
【中古】ワンワン三銃士 BOX [DVD]
【アニメのタイトル】:ワンワン三銃士
【原作】:アレクサンドル・デュマ・ペール
【アニメの放送期間】:1981年10月9日~1982年3月26日
【放送話数】:全24話
【監督】:杉山卓、腰繁男
【シリーズ構成】:木村芳弘
【脚本】:杉山卓、中原朗、木村芳弘
【キャラクターデザイン】:関修一
【音楽】:服部克久
【作画監督】:小川隆雄
【美術監督】:伊藤主計
【絵コンテ】:杉山卓、腰繁男、黒川文男、鈴木行、馬場健、西藤秀峰
【製作】:日本アニメーション、B.R.B. Internacional, S.A.
【放送局】:TBS系列
●概要
1981年10月9日から1982年3月26日まで、TBS系列で放送された『ワンワン三銃士』は、子どもから大人まで幅広い層に愛されたアニメ作品である。本作は、フランスの文豪アレクサンドル・デュマ・ペールが執筆した歴史冒険小説『ダルタニャン物語』、中でも最も有名な『三銃士』をモチーフにしながらも、登場人物をすべて擬人化された動物として描くという大胆なアレンジが特徴だ。
制作を手がけたのは、『フランダースの犬』や『母をたずねて三千里』など、感動的な作品群で知られる日本アニメーション。物語の骨格は原作をなぞりつつも、ユーモアと温かみを加えることで、視聴者に親しみやすい世界観を作り上げた。
■ 物語の舞台とストーリー:若きワン公爵の旅立ち
主人公はガスコーニュ地方の田舎町からフランス王国の首都パリを目指す、熱血で少し抜けた犬の青年・ダルタニヤン。彼は幼い頃から憧れていた「三銃士」になる夢を叶えるため、剣と勇気を携えて旅立つ。
パリで出会うのは、いずれも個性的な三銃士――冷静沈着なアトス、美しき剣士アラミス、怪力の陽気なポルトス。彼らとの出会いはまさに運命。最初は剣を交える場面もあったが、やがて真の友情を築き、「一人はみんなのために、みんなは一人のために」の合言葉と共に、王国の未来を左右する陰謀に立ち向かう。
敵はただの悪党ではない。策謀の達人・リシュリュー枢機卿と、その忠実な部下たちが王妃の名誉を失墜させ、国を裏から操ろうと暗躍する。果たしてダルタニヤンたちは、陰謀の網を断ち切ることができるのか――。
■ 擬人化された動物キャラクターの魅力
『ワンワン三銃士』の最大の特色は、人間の代わりに動物たちが活躍する点にある。主人公ダルタニヤンは元気で一本気な犬、アトスは落ち着きのある大型犬、アラミスは華麗な仕草の猫、ポルトスは屈強なブルドッグといった具合に、動物の特徴と性格設定が見事にリンクしている。
視覚的な親しみやすさはもちろん、それぞれのキャラクターが表情豊かに描かれ、感情移入しやすくなる工夫がなされていた。特に後半から登場するネズミの「ボム」は、完全オリジナルのキャラクターでありながら、コミカルな動きと賢さで子どもたちの人気を集めた。
■ 王道の冒険活劇にユーモアを加味した演出
本作は、クラシックな冒険活劇を土台にしながらも、動物たちによる滑稽なやりとりや、表情豊かな演技が随所に盛り込まれており、硬派すぎず親しみやすい内容に仕上がっている。剣戟シーンには緊張感がありながらも、どこか愛嬌のある演出が光っていた。
戦いだけではなく、友情や恋愛模様も織り交ぜられ、エピソードごとに笑いあり涙ありのドラマが展開される。特に王妃とダルタニヤンの心の交流は、物語の核心として印象深いものとなっている。
■ ボムの登場と作品の方向転換
シリーズ後半から登場するネズミのボムは、本作のオリジナルキャラクターとして特筆に値する。頭脳明晰で情報収集や脱出の手引きなど裏方として活躍しながらも、要所では視聴者の笑いを誘う演出がなされており、子どもたちの人気者に。
当初は原作をなぞる形でシリアス寄りのストーリーが多かったが、ボムの登場以降、より軽快なコメディ要素が増し、作品全体がテンポ良く、明るい雰囲気へと移行した。これにより低年齢層の視聴者にも支持が拡大し、ファミリー向けのアニメとしての完成度が高まった。
■ 制作スタッフと声優陣の熱意
『ワンワン三銃士』の映像美とキャラクターの豊かさは、制作陣の情熱の賜物である。日本アニメーションの丁寧な作画と、背景美術の柔らかいタッチは、ヨーロッパの情景をやさしく表現している。
声優陣も豪華で、ダルタニヤン役を演じた声優の快活な演技が作品のテンションを引き上げた。また、リシュリュー枢機卿の圧を感じさせる渋い声も印象的で、善悪の対比が音声面からも強く表現されていた。
■ 名言と名シーン:今なお語られる記憶
「一人はみんなのために、みんなは一人のために」――この言葉は本作の中核をなすモットーであり、今でも多くのファンの記憶に残っている。
例えば、仲間が危機に陥ったとき、ダルタニヤンが一人で立ち向かうシーンや、三銃士が絶望的な状況の中でも互いを信じる場面など、数々の名シーンが視聴者の心を打った。
■ 放送後の評価とDVD化
本作は放送当時、学齢期の子どもたちを中心に高い人気を博し、玩具や絵本など関連商品も多数展開された。再放送の要望も多く、2005年には待望のDVD-BOXがリリースされたことで、かつてのファンのみならず、新たな世代にも再評価されるきっかけとなった。
今でもネット上では「子どもの頃に夢中になった」「友情の大切さを教えてくれたアニメ」といった声が数多く寄せられており、ノスタルジーと共に語り継がれている。
■ まとめ:時代を超えて愛される冒険譚
『ワンワン三銃士』は、古典文学の精神をアニメという媒体で優しく、かつ力強く描き出した希有な作品である。単なるアクション物語ではなく、「正義」「信頼」「絆」といった普遍的なテーマを、動物たちの姿を通して親しみやすく届けてくれた。
そのメッセージは40年以上経った今でも色褪せず、現代の子どもたちにも伝えたい価値を持っている。再放送や配信などで、再びその魅力に触れられる機会が訪れることを願ってやまない。
●あらすじ
■ ガスコーニュの田舎から旅立つ熱血青年ダルタニヤン
時は17世紀、フランスがヨーロッパの中心として輝いていた華やかな時代。フランス南部・ガスコーニュ地方の小さな村に暮らす若者ダルタニヤンは、勇敢で情熱に満ちた犬の青年。剣の腕を磨くための修行を終え、父の命により一人で大都会パリへと旅立つ。目的はただひとつ――偉大な近衛銃士となること。
憧れの地・パリに降り立ったダルタニヤンは、国王ルイ13世の直属部隊である近衛銃士隊に志願する。しかし、彼の年齢や未熟さを理由にすぐには入隊を認められず、失意の中で孤独な時間を過ごすことに。
だが、そこで彼の運命を大きく変える出会いが待っていた。
■ 三銃士との出会い――剣が結んだ真の友情
パリで出会ったのは、近衛銃士隊でも伝説的な腕前を誇る三人の勇士――アトス、アラミス、ポルトス。それぞれ異なる性格を持ち、冷静沈着なアトス、美と知性を兼ね備えたアラミス、力自慢で陽気なポルトスは、まさに三銃士と称されるにふさわしい面々であった。
初対面では、誤解から彼らに次々と決闘を申し込むというおっちょこちょいなダルタニヤンだったが、その誠実さと剣の才能が次第に三人に認められ、やがて「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という言葉を合言葉に、深い絆で結ばれていく。
そして、この友情こそが、フランスを揺るがす大事件へと立ち向かう原動力となっていくのだった。
■ 王国を揺るがす陰謀の幕開け
華やかな宮廷の裏では、暗雲が立ち込めていた。国王の信頼を受ける一方で、裏では権力を掌握しようと目論むリシュリュー枢機卿が、王妃アンヌの名誉を貶める陰謀を仕掛けていたのだ。
王妃が密かにイギリスのバッキンガム公爵に贈ったダイヤの首飾り。その存在を利用し、リシュリューは王妃が祖国に背いたというスキャンダルを捏造しようとしていた。もしこの計画が成功すれば、王妃の信用は失墜し、王政の基盤は大きく揺らぐことになる。
この陰謀を察知した三銃士とダルタニヤンは、真実を明らかにするため、危険な旅へと身を投じることになる。時には命を賭けての決闘、時には知恵を絞った潜入劇――さまざまな困難が彼らを待ち受けていた。
■ ミレディとの対峙と、若者の成長
この物語の中で強烈な存在感を放つのが、美貌と冷酷さを兼ね備えた謎の女スパイ・ミレディだ。彼女はリシュリューの忠実な手先として暗躍し、ダルタニヤンたちの前にたびたび立ちはだかる。彼女との駆け引きや裏切りを通じて、ダルタニヤンは剣士としてだけでなく、人としても成長していく。
一方、王妃の名誉を守るため、三銃士とダルタニヤンは限られた時間の中で首飾りを取り戻すべく、イギリスへと密命の旅に出る。嵐や敵の妨害、裏切り者の存在など、数々の試練が待つ中でも、彼らは決して諦めなかった。
■ 信念と友情が導く結末へ
数々の冒険を経て、ついにリシュリューの陰謀を暴き、王妃の名誉を守り抜いたダルタニヤンたち。この勝利の陰には、ただの剣技ではなく、仲間を信じる心と、正義を貫こうとする信念があった。
やがてダルタニヤンは、自身の未熟さを乗り越え、真の銃士として成長していく。そして三銃士とともに、再び祖国の平和を守るため、次なる任務に備えるのであった。
●登場キャラクター・声優
●ダルタニヤン
声優:間嶋里美
ガスコーニュ地方からパリへ上京した若き剣士。情熱的で正義感が強く、近衛銃士隊への入隊を目指して奮闘する。
●アトス
声優:野島昭生
三銃士のリーダー格で、冷静沈着な性格。高い剣術の腕前と知性を持ち、仲間からの信頼も厚い。
●ポルトス
声優:玄田哲章
豪快で力持ちの三銃士の一人。食べることと飲むことを愛し、陽気な性格で仲間を盛り上げるムードメーカー。
●アラミス
声優:塩沢兼人
三銃士の中でも特に優雅で洗練された人物。物静かでミステリアスな雰囲気を持ち、女性からの人気も高い。
●ジュリエット
声優:潘恵子
王妃の侍女で、ダルタニヤンの恋の相手。優しく聡明で、彼の冒険を陰ながら支える存在。
●フランソワ
声優:つかせのりこ
ダルタニヤンの幼馴染で、彼を兄のように慕う少年。明るく元気な性格で、時折トラブルを引き起こすことも。
●ポム
声優:笑福亭鶴光
物語後半から登場するオリジナルキャラクターのネズミ。ユーモラスでおしゃべり好きな性格で、コメディリリーフとして活躍する。
●ダルタニヤンの父
声優:大宮悌二
ガスコーニュ地方で暮らすダルタニヤンの父親。息子に剣術と正義の心を教え、パリへの旅立ちを促す。
●ダルタニヤンの母
声優:坪井章子
優しく思いやりのあるダルタニヤンの母親。息子の旅立ちを温かく見守り、無事を祈っている。
●フランソワの母
声優:加川三起
フランソワの母親で、息子とダルタニヤンの友情を理解し、二人を支える存在。
●ボナシュー
声優:矢田稔
パリで宿屋を営む男性で、ジュリエットの叔父。商売熱心だが、時に小心者な一面も見せる。
●ルイ13世
声優:徳丸完
フランス国王で、近衛銃士隊を率いる。国家の安定を願い、リシュリュー枢機卿との政治的駆け引きに悩む。
●アンヌ王妃
声優:山田栄子
ルイ13世の王妃で、優雅で気品ある女性。宮廷内の陰謀に巻き込まれながらも、王国の平和を願っている。
●ミレディ
声優:増山江威子
謎多き美女で、リシュリュー枢機卿の密偵。美貌と策略を武器に、ダルタニヤンたちを翻弄する。
●ウディニエール
声優:田中康郎
リシュリュー枢機卿の側近で、彼の指示のもと暗躍する。冷徹で忠実な性格。
●ロシュフォール伯爵
声優:納谷六朗
リシュリュー枢機卿の腹心で、剣術の達人。ダルタニヤンの宿敵として立ちはだかる。
●リシュリュー枢機卿
声優:寺田誠
フランスの実力者で、政治的野心を持つ。王国の支配を目論み、陰謀を巡らせる。
●ナレーター
声優:柴田秀勝
物語全体を通じて、視聴者に状況や背景を説明する役割を担う。
●主題歌・挿入歌・キャラソン・イメージソング
●オープニング曲
曲名:「ワンワン三銃士」
歌手:日下まろん、杉並児童合唱団
作詞:香山美子
作曲・編曲:服部克久
この楽曲は、冒険心と友情をテーマにした明るく元気なメロディが特徴です。歌詞は、主人公ダルタニヤンと三銃士たちの絆や勇敢さを称え、視聴者に勇気と希望を与える内容となっています。日下まろんさんの伸びやかで力強い歌声と、杉並児童合唱団の澄んだコーラスが見事に調和し、作品の世界観を一層引き立てています。視聴者からは、「聴くたびに元気が出る」「冒険へのワクワク感が伝わってくる」といった好評の声が寄せられています。
●エンディング曲
曲名:「そういうお主は?」
歌手:日下まろん
作詞:香山美子
作曲・編曲:服部克久
エンディング曲は、オープニングとは対照的に、しっとりとした落ち着いた雰囲気を持つバラードです。歌詞は、日常の中での小さな気づきや、仲間との絆の大切さを優しく語りかける内容となっています。日下まろんさんの温かみのある歌声が、視聴者の心に深く響きます。この曲について、視聴者からは「一日の終わりに聴くと心が和む」「友情の大切さを改めて感じさせてくれる」といった感想が寄せられています。
●アニメの魅力とは?
■「ワンワン三銃士」の世界へようこそ
―擬人化された動物たちが織り成す友情と冒険の物語―
1981年から翌1982年にかけてTBS系列で放送されたテレビアニメ『ワンワン三銃士』は、古典文学『三銃士』を大胆にアレンジし、動物キャラクターたちの世界で描かれる痛快冒険ストーリーだ。アニメ制作を担当したのは、日本アニメーション。彼らがこれまで手がけてきた名作群とは一味違い、ファンタジーと歴史、ユーモアとアクションが絶妙にブレンドされた異色作ともいえる。
本作は、視覚的な親しみやすさとドラマティックなストーリー展開、そして何より「動物たちが本気で国を守る」という設定が、新鮮かつ魅力的な要素として多くの視聴者に受け入れられた。
■ 親しみやすさと気品を兼ね備えたキャラクター造形
まず本作の特筆すべき点は、登場人物をすべて擬人化された動物たちで構成しているところにある。主人公のダルタニヤンは情熱的で純粋な犬、三銃士のアトスはクールで理知的な大型犬、アラミスは優雅な猫、そしてポルトスは陽気で力自慢のブルドッグと、それぞれのキャラが持つ種族の特性と性格描写が巧みにリンクしている。
この動物キャラ化によって、原作のもつ政治的・宗教的な背景が柔らかく中和され、子どもでも理解しやすい物語構造に再構築されている点が大きい。とりわけ視聴者の心をつかんだのは、ダルタニヤンのまっすぐな行動力と、「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という名セリフに象徴される仲間との固い絆だ。
また後半から登場するネズミのボムは、本作オリジナルのキャラながら抜群の人気を博した。コミカルな動き、知恵者としての立ち位置、視聴者の笑いを誘う軽妙なテンポは、シリーズ全体に軽快さと明るさを加えるスパイスとなっていた。
■ 冒険、剣劇、陰謀…多彩なジャンルを融合したストーリー構成
物語の背景は17世紀のフランス。ルイ13世の治世下、王妃アンヌを巡るスキャンダルと、リシュリュー枢機卿による権力闘争が中心軸として描かれている。アニメとは思えないほど本格的な政治劇が基盤にありつつ、ダルタニヤンの成長物語としての構成も並行して進むため、子ども向けでありながら深みのある作品に仕上がっている。
特に印象的なのが、緊張感あふれる剣戟シーンや、策略が入り乱れる駆け引きの描写である。陰謀に巻き込まれた王妃を救うため、ダルタニヤンと三銃士がヨーロッパを駆け巡るスパイ戦、敵との知恵比べ、友情によるどんでん返しなど、見る者を飽きさせない展開が続く。
加えて、悪役であるリシュリューやミレディも単なる「悪」としてではなく、複雑な野心や葛藤を秘めたキャラクターとして描かれており、大人の視点でも楽しめる奥行きがある。
■ 音楽と演出の完成度:服部克久による名曲の力
『ワンワン三銃士』の魅力を語る上で欠かせないのが、音楽面での完成度だ。作曲・編曲は、日本を代表する作編曲家・服部克久。彼が手掛けたオープニングテーマ『ワンワン三銃士』は、躍動感と冒険の予感に満ちた名曲であり、聞くだけで作品の世界に没入できる。
また、エンディングテーマ『そういうお主は?』では、柔らかく語りかけるような旋律と歌詞が、キャラクターたちの心情や物語の余韻をじんわりと伝えてくる。これらの楽曲がアニメの雰囲気を支える重要な要素として機能し、視聴者に深い印象を与えている。
効果音やBGMにもクラシカルなテイストが漂い、17世紀のフランスという時代設定を違和感なく演出することに成功している。映像と音の融合がここまで丁寧に設計された作品は、当時の子ども向けアニメの中では珍しかった。
■ 教育的メッセージとヒューマニズム
『ワンワン三銃士』は単なる冒険活劇ではない。物語のあちこちに「友情」「信義」「勇気」「寛容」といったテーマが盛り込まれており、道徳的・人間的成長を促す内容が自然と織り込まれている。
「正義とは何か?」「本当の強さとは?」「仲間とはどうあるべきか?」――これらの問いかけが視聴者の心に残るように巧みに設計されており、大人が見ても考えさせられる場面が多い。特に、敵対していた者が真意を理解し合い、手を取り合うエピソードなどは、本作がただの子ども向けエンターテインメントに留まらないことを示している。
■ 当時の評価と再評価の流れ
放送当時の『ワンワン三銃士』は、日曜の朝に子どもたちが楽しみにする定番アニメのひとつとして人気を博した。視聴率自体は突出して高かったわけではないが、「子どもでも分かりやすく、親が安心して見せられるアニメ」として家庭からの支持は非常に強かった。
また、2005年にDVD-BOXが発売された際には、当時子どもだった視聴者が大人になって再び本作に触れ、「こんなにしっかりした物語だったのか」「今こそ見直す価値のあるアニメ」と高く評価されるようになった。SNSやブログでも、「地味だけど名作」「もっと注目されるべき作品」との声が続々と上がっている。
特にアニメファンの間では、「キャラデザインと音楽の完成度の高さ」「テンポの良い脚本」「ボムの存在が作品の空気を変えた」といった観点から、後年の評価が大きく上昇している。
■ まとめ:子どもにも大人にも届く本格冒険アニメ
『ワンワン三銃士』は、古典文学のリメイクとして、また動物キャラクターによるファミリー向け作品として、稀有なバランスを保ちつつ成功を収めたアニメである。その中に込められた「誠実に生きること」「仲間を信じること」「真実を見抜く目を持つこと」といった普遍的なテーマは、今なお色褪せない。
放送から40年以上が経過した今こそ、この作品が持つ魅力と意義を再確認する価値がある。冒険と感動、そして少しの笑いが詰まった『ワンワン三銃士』の世界は、きっとこれからも、次世代の視聴者に勇気と希望を与え続けるだろう。
●当時の視聴者の反応
■ 「ワンワン三銃士」放送当時の社会的な空気
―アニメ黄金期に現れた“文芸系”冒険作品の印象―
1980年代初頭といえば、『うる星やつら』『Dr.スランプ アラレちゃん』『銀河鉄道999』などがテレビアニメ界を賑わせていた時代。そんな中、『ワンワン三銃士』は一風変わった雰囲気を放っていた。派手なSFやギャグ全開の作品が人気を集める中で、本作は“ヨーロッパの文豪原作 × 動物キャラクター × 勧善懲悪”という独特の切り口を打ち出していた。
世間では「ちょっと地味だけど、しっかりした作品」「絵本のようなやさしさがある」といった声が多く、幼児~小学校低学年層の親たちの間で、「安心して見せられるアニメ」として好意的に受け止められていた。
■ 視聴者の記憶に残る「朝の友達」
当時、TBS系列での放送は日曜の朝9時台。休日の朝に子どもたちがテレビの前に集まる定番タイムであり、多くの家庭で「朝ごはんを食べながら観る」作品として親しまれていた。実際、放送当時の視聴者からは、
「ダルタニヤンの元気な登場に毎週ワクワクしていた」
「ボムが出てくるようになってから、弟がめちゃくちゃハマった」
「『一人はみんなのために!』って言いながら兄弟で遊んだ」
といった“家庭内での風景”を思い出として語る人が多い。派手さはなくとも、安心感と温かみを持つ作品として、子どもたちの生活に寄り添っていたことがうかがえる。
■ メディアの受け止め方:「日本アニメーションらしさ」の評価
アニメ専門誌『アニメージュ』や『OUT』では、本作に対して「近年の作品の中でも、児童文学的アプローチが丁寧」と好意的なレビューが掲載された記録がある。特に注目されたのは、日本アニメーションの持つ“文芸・ヒューマン路線”の延長線にあることだった。
「世界名作劇場」シリーズと同じ制作会社による本作は、世界文学のアニメ化という共通項がありつつも、よりライトでコミカルな要素が前面に出ていたため、「名作劇場のスピンオフ的な感覚で見られた」という声も存在した。
また、テレビ情報誌では「安心して家族で楽しめる内容」として評価され、視聴率の面でも極端な浮き沈みはないものの、安定した層を掴んでいたとされる。
■ 書籍や学術的な言及:動物擬人化の好例として
当時の児童向け書籍や、アニメ研究を行う学術系出版物においても『ワンワン三銃士』は取り上げられることがあり、「擬人化による教育的効果」や「クラシック文学の導入教材としての有効性」といった観点で注目された。
たとえば、アニメ教育研究の著書では以下のような評価がなされている:
「ダルタニヤンという主人公を犬として描くことで、視聴者に“身近な存在としての英雄像”を提示する効果がある。人間キャラに比べ、感情移入がしやすく、暴力的なシーンも穏やかに見える点が特徴」
また、当時の児童向けアニメ関連書籍『テレビアニメ大百科』などでも、「動物たちの活躍する名作ファンタジー」として掲載されており、教育的視点からも一定の評価を得ていた。
■ ダルタニヤンと三銃士の個性がもたらしたキャラ人気
放送当時、特に視聴者の間で話題を集めたのは三銃士それぞれのキャラ立ちであった。冷静なアトス、気品あるアラミス、豪快なポルトスと、それぞれに個性がしっかりしており、子どもたちの“推しキャラ”が明確に分かれていた。
また、ダルタニヤンの「ドジだけど真っすぐ」というキャラクター造形は、視聴者の多くから「自分に近い」「親しみやすい」と好評で、
「アトスのクールさがかっこよくて憧れた」
「アラミスのスマートさが好きだった」
「ポルトスはムードメーカーって感じで大好きだった」
といった、キャラ人気投票のような現象も自然発生的に生まれていた。
■ 口コミで広がった“ボム人気”と笑いのエッセンス
本作後半から登場したオリジナルキャラクター「ボム」は、当時の視聴者の間で爆発的な人気を博した。ネズミという体格の小ささとは裏腹に、頭脳明晰で機転が利き、時には銃士たちの命を救う活躍を見せるボムの存在は、視聴者から「かっこいい小さなヒーロー」と称賛された。
特に子どもたちの間では、
「ボムの物まねが流行った」
「あの喋り方がツボだった」
「学校の劇でボム役をやりたがる子がいた」
といった具体的な反響が多数あったという。当時の子ども向け雑誌での人気キャラランキングでも、ボムは主人公のダルタニヤンに次いで上位に入ることが多かった。
■ 大人たちの“静かな称賛”と教育的評価
一方で、親世代からの反応も上々だった。『ワンワン三銃士』は道徳的メッセージがはっきりしており、友情や正義、約束を守る大切さを自然に伝える内容であったため、「子どもに見せたいアニメ」として高い信頼を得ていた。
放送当時、主婦向け雑誌や教育雑誌では「家庭で語り合えるテレビ番組」として紹介され、教育的観点からもその内容が支持されていた。
■ 現代からの再評価:「もっと注目されるべき名作」
2000年代以降、DVD-BOXの発売や一部再放送をきっかけに、当時の視聴者たちがSNSやブログで作品の記憶を語る機会が増えている。「こんなに内容がしっかりしていたなんて、大人になって初めて気づいた」
「派手じゃないけど、心に残るアニメだった」
「最近のアニメにはない“素朴で真面目な物語”が懐かしい」
といった声が多く、特に子育て世代となった元視聴者からは、「今の子どもにも見せたい」という意見が目立つ。
また、動物キャラが活躍するという設定は時代を超えて受け入れられやすく、再アニメ化を望む声も少なくない。
■ まとめ:派手さはないが、心に残る静かな傑作
『ワンワン三銃士』は、時代の波に乗ることよりも、誠実な作りと真っ直ぐなメッセージで勝負した作品だった。そのため、大ヒットこそしなかったが、確実に多くの視聴者の記憶に刻まれ、今もなお“静かな名作”として語り継がれている。
放送から40年以上経った今も、「なぜか印象に残っている」「あの主題歌が忘れられない」と語る人が後を絶たないことこそが、本作の持つ本当の価値を物語っている。
●声優について
■ 間嶋里美とダルタニヤン:純真と情熱を声に乗せて
■ 少年役の名手としての技術
間嶋里美は、本作で元気いっぱいの主人公・ダルタニヤンを好演。少女役も得意としながら、少年キャラも自然体で演じられる稀有な存在として知られていた。ダルタニヤンの声は、少し高めながら芯のあるトーンで、どこか一本気な雰囲気を醸し出している。
本人も後年のインタビューで「男の子らしさを強調しすぎず、彼のまっすぐな心が声から伝わるように意識した」と語っており、感情の起伏を丁寧に描く演技で、多くの視聴者から「親しみやすい主人公」として支持された。
■ 台本へのメモと「人間くささ」の追求
彼女は台本のすみずみにメモを書き込むことで有名で、ダルタニヤンがどのような場面で何を思い、どう成長しているかを逐一チェックしていたという。制作スタッフも「間嶋さんがいたから、ダルタニヤンが生き生きと育っていった」と振り返っており、まさに彼女の繊細な演技が物語の軸を支えていたことは間違いない。
■ 野島昭生とアトス:静かなる知性の声
■ 低音の抑制で魅せる演技
アトスを演じた野島昭生は、当時すでに実力派として知られ、数多くの作品で“静かなる大人”を演じてきた。『ワンワン三銃士』でもその持ち味は遺憾なく発揮され、無駄を省いた抑えめの演技がアトスの思慮深さとリーダーシップを際立たせていた。
「感情を爆発させる演技ではなく、“引き”で見せる芝居を意識した」という本人の言葉通り、アトスは常に冷静に全体を見守る存在として描かれ、三銃士の中でも重みのある役割を担っていた。
■ アフレコ現場での「指南役」
当時、野島はアフレコ現場でも若手声優たちから信頼される“お兄さん的存在”だったという。間嶋里美や他のキャストが悩んだ場面では「少し語尾を変えるだけで印象が変わるよ」といったアドバイスをしていたという証言もあり、その職人気質な姿勢がキャラクターにも自然と反映されていた。
また、本作で共演した玄田哲章との“静と動”の演技の対比も見事で、収録中に何度も互いのセリフに呼応しながら演技のトーンを調整していたとされる。
■ 玄田哲章とポルトス:豪快さと茶目っ気の融合
■ 重厚な声に宿る陽気さ
玄田哲章が演じたポルトスは、三銃士の中でももっともパワフルで陽気なキャラクター。力自慢で少々食いしん坊、そしてちょっとお調子者――そんな役を玄田は、豪快な声で見事に演じきった。
しかし、玄田哲章といえば、後年の『ターミネーター』や『シュワルツェネッガー吹替』のイメージが強いため、ポルトスのようなコミカルな役柄は一見ミスマッチに思える。しかし実は、本人にとって「楽しく演じた思い出深い役」であり、「ポルトスのような役が本来は大好きなんです」と語っている。
■ 現場での“ムードメーカー”としての役割
演技面だけでなく、収録スタジオでも玄田はポルトスそのもののような存在だったという。緊張した現場を笑いで和ませたり、アフレコの合間にみんなを励ましたりするなど、まさにリアルでも「ムードメーカー」。アニメ雑誌の裏話コーナーでは「玄田さんのギャグでブースが笑いに包まれることがよくあった」とスタッフが語っている。
また、玄田は戦闘シーンの掛け声や笑い声、食べる音の演技などにも全力を注ぎ、「どんな芝居にも“手抜きなし”で挑む姿勢」が高く評価された。
■ 塩沢兼人とアラミス:優美な剣士に宿る繊細な声の魔法
■ “気品とミステリアス”の二面性を演じ分ける妙技
アラミスを演じた塩沢兼人は、当時から“美形キャラクター”の第一人者として知られた存在だった。その柔らかく透明感のある声は、アラミスの端正で知的な印象をより際立たせていた。原作ではアラミスは修道士志望という設定もあり、本作でも内面に影を抱える人物として描かれている。その複雑さを、塩沢は見事に声で表現していた。
収録の際は、常に「このキャラはどこまで本心を語るのか」を意識し、声のトーンを絶妙にコントロールしていたという。彼のセリフは決して声高ではなく、囁くような静けさの中に強さを潜ませる“低音の芸術”とも評された。
■ ファンからの熱い支持と「憧れ」の対象に
放送当時、アラミスは視聴者、特に女子小学生を中心に絶大な人気を集めた。アニメ雑誌のキャラクター投票では、三銃士の中で最も“かっこいい”“理知的”“クール”という評価が多く、「将来、アラミスみたいな人と結婚したい」と書く少女ファンの投書が掲載されたことも。
ファンイベントや手紙の数も他キャラより群を抜いており、塩沢本人も「アラミスは僕にとっても挑戦的な役だったけれど、非常にやりがいがあった」と語っている。
■ 潘恵子とジュリエット:慈しみと勇気を内包した声のヒロイン
■ 優しさと芯の強さを絶妙に織り交ぜる演技
ジュリエットは、ダルタニヤンが想いを寄せる女性でありながら、王妃の侍女として気高い使命感を持って行動する重要キャラクターだ。そんなジュリエットを演じたのは、優雅で柔らかい声質に定評のある潘恵子。彼女の声は、まさにジュリエットというキャラの“聖なる女性像”を完璧に体現していた。
潘は役作りにあたって、「ただの可愛いヒロインではなく、王妃の信頼を背負いながら葛藤する“大人の女性”を目指した」と語っており、その言葉どおり、ジュリエットのセリフには常に知性と感情の深みが込められていた。
■ 少女たちの“理想の女性像”として映った
当時の女子児童誌のアンケートでは、「憧れのアニメ女性キャラ」の上位にジュリエットがランクイン。視聴者の中には「ジュリエットみたいに、人を支えられる女性になりたい」という感想も多く寄せられていた。
潘の演技は「押し付けがましくない優しさ」と評され、登場回のたびにファンレターが届いたというエピソードもあり、彼女自身も「視聴者に育てられた役だった」と振り返っている。
■ つかせのりことフランソワ:小さな少年が見せる大きな優しさ
■ 子どもの視点を担う「癒やし枠」の演技
ダルタニヤンの弟分のような存在であり、常に兄の背中を追いかける健気な少年・フランソワを演じたのは、童声で知られるベテラン女性声優・つかせのりこ。子ども役に定評があった彼女の声は、まさに「自然な少年そのもの」であり、視聴者がフランソワに感情移入する大きな要因となった。
収録では、元気すぎず、甘えすぎず、「自分の中の小さな男の子を呼び出す感覚」で演じていたとされる。本人も「フランソワは心で演じる役。彼の言葉は台本以上に表情や雰囲気が重要だった」と語っており、声の温度感に特にこだわっていたという。
■ 幼い視聴者の“感情の代弁者”としての存在
フランソワは、劇中でダルタニヤンの無謀さを心配したり、仲間たちの優しさに感動して涙をこぼしたりする“感情の窓”のような役割を担っていた。そのため、視聴者の中でも特に年少層にとって「一番近い存在」となっていた。
子ども番組雑誌の投稿コーナーでは、「フランソワが泣くと、自分も泣いてしまう」「フランソワが出てくるとホッとする」といった感想が多く、つかせのりこの演技力の繊細さが高く評価されていた。
■ 笑福亭鶴光とポム:笑いと知恵で物語を和らげた名脇役
■ 異色のキャスティングが生んだ“クセになる存在感”
ネズミのポムは、アニメ後半から登場するテレビオリジナルのキャラクター。小さな体で大きな知恵を持ち、三銃士やダルタニヤンたちを影から支える裏方的存在ながら、視聴者からの人気は爆発的だった。
このポムに命を吹き込んだのは、落語家でありながら当時タレント・DJとしても絶大な知名度を誇っていた笑福亭鶴光。アニメ声優としての起用は異例だったが、その独特の語り口とコミカルな抑揚が、キャラクターに唯一無二の個性を与えた。
当時のインタビューで鶴光は「ポムは落語の与太郎のようなとぼけた知恵者。テンポよく喋ることと、間で笑わせることを意識した」と語っており、落語家ならではの“しゃべりの間”がキャラに生きていたことがわかる。
■ ポム人気と模倣ブーム
放送終了後もポムのセリフは多くの子どもたちにマネされ、「あの喋り方がクセになる」「ポムが出てくる回は笑える」といった感想が子ども向け雑誌の投稿欄をにぎわせた。
中には「ポムの声真似でクラスの人気者になった」という児童の手紙も紹介され、実際に学校や家庭で“ポムごっこ”が流行したというエピソードも残っている。
■ 大宮悌二と“父の声”:背中で語る包容力
■ ダルタニヤンの旅立ちに欠かせなかった“あたたかな厳しさ”
作品冒頭、ガスコーニュの田舎町でダルタニヤンに剣を託し、都会への旅路を後押しする父。その声を務めたのが、ベテラン声優の大宮悌二だった。長年にわたり名脇役として活躍し、穏やかで柔らかな声質の中に確かな重みを感じさせる名手である。
大宮の演技は、一見穏やかだが「男は背中で語る」タイプの親父像を絶妙に表現しており、出番は多くなかったものの、その存在感は序盤の物語に確かな芯を通していた。
■ アフレコ時の“親心”を込めた演技
スタッフによると、大宮は台本読みの段階から「この父は厳しい中にも息子への愛を持っている」と語っており、アフレコではセリフの抑揚やテンポに非常にこだわっていたという。
「頑張ってこい」というたった一言にも、言葉の後に一拍置いて感情の余韻を残すなど、大宮の演技は“言葉で語らない愛情”の表現に満ちていた。
視聴者の間でも「父のセリフが今も心に残っている」「あの声で見送られると泣けてくる」といった感想が寄せられ、短い登場ながら深い印象を残した。
■ 坪井章子と“母の声”:癒しと祈りに満ちた包容力
■ 「見守る母」を象徴する、語りかけるような演技
母親役を務めた坪井章子は、時代劇やアニメで多くの母親役を務めてきたベテラン。『ワンワン三銃士』でも、ダルタニヤンを優しく見送る母として登場し、子どもの無事をただ祈るしかない立場から、静かな台詞のひとつひとつに母の情が込められていた。
特に印象的なのは、出発前夜に息子の寝顔を見つめながら囁くシーン。台詞自体はごく短いが、坪井の声には「母としての寂しさ」「誇らしさ」「願い」が織り込まれており、多くの視聴者が「あの母の声に涙がこぼれた」と語っている。
■ 家庭の象徴として描かれた“静かな愛情”
坪井の演技は、いわば家庭という原点の象徴でもあった。ダルタニヤンが剣を抜いて戦う意味を、視聴者は母の声から逆照射することができた。無言のうちに愛情を伝える――それが坪井の“声の芝居”の神髄であり、本作でもそれは見事に表現されていた。
また、坪井の演じる母は、子どもたちの視点からは「安心できる存在」として機能しており、「ダルタニヤンのお母さん、すごく優しい声だった」とのファンの声も多い。
■フランソワの母役:加川三起
ダルタニヤンの幼馴染であるフランソワの母親は、優しく包容力のある女性として描かれています。この役を演じた加川三起さんは、穏やかで温かみのある声質で、母親としての愛情深さを見事に表現しました。彼女の演技は、フランソワを思いやる母親の姿をリアルに伝え、視聴者から共感を得ました。特に、フランソワが冒険に出る際の心配と応援が入り混じった複雑な心情を、加川さんは繊細に演じています。
■ボナシュー役:矢田稔
ボナシューは、物語の中で重要な役割を果たすキャラクターの一人です。この役を演じた矢田稔さんは、特徴的な声と巧みな演技力で、ボナシューの個性を際立たせました。矢田さんは、これまでにも多くの作品で個性的な役柄を演じており、本作でもその経験が生かされています。彼の演技は、ボナシューのコミカルな一面とシリアスな場面での緊張感を巧みに使い分け、視聴者を引き込むものでした。
■ルイ13世役:徳丸完
フランス国王ルイ13世を演じた徳丸完さんは、威厳と品格を兼ね備えた声で、国王としての存在感を見事に表現しました。徳丸さんは、これまでにも多くの作品で重要な役柄を務めており、本作でもその実力を遺憾なく発揮しています。彼の演技は、ルイ13世の威厳ある態度と、人間味あふれる一面を巧みに描き出し、視聴者から高い評価を受けました。
■アンヌ王妃役:山田栄子
フランス王妃であるアンヌを演じた山田栄子さんは、優雅で気品ある声質でキャラクターに生命を吹き込みました。アンヌ王妃は、物語の中で重要な役割を果たし、彼女の存在がストーリーの進行に大きく影響します。山田さんの演技は、王妃としての威厳と女性としての繊細さを見事に表現し、視聴者から高い評価を受けました。特に、ダルタニヤンや三銃士たちとのやり取りでは、母性的な優しさと王族としての厳格さを巧みに演じ分けています。
■ミレディ役:増山江威子
謎めいた美女であり、物語の中で重要な敵役となるミレディを演じた増山江威子さんは、その妖艶で魅惑的な声でキャラクターの魅力を引き立てました。ミレディは、ダルタニヤンや三銃士たちを翻弄する存在であり、増山さんの演技はそのミステリアスな雰囲気を見事に表現しています。視聴者からは、ミレディの魅力的でありながらも恐ろしい一面が印象的だったとの声が多く寄せられました。特に、ダルタニヤンを誘惑し、アンヌ王妃を暗殺するよう仕向けるシーンでは、増山さんの演技力が際立っています。
■ウディニエール役:田中康郎
ウディニエールは、物語の中で脇役ながらも重要な役割を担うキャラクターです。この役を演じた田中康郎さんは、落ち着いた声質と確かな演技力で、ウディニエールの存在感を高めました。田中さんは、これまでにも多くの作品で脇役を務めており、本作でもその経験が生かされています。彼の演技は、ウディニエールの忠実さや誠実さを巧みに表現し、視聴者から好評を博しました。
■ロシュフォール伯爵役:納谷六朗
リシュリュー枢機卿の腹心であり、剣術の達人としてダルタニヤンの前に立ちはだかるロシュフォール伯爵を演じたのは、声優の納谷六朗さんです。納谷さんは、これまでにも多くの作品で冷徹な悪役や知的なキャラクターを演じており、本作でもその経験が生かされています。彼の低く響く声と抑制された演技は、ロシュフォール伯爵の冷酷さと策略家としての一面を見事に表現し、視聴者から高い評価を受けました。特に、ダルタニヤンとの剣戟シーンでは、納谷さんの緊迫感あふれる演技が物語の緊張感を一層高めています。
■リシュリュー枢機卿役:寺田誠
フランスの実力者であり、政治的野心を持つリシュリュー枢機卿を演じたのは、寺田誠さんです。寺田さんは、威厳と狡猾さを併せ持つリシュリュー枢機卿のキャラクターを、重厚な声と緻密な演技で表現しました。彼の演技は、リシュリュー枢機卿の陰謀や策略を巧みに描き出し、視聴者に強い印象を与えました。特に、王宮内での権力闘争や、ダルタニヤンたちとの対立シーンでは、寺田さんの迫力ある演技が物語の深みを増しています。
■ナレーター役:柴田秀勝
物語全体を通じて、視聴者に状況や背景を説明するナレーターを担当したのは、柴田秀勝さんです。柴田さんは、落ち着いたトーンと明瞭な語り口で、物語の進行をスムーズにサポートしました。彼のナレーションは、視聴者が物語の世界観や時代背景を理解する上で大きな役割を果たし、作品の完成度を高めています。特に、物語の冒頭や重要な転換点での柴田さんのナレーションは、視聴者を物語に引き込む力を持っていました。
●イベントやメディア展開など
■ 着ぐるみショーと剣士体験で熱狂!
放送中期から後期にかけて、全国の主要デパートやショッピングモールでは「ワンワン三銃士フェア」と題した子ども向けイベントが開催された。中でも人気を博したのは、ダルタニヤンや三銃士の着ぐるみが登場する“冒険ショー”である。
物語の一部をベースにしたミニ劇や剣の舞が繰り広げられ、参加した子どもたちは「ダルタニヤンと握手できた!」「ポルトスの大きさにびっくりした」と大興奮。剣士体験コーナーでは、おもちゃの剣で簡単な構えを学び、「今日から君も近衛銃士!」という認定証をもらえる仕掛けもあり、週末ごとに長蛇の列ができたという。
■ 『たのしい幼稚園』『テレビマガジン』との連動
放送期間中、『たのしい幼稚園』『テレビマガジン』『テレビランド』などの子ども向け雑誌では、本作を大きく取り上げた巻頭カラー特集が組まれた。キャラクターの紹介だけでなく、アニメの名シーンをマンガ化した付録や、「アニメ名場面シール」「剣士変身グッズ」などの誌上おまけも大人気となった。
特にテレビランドでは、視聴者投稿による「三銃士イラストコンテスト」が実施され、子どもたちが描いた“犬の剣士たち”が毎号掲載されたことで、読者との距離感をぐっと縮めた。
■ 絵本化や読み聞かせカセットも登場
当時の児童書出版社・フレーベル館や講談社からは『ワンワン三銃士』の絵本シリーズも刊行。とくに低学年向けの「テレビえほん」では、ダルタニヤンとジュリエットの友情をテーマにしたハートフルなストーリーが掲載され、読み聞かせ用のカセットブックもセットで販売された。
子どもたちはテレビだけでなく、寝る前にもダルタニヤンたちの世界に触れることができ、「文字を読むのが好きになった」という親の声もあったという。
■ 玩具メーカーとのコラボで剣やぬいぐるみが人気に
当時、本作のキャラクター人気に目を付けた玩具メーカー・ユタカ(現バンダイの一部)は、簡易な光る剣型おもちゃや、ダルタニヤンのぬいぐるみを発売。特にポムのぬいぐるみは「ネズミなのに愛嬌がある」として、意外にも女の子の間で売上を伸ばした。
また、食玩メーカーからはキャラクター消しゴム(いわゆる“ケシキャラ”)が登場し、文具セットや下敷きなどのアイテムも文具店や文房具付きの学習雑誌で展開された。
■ グッズは“贈り物需要”としても人気
「友達の誕生日に三銃士の下敷きをプレゼントした」「おばあちゃんがジュリエットのマスコットを買ってくれた」といった家庭内での思い出も多数残されており、キャラクターグッズが子ども同士の絆を深める“社交アイテム”として機能していた側面も興味深い。
■ 2005年にDVD-BOXがリリースされる反響
放送から20年以上を経た2005年、本作の全話を収録したDVD-BOXが発売された。この復刻に際して、ネット上では「懐かしい!」「主題歌が忘れられなかった」という声が噴出し、Amazonや専門店では予想を超える予約数を記録。
当時の子どもだった世代が親になり、自分の子どもと一緒に観賞する“親子鑑賞”が増えたという声も多く、「今見ても感動する」「昔は分からなかった登場人物の心情に泣けた」と大人ならではの視点での再発見も語られた。
■ 一度だけ実現した“声優陣の朗読ステージ”
声優ファンの間で語り草となっているのが、1982年春に東京・赤坂で行われた「アニメフェスタ」内の“声優朗読コーナー”。ここで『ワンワン三銃士』の特別編が披露され、間嶋里美(ダルタニヤン役)、塩沢兼人(アラミス役)、玄田哲章(ポルトス役)がステージ上でキャラとしてやりとりを交わした。
観客からは「テレビそのままの声が目の前で響いた感動は忘れられない」「塩沢さんのアラミスに客席から拍手が起きた」といった感想が残され、再放送や再演を望む声がこの頃から強まったという。
●関連商品のまとめ
1. 音楽関連商品
1.1. シングルレコード
オープニングテーマ「ワンワン三銃士」とエンディングテーマ「そういうお主は?」は、シングルレコードとして発売されました。これらの楽曲は、明るく親しみやすいメロディと歌詞で、多くのファンに愛されました。レコードジャケットには、主要キャラクターが描かれ、コレクターズアイテムとしての価値も高まりました。
1.2. サウンドトラックアルバム
劇中で使用されたBGMや挿入歌を収録したサウンドトラックアルバムもリリースされ、アニメの世界観を音楽でも楽しむことができました。これにより、ファンはお気に入りのシーンを音楽とともに振り返ることができました。
2. 書籍関連商品
2.1. 絵本・児童書
アニメのストーリーを基にした絵本や児童書が多数出版され、子供たちが物語をより深く理解し、楽しむ手助けとなりました。これらの書籍は、親子での読み聞かせにも適しており、家庭内でのコミュニケーションツールとしても活用されました。
2.2. コミック版
アニメの人気を受けて、コミック版も刊行されました。これにより、ファンはアニメとは異なる視点や表現で物語を楽しむことができ、作品への理解を深める一助となりました。
3. 玩具・フィギュア関連商品
3.1. キャラクターフィギュア
主要キャラクターのフィギュアが発売され、子供たちはこれらを使ってアニメのシーンを再現したり、新たな物語を創造したりして遊ぶことができました。これらのフィギュアは、細部まで丁寧に作り込まれており、コレクターズアイテムとしても高い評価を受けました。
3.2. プラモデル
キャラクターや劇中に登場するアイテムをモデル化したプラモデルも販売され、組み立てる楽しさと完成後の達成感を提供しました。これらのプラモデルは、子供から大人まで幅広い層に支持され、模型作りの入門編としても親しまれました。
4. 文具・日用品関連商品
4.1. 文房具セット
ノート、鉛筆、消しゴム、筆箱など、学校生活で使用する文房具にキャラクターがデザインされた商品が多数登場しました。これらの文房具は、子供たちの学習意欲を高めるとともに、友達とのコミュニケーションツールとしても活用されました。特に、新学期や入学シーズンには、セット商品として販売されることが多く、ギフトとしても人気がありました。
4.2. ランチグッズ
弁当箱、水筒、ランチョンマットなど、食事関連の商品にもキャラクターが描かれたものが販売されました。これらのグッズは、子供たちのランチタイムを楽しく彩り、食事への興味や関心を高める効果がありました。また、遠足やピクニックなどのイベント時にも活躍し、親子での楽しい時間を演出しました。
5. アパレル関連商品
5.1. Tシャツ・パジャマ
キャラクターがプリントされたTシャツやパジャマが販売され、子供たちの日常生活に溶け込みました。これらの衣類は、カラフルでポップなデザインが特徴で、着ることでアニメの世界観を身近に感じることができました。特に、夏場のカジュアルウェアや、就寝時のパジャマとして人気がありました。
5.2. 靴下・下着
日常的に使用する靴下や下着にも、キャラクターがデザインされた商品が登場しました。これらのアイテムは、子供たちにとってお気に入りのキャラクターを常に身につけられる喜びを提供し、日々の生活に彩りを加えました。また、親御さんにとっても、子供たちが喜ぶ実用的なアイテムとして好評を博しました。
6. 食品関連商品
6.1. キャラクター菓子
『ワンワン三銃士』のキャラクターをかたどったチョコレートやキャンディー、ビスケットなどのお菓子が販売されました。これらの商品は、子供たちのおやつとして人気を博し、パッケージにはアニメのシーンやキャラクターが描かれていました。さらに、シールやカードなどのおまけが付属するものもあり、コレクション要素も加わっていました。
6.2. インスタント食品
キャラクターがデザインされたカップラーメンやスナック菓子も登場しました。これらの商品は、手軽に食べられることから、子供たちだけでなく、忙しい親御さんにも重宝されました。パッケージには、アニメの名場面やキャラクターのイラストが使用され、食事の時間が楽しくなる工夫が施されていました。
6.3. 飲料
ジュースや乳酸菌飲料などの飲料製品にも、『ワンワン三銃士』のキャラクターが採用されました。これらの飲料は、健康志向の親御さんにも支持され、子供たちが楽しく栄養補給できるアイテムとして人気を集めました。
6.4. シリアル食品
朝食用のシリアルにも、キャラクターがデザインされたパッケージの商品が販売されました。これにより、子供たちは朝食の時間をより楽しみに感じるようになり、食生活のリズムを整える一助となりました。