円
【メディア】：CD-ROM
【ゲームジャンル】：アクションゲーム

[game-1]

●概要

​1989年6月23日、日本テレネットはPCエンジン（CD-ROM²）向けにアクションゲーム『ヴァリスII』をリリースしました。​本作は前作『夢幻戦士ヴァリス』の続編であり、女子高生・麻生優子を主人公として、異世界の危機に立ち向かう物語が展開されます。​CD-ROM²の特性を活かした豊富なビジュアルシーンや、前作から進化したゲームシステムが特徴です。​

物語のあらすじ：新たなる脅威への挑戦
前作で魔王ログレスを打ち倒した優子は、平穏な日常を取り戻していました。​しかし、異世界ヴェカンティでは新たな支配者・幻夢皇帝メガスが台頭し、再び混乱が訪れます。​優子は親友・麗子の導きにより、再びヴェカンティへと旅立ち、メガスの野望を阻止する使命を担います。

ゲームシステム：シンプルかつ奥深いアクション
プレイヤーは優子を操作し、横スクロール形式のステージを進行します。​基本操作は方向キーでの移動、Ⅰボタンでのジャンプ、Ⅱボタンでの攻撃となっており、シンプルながらも多彩なアクションが可能です。​また、方向キーの下入力でしゃがむことができ、敵の攻撃を回避する際に有効です。 ​
ステージ上には様々なアイテムが配置されており、これらを取得することで武器の強化や体力の回復が可能です。​特に武器アイコンを取ることで、優子の攻撃方法が変化し、エネルギー弾の形状や威力が向上します。​これにより、プレイヤーは状況に応じた戦略的なプレイが求められます。 ​

CD-ROM²の特性を活かしたビジュアルシーン
本作の大きな特徴として、ステージ間に挿入されるビジュアルシーンが挙げられます。​これらのシーンはフルボイスで展開され、物語の進行やキャラクターの心情を深く描写しています。​特に、主人公・優子の声は声優・島本須美氏が担当しており、その演技がゲームの没入感を高めています。 ​
これらのビジュアルシーンは、CD-ROM²の大容量を活用したものであり、当時のゲームとしては画期的な試みでした。​プレイヤーはアニメーションと音声によって、より深い物語体験を得ることができます。​

ステージ構成と難易度バランス
ゲームは全6ステージで構成されており、各ステージは異なるテーマや敵キャラクターが登場します。​ステージの構造は比較的シンプルで、複雑な迷路要素は排除されています。​これにより、プレイヤーはアクションに集中しやすくなっています。 ​
難易度はステージが進むごとに上昇し、特に後半のステージでは敵の攻撃パターンが多彩になり、プレイヤーのスキルが試されます。​しかし、適切な武器の選択やアイテムの活用により、攻略の糸口を見つけることが可能です。​

他機種版との違いと特徴
『ヴァリスII』はPCエンジン版以外にも、PC-8801、MSX2、PC-9801、X68000などのパソコン向けにもリリースされています。​これらのバージョンでは、ゲームシステムやシナリオ展開に若干の違いが見られます。​例えば、パソコン版ではマップに迷路要素が含まれていましたが、PCエンジン版ではこれが排除され、より直感的な横スクロールアクションとなっています。 ​
また、PCエンジン版ではCD-ROM²の特性を活かしたビジュアルシーンが豊富に盛り込まれており、これが他機種版との大きな差別化要素となっています。​さらに、PC版で追加された着せ替えシステムは、PCエンジン版では採用されていません。​

まとめ：『ヴァリスII』の魅力とその後の影響
『ヴァリスII』は、前作からの進化を遂げたゲームシステムと、CD-ROM²の特性を活かしたビジュアルシーンにより、多くのプレイヤーに支持されました。​特に、フルボイスで展開される物語は、当時のゲームとしては斬新であり、プレイヤーに深い印象を与えました。​
本作の成功は、以降のシリーズ作品や他のゲームタイトルにも影響を与え、ゲームにおけるストーリーテリングの重要性や、ビジュアルと音声を組み合わせた演出の可能性を示すものとなりました。

[game-2]

●ゲームの魅力とは？

進化したゲームシステムと操作性
『ヴァリスII』は、前作からの大きな進化として、ゲームシステムの改良が挙げられます。​特に、PC版に存在していた複雑な迷路要素が排除され、オーソドックスな横スクロール型アクションゲームとして再構築されています。​これにより、プレイヤーは直感的でスムーズな操作が可能となり、ゲームプレイのテンポが向上しました。​また、敵キャラクターの配置や攻撃パターンも練り直され、適度な難易度とやりごたえを提供しています。​

多彩な武器と魔法システム
本作では、主人公・優子が使用する武器や魔法が多彩に用意されています。​ゲーム内で特定のアイテムを取得することで、エネルギー波や追尾ミサイル、拡散弾など、さまざまな攻撃方法を選択でき、戦略的なプレイが求められます。​さらに、魔法も複数種類存在し、状況に応じて使い分けることで、戦闘を有利に進めることが可能です。​これらの要素が、ゲームの深みとリプレイ性を高めています。​

CD-ROM²の特性を活かしたビジュアルとサウンド
『ヴァリスII』の最大の特徴の一つは、CD-ROM²の大容量を活用した高品質なビジュアルシーンとサウンドです。​ステージ間には、フルボイスのアニメーションが挿入され、物語の臨場感やキャラクターの感情を豊かに表現しています。​特に、主人公・優子の声を担当した声優・島本須美氏の演技は、多くのプレイヤーから高い評価を受けました。​また、ゲーム内のBGMも力強く、各ステージの雰囲気を盛り上げる要素となっています。​

ストーリーの深化とキャラクターの魅力
本作では、前作から続く物語がさらに深化し、主人公・優子の新たな試練や成長が描かれています。新たな敵キャラクターや仲間たちとの出会いを通じて、プレイヤーは優子の心情や葛藤をより深く理解することができます。これにより、ゲームプレイだけでなく、物語そのものへの没入感も高まっています。​

当時の評判と影響
『ヴァリスII』は、発売当時、CD-ROM²の可能性を示す作品として、多くのゲームファンやメディアから注目されました。特に、ビジュアルシーンやフルボイスの導入は、ゲームの新たな表現方法として高く評価されました。一方で、敵キャラクターの耐久力や攻撃パターンに関して、一部のプレイヤーからは難易度が高いとの意見も寄せられました。しかし、総じて『ヴァリスII』は、アクションゲームとしての完成度と、物語性の高さから、多くのファンに支持される作品となりました。​

[game-3]

●感想や評判

ユーザーの反応と感想
『ヴァリスII』は、当時のプレイヤーから多くの意見が寄せられました。​特に、CD-ROM²の特性を活かしたビジュアルシーンやフルボイスの演出は、高い評価を受けています。​一方で、ゲームプレイに関しては、以下のような感想が見られました。​
敵キャラクターの耐久力と攻撃性：​道中の雑魚敵が高い耐久力を持ち、積極的に攻撃してくるため、処理が難しいと感じるプレイヤーが多かったようです。特に、武器レベルが低い場合、敵の対処が困難であるとの声がありました。 ​
ボス戦の難易度：​道中の難易度に比べ、ボス戦は比較的容易であると感じるプレイヤーもいました。特にラスボスのメガスに関しては、第二形態の方が弱いという意見も見受けられます。 ​
武器の選択と戦略：​カッターやホーミングといった武器が道中の攻略に有効であると評価されています。カッターは一部の敵弾を消すことができ、ホーミングは追尾性能により雑魚敵の処理が楽になるとのことです。 ​

世間の評価
『ヴァリスII』は、CD-ROM²の特性を活かしたビジュアルや音声演出が注目され、当時のゲームファンから高い関心を集めました。​特に、ビジュアルシーンの美しさやフルボイスによる演出は、ゲームの新たな可能性を示すものとして評価されています。​一方で、ゲームプレイに関しては、敵の耐久力や攻撃性、難易度設定などに対する意見が分かれる部分もありました。​

メディアやゲーム雑誌での評価
当時のゲーム雑誌やメディアでも『ヴァリスII』は取り上げられ、以下のような評価がなされていました。​
ビジュアルと音声演出：​CD-ROM²の大容量を活かしたビジュアルシーンやフルボイスの導入は、ゲームの新たな表現方法として高く評価されました。​
ゲームシステムの改良：​前作からの迷路要素の排除や、オーソドックスな横スクロールアクションへの変更は、プレイヤーにとって遊びやすいものとなり、好評を博しました。​
難易度に関する指摘：​一部のメディアでは、敵キャラクターの耐久力や攻撃性が高く、道中の難易度が高いと指摘されていました。

[game-4]

●イベントやメディア展開など

店頭デモの実施
発売に先立ち、多くのゲームショップや家電量販店では『ヴァリスII』の店頭デモが行われました。​特に、SHARP X68000版の店頭デモは注目を集め、多くの来店者が足を止めてプレイ映像を楽しんでいました。​これにより、ゲームの高品質なグラフィックやサウンドが広く知られることとなり、発売前から期待が高まりました。​

雑誌広告と特集記事
当時のゲーム雑誌では、『ヴァリスII』の広告が多数掲載され、特集記事も組まれました。​これにより、ゲームのストーリーやキャラクター、システムなどの詳細が読者に伝えられ、購買意欲を刺激しました。​特に、ビジュアルシーンの美しさやフルボイスの導入といった特徴が強調され、他のゲームとの差別化が図られました。​

フィギュアの発売と再販
1989年のPC版『夢幻戦士ヴァリスII』の発売時、株式会社海洋堂から主人公・麻生優子の1/8スケールフィギュアがリリースされました。​このフィギュアは、ゲームファンやフィギュアコレクターの間で高い人気を博し、現在では入手困難なアイテムとなっています。​2022年9月22日には、Nintendo Switch用ソフト『夢幻戦士ヴァリスCOLLECTION II』の限定版に、このフィギュアの復刻版が同梱され、再び注目を集めました。 ​

復刻版の発売と記念イベント
2021年12月には、シリーズ35周年を記念して、『夢幻戦士ヴァリスCOLLECTION』が発売されました。​これに続き、2022年9月22日には『夢幻戦士ヴァリスCOLLECTION II』がリリースされ、ファンからの期待と関心を集めました。​これらの復刻版の発売に合わせて、各地で記念イベントやキャンペーンが開催され、シリーズの歴史や魅力を再確認する機会となりました。 ​

アニメーションの活用
『ヴァリスII』では、ゲーム内のビジュアルシーンに高品質なアニメーションが導入され、これがメディアでも大きく取り上げられました。​特に、フルボイスによる演出は、当時のゲームとしては革新的であり、プレイヤーから高い評価を受けました。​これにより、ゲームのストーリーテリングの新たな可能性が示され、他のゲーム開発者にも影響を与えました。​

サウンドトラックのリリース
ゲームのBGMや主題歌は、そのクオリティの高さから、多くのファンに支持されました。​これを受けて、サウンドトラックがリリースされ、ゲーム音楽としては異例の売上を記録しました。​これにより、ゲーム音楽が一つのジャンルとして確立されるきっかけとなり、以降のゲームでもサウンドトラックのリリースが一般的となりました。​

ファンイベントの開催
『ヴァリスII』の人気により、各地でファン主催のイベントが開催されました。​これらのイベントでは、コスプレコンテストやゲーム大会、トークショーなどが行われ、ファン同士の交流の場となりました。​特に、主人公・優子のコスプレは多くの参加者が挑戦し、イベントを盛り上げました。​

同人誌の発行と二次創作
ゲームのストーリーやキャラクターに魅了されたファンによって、多数の同人誌や二次創作作品が生まれました。​これらの作品は、コミックマーケットなどの同人誌即売会で頒布され、ファンコミュニティの活性化に寄与しました。​また、これらの活動を通じて、新たなクリエイターが育成されるきっかけともなりました。

[game-5]

●中古市場での現状

オークション市場での取引状況
『ヴァリスII』は、主要なオークションサイトで頻繁に取引されています。​特にYahoo!オークションでは、過去120日間に約53件の取引が確認され、平均落札価格は7,124円となっています。 ​この価格は、商品の状態や付属品の有無によって変動します。​

中古ゲームショップでの販売価格
中古ゲームショップでも『ヴァリスII』は取り扱われています。​例えば、ブックオフオンラインでは、Nintendo Switch用の『夢幻戦士ヴァリスCOLLECTION II 特装版』が7,920円（税込）で販売されています。 ​また、ゲオオンラインでは同タイトルが6,380円（税込）で販売されています。 ​これらの価格は、商品の状態や在庫状況によって変動する可能性があります。​

フリマアプリでの取引状況
フリマアプリのメルカリでも、『ヴァリスII』関連の商品が多数出品されています。​例えば、Nintendo Switch用の『夢幻戦士ヴァリスCOLLECTION』3本セットが12,000円で出品されているケースがあります。​また、PCエンジン版の『ヴァリスII』を含むセットが14,000円で取引されている例も見られます。​これらの価格は、商品の状態や出品者の設定によって異なります。

[game-6]

●本や雑誌での評価

★『PCエンジンFAN 1989年8月号』
本作の特集ページでは、序盤ステージの紹介から主要キャラクターのビジュアル解説、CD-ROM²によるアニメーション演出の驚きまでが丁寧に解説されていました。麻生優子の変身シーンの静止画カットや、宿敵メガスの登場演出にページを割き、「アニメを見るように進むアクション」と銘打たれていました。また、読者プレゼントでは「特製ヴァリスクリアファイル」が抽選で当たる企画も同時掲載。
販売会社：徳間書店
発売年：1989年8月
販売価格：390円（税込）

★『マル勝PCエンジン 1989年7月号』
演出と音楽の両面で高評価を受け、「PCエンジンのCD-ROM²時代を告げる一作」とも紹介。特に、演者のセリフ回しや主人公の成長物語に注目した論評が掲載されており、ゲーム内のビジュアル演出は「まさに映像作品の領域」と評価されました。
販売会社：角川書店（現KADOKAWA）
発売年：1989年7月
販売価格：350円（税込）

★『ファミコン通信 1989年7月14日号』
CD-ROM²特集の一環として『ヴァリスII』が紹介され、レビュアーのコメントでは「ゲームというよりアニメ体験」との評価があり、ストーリー構成・キャラクター性が特に評価されていました。ページ末には当時のPCエンジン推奨ソフトとしても紹介されており、「テレネットの本気が見える」とも記されています。
販売会社：アスキー出版（現・KADOKAWA）
発売年：1989年7月
販売価格：350円（税込）

★『電撃PCエンジン 創刊号（1989年秋）』
新創刊に合わせて、CD-ROM²注目タイトルとして『ヴァリスII』の大特集が組まれました。カラー見開きで、キャラクター相関図・魔剣ヴァリスの来歴・各ステージの地形マップなどを一挙掲載。開発スタッフのインタビューも収録されており、「声優の収録現場ではまるでアニメのアフレコのような緊張感だった」といった制作裏話も披露されました。
販売会社：メディアワークス
発売年：1989年10月
販売価格：480円（税込）

★『夢幻戦士ヴァリスII パーフェクトガイドブック』
本作の攻略を完全網羅したガイド本。全6ステージのマップ掲載、ボス攻略、パワーアップアイテムの位置まで徹底解析。さらに、キャラ設定資料、ラフスケッチ、声優陣のコメントも盛り込まれ、ファンにとってはコレクターズアイテムのような内容でした。巻末には“幻のビジュアルシーンラフ原画”も収録。
販売会社：徳間書店インターメディア
発売年：1990年初頭
販売価格：880円（税込）

★『マイコンBASICマガジン』1989年8月号
出版社：​電波新聞社
発売年：​1989年
価格：​500円
内容：​本号では、『ヴァリスII』の特集記事が組まれ、ゲームのストーリー概要、主要キャラクターの紹介、ゲームシステムの解説が掲載されました。特に、CD-ROM²の特性を活かしたビジュアルシーンや音声演出について高く評価されています。​
ささじ

★『ログイン』1989年9月号
出版社：​アスキー出版
発売年：​1989年
価格：​550円
内容：​本号では、『ヴァリスII』のレビュー記事が掲載され、ゲームのグラフィックやサウンド、操作性について詳細な分析が行われています。特に、前作からの進化点や、他の同時期のゲームとの比較が興味深い内容となっています。​

★『コンプティーク』1989年10月号
出版社：​角川書店
発売年：​1989年
価格：​600円
内容：​本号では、『ヴァリスII』の攻略特集が掲載され、各ステージの詳細なマップやボスキャラクターの攻略法、隠し要素の紹介など、プレイヤーにとって非常に有益な情報が満載です。​

★『Beep』1989年11月号
出版社：​ソフトバンク
発売年：​1989年
価格：​500円
内容：​本号では、『ヴァリスII』の開発者インタビューが掲載され、ゲーム制作の裏話や、開発中のエピソード、今後のシリーズ展開についての言及など、ファン必見の内容となっています。

[game-7]

●現在購入可能な人気売れ筋商品です♪

[game-12]

[game-sita]